伊藤健太郎、ツッパリから武士までノーブルな空気を放つ特異な俳優の可能性
『今日俺』を機に「健太郎」から「伊藤健太郎」へ改名
「伊藤」のトレードマークであるトゲトゲ頭をどう表現するかは原作ファンの間で注目されたが、律儀にも髪を伸ばし、地毛でセットに40分をかけて役に臨んだ。しかも、「伊藤」役を演じるにあたり、名前もそれまでの「健太郎」から「伊藤健太郎」に改名した。
ただし、実際には伊藤の役名からもらったわけではなく、いつかは本名に戻して活動しようと思っていたときにこの役に出会い、奇跡的な巡り合わせを感じて、本名に戻したのだった。
問題児やクールな役がひとつのハマり役に
その後、『仰げば尊し』(TBS系)では、真面目に吹奏楽に打ち込む部員でありつつも、吹奏楽の名門校受験に失敗した過去をひきずり、焦燥感や劣等感に苛まれる役を演じた。
おそらくクールに見える切れ長の目がそうした役を引き寄せるのだろう。ラブコメ映画『ういらぶ。』では、主人公のライバルキャラで、賢くスマートな役を演じた。しかし、映画『覚悟はいいかそこの女子。』では、ヒロインの幼なじみで、データ専門のモテない眼鏡君を演じた。最大の魅力であるクールな目つきを眼鏡によってあえて封印したわけだ。