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坂口健太郎インタビュー『いまもまだ手探りだけど…違和感はなくなった』

愛情をもって見れるようになった

――坂口さんは高校時代から、俳優の仕事に興味があったそうですね。お芝居をはじめて、演じることの楽しさは深まっていますか?
坂口うーん、深みかぁ。最初は“ただ楽しそう、おもしろそう”からお芝居をはじめて、どういうものかもあまりわかっていなかったし、正直いまもそれほどわかっていないと思うんですけど(苦笑)。なんていうか、自分がやるキャラクターのことを、もっと愛情をもって見れるようになった気はしています。いちばん登場人物のことをわかっていたいし、いちばん好きでいたい。いまもまだ手探りなんですけど、そのキャラクターに溶けやすくなったというか。前は台本があって、セリフを読んだとき「こんなこと、言うのかな?」って、自分(の価値観)が入ってしまっていたんですけど、最近は違和感を覚えることがなくなってきました。この人はこういう考えで、というのを取り込みやすくなったのかもしれない。
――違和感を感じることもあったのですね。
坂口いままでやらせていただいた役って、(自分に)似ているって言われたりするのはありがたいんですけど、やっぱり自分とは人格が違うから、パラレルワールドみたいな感覚なんですよね。“自分とは全然違うけど、このキャラクターなら、こういうことを言うだろうな”というような……。感覚として、前よりちょっと広く、役について考えられるようになったのかもしれません。

――砂川を演じていたときにも、そういう変化を感じましたか?
坂口坂の途中で、大和さんに猛男のことを話すシーンがあるんです。最初に台本を読んだとき、もちろん砂川のことはイイ奴だっていうのはあったんですけど、「猛男は大和のことが好きなんだって、言っちゃえばいいのにな」って思ったんです。でも、お芝居をしていくうちに、砂川なら言わないなって思いました。というか、猛男の気持ちを代弁するって発想が、頭のなかから消えていました。砂川にとってはたぶん、本当に大事な友だちの、本当に大事な初恋を、自分が言ってしまうのではなく、ちゃんと猛男自身に自分の気持ちを知ってほしい、気づいてほしいという気持ちがあったのかなって。大事なことをぼかす砂川のことが、徐々にわかってきた感じがありました。

もやもやしていた方が経験できる

――昨年の俳優デビュー以来、さまざまな話題作に次々と抜擢されていますが、ご自身のなかで環境の変化を実感することは?
坂口わかりやすいことだと、電車で気づかれやすくなりましたね。でもそのくらいかなぁ(笑)。僕個人では、そんなに変わっていないと思うんですけど。“オレは役者だっ!”みたいなのもないし。周りから見る僕と、自分が心のなかで思っている僕って、違ったりするじゃないですか。自分ではなんか生きづらくなったなあ、なんていうのはないですねぇ(笑)。

――今秋は『コウノドリ』(TBS系)で、連続ドラマにも初登板されていますが、俳優として、今後の展望のようなものはありますか?
坂口僕は目標は作らないんです。それにとらわれるというか、なんか固まってしまいそうな気がして。なにか目標をひとつ作ると、そこに向かって、どんどん視野が狭まっていきそうで。(目標を作らず)もやもやしていた方が、5年後もっといろいろな経験ができそうだなって思っています。僕あまり賢くないので(笑)。
(文:石村加奈/撮り下ろし写真:鈴木一なり)

俺物語!!

 全く高校生には見えない顔面と巨体の持ち主・剛田猛男(鈴木亮平)。いかつい風貌と不器用さで女子から恐れられているが、情に厚くいつ何時も人助けをする包容力で男子からの信頼はアツい。
 だが、これまで好きになった女子はみんな、猛男の隣家に住む親友の超イケメン・砂川誠(坂口健太郎)を好きになり、猛男も素晴らしい男だと認めているので、そうなることも仕方のないと思っている。
 ある朝、猛男と砂川は街中で危機に遭っていた女子高生・大和凛子(永野芽郁)を救い、猛男は大和に一目惚れをしてしまう。猛男の一途な恋の行方は……。

監督:河合勇人
キャスト:鈴木亮平 永野芽郁 坂口健太郎 鈴木砂羽 寺脇康文
2015年10月31日(土)全国ロードショー
(C)アルコ・河原和音/集英社(C)2015映画「俺物語!!」製作委員会
【公式サイト】(外部サイト)

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