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ミニチュア玩具の生みの親? 世界観を“極小”で表現する開発者のこだわり

リアルに「手ごね」して作られたお肉も…目指すは“シズル感”

 生活の中にあるあらゆるモノや風景を精巧に再現して人気の「ぷちサンプルシリーズ」だが、特に食べ物は「食べたくなるほどおいしそう!」とファンが多い理由となっている。それもそのはず、2002年6月から展開されている「ぷちサンプルシリーズ」の開発のヒントとなったのは、「日本が世界に誇る技術」である食品サンプルなのだという。

「食品サンプルをもっと小さくしたら可愛いし、気軽にお手元においてもらえるのでは? という発想から生まれた商品で、食品サンプルに負けない“シズル感”を目指して開発を進めてきました。第一弾の『和食処』が好評だったことからシリーズ化され、現在まで約200シリーズを展開しています(販売終了の商品を含む)」(広報・鈴木さん)

 精巧なものづくりの秘訣は、社員として原型師が社内にいることも大きいようだ。しかも原型師は全員が女性であるという。現在は9人いる原型師をとりまとめるリーダーの相田実希さんも女性だ。

「社内に原型師がいることのメリットは、原型が完成するまでのチェックや修正といったやりとりがスムーズにいくことですね。また商品開発は1つのシリーズにつき、企画担当者と原型師が一対一でタッグを組んで行っています。あまり多くの人間が関わるとアイデアがブレてしまいがちですし、逆に1人で黙々と作業しているだけだと見落とすこともあるので、この"バディ体制"はちょうどいいんです」(原型リーダー・相田さん)

 原型は3Dプリンタで出力することもあるが、最新の機器でもあまりに小さいモノはディテールの再現が粗くなるため、原型師が手作業で作ることも多い。企画開発の小川さんと「今日は焼肉!じゅうじゅう苑」でタッグを組んだ原型師の妹川珠英さんは、「特にお肉は小さかったので、1枚1枚、樹脂粘土を手でこねて作りました」と振り返る。
「こだわりのポイントはもちろんリアルを追求することですが、最終的に工場で量産することを考えると、それもなかなか難しいところがあります。手作業であればどこまでも緻密なものを作ることはできるんですが、たとえばお肉もあまり薄すぎると量産で成形不良が発生してしまう。逆に厚すぎるとリアリティが出ない。そこのさじ加減がいつも苦労するところですね」(原型師・妹川さん)

 企画開発の小川さんもまた、リアルの追求と量産コストという同じ苦労を共有している。

「最終的にお客さまが手に取りやすい価格に設定するためには…というせめぎ合いはいつもありますね。ですから、特に動かして遊びたいアイテムなどはとにかくこだわって、逆にたとえば焼肉屋の(会計時にもらう)ガムなどは、紙にプリントしたものでコストを抑えるなどしてバランスを取っています」(小川さん)

 なお、『今日は焼肉!じゅうじゅう苑』は焼肉屋のフルセットで3800円(税別)だが、「ぷちサンプルシリーズ」の多くはテーマ(居酒屋、コンビニ、洋食屋など)の1コマを切り取ったパーツが複数入った1個箱が500〜800円(税別)。リーズナブルな価格でクオリティの高いミニチュアの世界を楽しめるとあって、ミニチュアビギナーからコレクターまで幅広いファンをつかんでいる。

提供元: コンフィデンス

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