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「太鼓持ち」から「Eテレの顔」に サバンナ高橋、親子層からの支持確立で増す存在感

コッシーの声優も担当 転機となった『ドラえもん』で親子との距離がますます身近に

 ところで冒頭で触れた「Eテレの顔」の件だが、そもそも高橋はNHK Eテレの4〜6歳向け教育番組「みいつけた!」の主人公キャラであるコッシーの声を10年近く務めている。とは言え、子どもの世話をする時間帯の放送だけに多くの親世代は「ながら見」をしているようで、声だけの出演で高橋と気づいていた人は少なかったようだ。それだけに2019年9月20日の放送で高橋が「イスはしトゲオ」としてテレビに初めて顔出し出演した(公開ステージには出演していた)ところ、「コッシーはサバンナ高橋だったんだ!」「Wコッシーとは神回!」とTwitterのトレンド入りするほどの大賑わいとなった。
  • 2017年公開『映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険』より(C)ORICON NewS inc.

    2017年公開『映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険』より(C)ORICON NewS inc.

  • 2019年公開『映画ドラえもん のび太の月面探査記』より(C)藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ・ADK 2019 (C)ORICON NewS inc.

    2019年公開『映画ドラえもん のび太の月面探査記』より(C)藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ・ADK 2019 (C)ORICON NewS inc.

 親子層に強力にアプローチしたきっかけと言えば、やはり『ドラえもん』だろう。『アメトーーク!』で「ドラえもん芸人」としてその愛を熱く語り、2014年8月1日に放送された特別番組「ドラえもん知識王No.1決定戦SP」(テレビ朝日)では優勝を果たすほどのマニアである高橋だが、2017年にはついに映画『ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険』に出演を果たす。さらに翌年2018年にも映画『ドラえもん のび太の宝島』に出演。「ドラえもん」の映画シリーズにおいて2年連続の声優出演は史上初のこととして話題となったが、さらに2019年3月公開の映画『ドラえもん のび太の月面探査記』にも出演し、自己記録を更新している。
 単に愛を語るだけでなく、太鼓持ちキャラである自身とスネ夫を重ね合わせたネタでしっかり笑いに繋げるのは芸人ならでは。子どもたちの心を掴むとともに、親世代からも下ネタやディスりのないトークが好印象を得ている。

 さらに2018年10月、NHK Eテレ『Rの法則』が突然打ち切りとなり、その後番組としてスタートした『沼にハマって聞いてみた』のMCに就任してからは評価がうなぎのぼりだ。

 趣味嗜好が多様化する今、それでも「これにハマっていると知られたら陰キャ認定されるのでは」「好きすぎることを言ったら変人扱いされるのでは」と自分の世界に閉じこもる若者は少なくない。そうした風潮がある中で、ある特定の趣味にどっぷり浸かった10代の若者="ハマったさん"たちがその魅力を熱く語る姿は多くの共感を集め、スタートから約1年経った今では「#NHK沼」が放送中にTwitterトレンド入りする回もある。

 若者たちの「好き」という気持ちを尊重した番組作りにおいて、MCを務める高橋の存在は大きい。NHK制作局<第1制作ユニット>教育・次世代チーフ・プロデューサーの石塚利恵氏は、「基本的に人を肯定し、まず10代の話をきちんと聞いてくれます。愛あるいじりも含めて、トークのさじ加減が本当に素晴らしい。(中略)未知の物事に対して変に構えたり、否定から入ったりといった部分がなく、より10代の感覚にも近い。結果、ハマったさんたちも楽しくそれぞれの沼への思いを言葉にしてくれる環境が実現できているのだと思います」と高橋のMC力はもちろん、若者たちに寄り添うスタンスを高く評価している。

 巧みなトークからも伺えるようにもともと地頭がよく、知識が豊富。また基本的に人をディスらないそのキャラクターは、業界関係者も含めて多くの人に愛されている。そもそも「太鼓持ち」というややネガティブなワードも、他人を攻撃したり傷つけたりせず、いいところを見つける才能に長けているとも言い換えが可能だ。持ち前の多趣味ぶりや人を肯定する姿勢、そしてトーク力と、高橋の能力が存分に発揮された『沼にハマって聞いてみた』は、まさに天職と言える番組かもしれない。

 芸人の世界はベテラン勢の引退が少なく、またテレビの枠は限られている。お笑いに止まらない活躍の場を得るのは、中堅以降に差し掛かった芸人のテーマと言えるだろう。そうした中で高橋は子どもや学生と触れ合う教育の分野にも携わるようになり、「健全なイメージでマルチに活躍できる芸人」という希少なポジションを確実に固めつつある。その好奇心旺盛な姿勢から、来年ますます活躍の幅を広げてくれることに期待したい。
(文:児玉澄子)

提供元: コンフィデンス

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