キティに続きぐでたまもYouTuberに サンリオCMOが語る60周年に向けた“攻め”の姿勢
キキ&ララはお月さまサイズ!? 知られざるネタがてんこ盛り…「キャラクターの“本質”を伝えたい」
「バブルブームやダサかっこいいブームもあり、近年は昔流行ったキャラクターに人気が集まる傾向が多々見受けられました。ファンシーテイストなフレッシュパンチ、ポチャッコと同様に香港でも人気のあひるのペックル、コラボカフェも大好評を博したタキシードサムなどのグッズの売れ行きが良いんです。こういうのって世の流行と同じで1周してまた戻ってくるんですよね。だからこちらもそれを見越して、“次はこの子が来るんじゃないのか?”みたいな予測はもちろんします。その考え方で当てはめていくと、ポチャッコはまさにど真ん中なんです」
サンリオPRの山本淳美さん曰く、このような再ブレイク現象においても重要なのが“キャラクターの本質的な魅力”だという。
「ポチャッコは2月29日生まれで誕生日が4年に1回しかないんですが、こういった豆知識みたいな情報がファンの方の心をくすぐるんだと思います。他にもキキ&ララの身長は2人合わせてお月様サイズ、ポムポムプリンはプリンの妖精ではなくゴールデンレトリバー、ぐでたまは卵だから“性別がない”、マイメロディのライバルのクロミの誕生日は10月31日のハロウィン…など、サンリオのキャラクターって昔から知っているけど、その子について詳しく知らないという方がほとんどだと思います。でも、大人になって改めて触れて“実はそうだったんだ”と喜んでもらえることも多いんです。改めてキャラクターの本質的な魅力を掘り起こして伝えていきたいと思っています」(山本氏)
「新しいキャラも、歴史のあるキャラも、多角的に魅力を掘り起こしていきたい」
「今は情報量がものすごく多い時代なので、新しいキャラクターを作っても記憶に残りづらいのが現実です。逆に80年代、90年代のものはみんな知っていて、世代を問わず共通のネタとして重宝されている傾向が強い。だから思い出の追体験として、昔のキャラクターを再び好きになって、結果再ブームが起きる。音楽業界でサブスプリクションサービスの浸透によって過去の名曲が再注目されているのもまったく同じですよね。昔に“良い”とされていたものが再注目を浴びる一方で、新しいものの魅力をいかにつたえていくべきか、その戦略を練っているところです」(木村氏)
2018年は、新たな部門の設立、IP化戦略、YouTuberデビューなど“攻め”の姿勢で話題を作った1年だったサンリオ。60周年のアニバーサリーイヤーを飾る、特別なプロジェクトは考えているのだろうか。
「僕が判断する立場なら、 “何もやらない”です(笑)。なぜなら60周年っていう数字ばかりに目を向けてしまい、肝心のキャラクターの本質の追求が薄れてしまうから。もしやるならサンリオの価値が上がるようなことを一時ではなく、ずっとやり続ける。60周年だから何かするというよりも、60周年を機にこれから先を見据えたマーケティングを実践する方向で考えたいですね」
(文/Kanako Kondo)
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