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映画人・斎藤工としての立ち位置 適材で関わることが大切「仕上がり至上主義でいたい」

 俳優業に留まらず、“映画人”として現在の日本映画界で異彩を放つ斎藤工が、昭和の傑作に挑んだ『麻雀放浪記2020』。斎藤が抱く『麻雀放浪記』へのリスペクトと本作への並々ならぬ思い入れ、そして紆余曲折を経てノーカット公開が決定したときの想いとは―。2月中旬のインタビューをもとに3月末の取材コメントを加え、斎藤が本作で果たした役割を通して、映画人としての生き方やポリシーに迫る。

『麻雀放浪記』を知ってもらいたいという思いで関わった企画

――過激な内容が話題になっている本作ですが、斎藤さんは企画から関わっていると聞きました。
斎藤工『明日泣く』(2011年)で、阿佐田哲也さんの半生を演じさせていただく機会があり、そのときに阿佐田さんの奥様の色川孝子さんとの出会いがありました。色川さんといろいろな話をするなかで、阿佐田さんの傑作『麻雀放浪記』を知らない若者が増えているという事実をなんとかしたいという思いが湧いてきたんです。それが企画の始まり。ただ、僕自身が製作として動いたわけではなく、あくまで作品を知ってもらいたいという思いで関わっていたんです。

――阿佐田哲也さんとの出会いは、『明日泣く』だったのですか?
斎藤工父が阿佐田哲也さんフリークだったので、自宅の本棚には阿佐田さんの本がたくさんありました。その影響で幼少期から触れる機会があり、どんな方なのかは本を通して知っていました。でも決定的だったのは、和田誠さんの映画。傑作ですからね。
――本作は、白石和彌監督がメガホンをとります。
斎藤工暴れ馬のような題材を乗りこなすことができる人は限られています。映画人としての基礎体力を含め、いまの映画界では白石監督以外にいないと思いました。僕自身、白石監督作品のファンですが、色川夫人もとても気に入られていて、引き受けていただけたらすごい追い風になると感じていました。ただ、和田誠さんの傑作があるので、引き受けていただけるか不安もありました。当初、プロデューサーの谷島正之さんも、ゆっくり丁寧にアプローチしました。

提供元: コンフィデンス

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