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【連載14】SMAPのいない“紅白”に何を感じるか? 5人の歌がくれた名場面

 前回お送りした番外編『SMAPベスト盤を読み解く PART.1』に続く、SMAP連載第14弾。11月24日、『第67回NHK紅白歌合戦』出場歌手が発表された。これまで、計23回出場してきたSMAPの不在、そこに人々は何を思うのか。彼らが“紅白”をはじめ、数々の歌番組で見せてきた名場面を振り返りながら、SMAPの音楽の行く末を考える。

“紅白”出場者にSMAPの名前なく――

 先日、今年の『第67回NHK紅白歌合戦』への出場者が発表された。NHKの会長からも熱烈なオファーをしているとずっと報道されていたけれど、結局、そこにSMAPの名前はなかった。

 SMAPを“歌番組”で観なくなって、もう8ヶ月が経つ。

 最後に5人揃って“SMAPの持ち歌”を歌う姿を観たのは3月12日。“紅白”と同じNHKで放送された『震災から5年“明日へ”コンサート』の司会を中居正広が務め、5人で福島県会津若松市にある会場で、「オリジナル スマイル」「この瞬間(とき)、きっと夢じゃない」「世界に一つだけの花」の3曲を披露したときだ。オープニングの“オリスマ”では、会場後方の扉からSMAPが登場し、観客にもみくちゃにされながら5人はステージに到着した。最後の曲となった“世界〜”でも客席に降り立つ大サービス。“オリスマ”と“世界〜”は定番としても、「この瞬間〜」が選ばれたのは、その中の“どんなに遠く離れていてもそばにいる”という歌詞に、5人が復興への思いを込めたからに他ならない。

 冒頭では、“思いを歌で届けたい”という中居のナレーションが入っていた。

国民的なアイドルと歌番組、それは“コタツにミカン”ほどの安定感

 SMAPには、テレビで持ち歌を披露した際の“名場面”が数多くある。その中でも、“紅白”と聞いて思い出すのが、2014年に、SMAPの5人が審査委員席にいたタモリを囲んで「世界に一つだけの花」を歌った場面だ。タモリとプライベートでも仲良しの草なぎ剛が、歌いながら審査委員席のタモリのもとへ駆け寄った。あとでわかったことだが、それは、リハーサルのときはなかった動きだった。慌てて4人が追いかけて、5人でタモリを囲んだ。タモリにとっては31年ぶりの“紅白”で、SMAPとの“紅白”での共演は初。『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)では、ゲストの曲を聴いているときはほとんど微動だにしないタモリが、このときばかりは少し照れくさそうにペンライトを振っていた。

 これ以外にも、“紅白”で印象的だったSMAPのパフォーマンスはいくつもある。中居の名司会に唸らされたこともある。レコードからCDへの転換期にグループが結成され、生演奏の歌番組が軒並み終了していた時代にデビューしたグループだからこそ、歌番組での一回一回のパフォーマンスを大事にしていたSMAP。古くはNHK・BSの『アイドルオンステージ』、中居が司会を務めた『うたばん』(TBS系)、草なぎ司会の『FNS歌謡祭』(フジテレビ系)、ダウンタウンが司会を担当した『HEY!HEY!HEY! MUSIC CHAMP』(同系)、大晦日の『CDTVスペシャル!年越しプレミアライブ』(TBS系)、阪神淡路大震災後の『ミュージックステーション』で披露された「がんばりましょう」、『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)のS・LIVE、『SMAP×FNS27時間テレビ』(同系)のノンストップライブなど、SMAPは、様々な形で、様々な場面、様々な世情に寄り添いながら、自分たちの歌を披露してきた。

 なかでも“紅白”は、デビュー年から長きに渡って出場し、中居が司会を6回も務め、グループとして初めて大トリを任されたり、何度も歌手別最高視聴率を記録したりしている。国民的アイドルグループと呼ばれる彼らと、国民的な歌番組は、まさに老若男女誰もが知っていて、誰もが話題にできる組み合わせとして、“コタツにミカン”ぐらいの安定感があった。

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