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“部活”人口の激減でピンチのミズノ、なぜ過去最高益? 25倍に急増する“eスポーツ部”で見つけた逆転の勝機
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目次
「暑すぎて外で部活ができない」少子化と気候変動のリアル“部活”のいま
日本最大の高校対抗の全国eスポーツ大会『Coca-Cola STAGE:0 eSPORTS High-School Championship 2026』
「中高生の部活動の中で、特に夏場に外で行うチームスポーツはかなり厳しい状況。気候変動で夏が暑く、少子化で人も少ないため、部活でチームを組むことができません。そんななか、ネット環境やオンライン・オフラインで個人でもできるeスポーツは、非常に需要が高まっていると感じています」(アスレティック事業部事業統括室室長・藤田真之介さん)
「総合スポーツ用品メーカーなので、シューズだけでなく、バットやグラブといったギアも満遍なくしっかりとサポートできる点が最大の強みです。五輪競技の半数以上で日本代表チームをサポートしてきた実績もあり、中高生を含めて競技に取り組んでおられる方々に一番しっかりと向き合えている企業だと自負しています」(藤田さん)
日本最大の高校対抗の全国eスポーツ大会『Coca-Cola STAGE:0 eSPORTS High-School Championship 2026』
「弊社は“スポーツをしている中高年には強い会社”でしたが、スポーツをしていない若者に対してもっと接点を持ち、ブランド価値を向上していきたいと考えていました。そこで現在の状況を総合的に判断し、eスポーツをタッチポイントにすれば、これまで届かなかった若者層にアプローチしていけるのではないかと考えました」(藤田さん)
「1日14時間座りっぱなし」ゲーマーは過酷な“アスリート”だった、スポーツメーカー参入の必然性
日本最大の高校対抗の全国eスポーツ大会『Coca-Cola STAGE:0 eSPORTS High-School Championship 2026』
「野球選手の1日の練習量は3〜5時間程度ですが、eスポーツ選手は試合前になると1日10〜14時間も練習しています。椅子の上で長時間同じ姿勢を維持するため、身体のコンディショニングを意識し、筋トレなどに取り組む方もいます」(川端さん)
日本最大の高校対抗の全国eスポーツ大会『Coca-Cola STAGE:0 eSPORTS High-School Championship 2026』
「eスポーツはアジア競技大会でも採用されていますし、アスリートを支える構造もできていますから、社内でもすんなり受け入れられました。新しいことへの挑戦を後押ししてくれるという社内の環境も大きかったと思います」(藤田さん)
「プロゲーミングチームの中にも『eスポーツはまだスポーツとして認められていない』という雰囲気がありますが、そこに弊社がユニフォームやギアを提供すると『ミズノのようなスポーツメーカーがサポートしてくれると、スポーツとして認められた感があってうれしい』と喜ばれます。プレイヤーをアスリートとして支えるという根幹は、従来のスポーツと全く変わらないと思います」(川端さん)
老舗のギア技術を結集「勝つための道具」と「ユニフォーム文化」の創出
ミズノが開発したコントローラー『ストリートファイター6』とのコラボ商品
「格闘ゲームではコントローラーを操作するため、指を長時間動かす場面での使いやすさを考え、『左右非対称』のコントローラーを開発しました。またeスポーツでは対戦中に身体が熱くなり、汗をかくこともあるため、吸汗速乾素材や動きやすいパターン(裁断)などを意識して作っています」(川端さん)
ミズノが開発したチェアー『ストリートファイター6』とのコラボ商品
「プロゲーマーさんとの取り組みでは、主にコントローラーのボタン配置や形状についてリクエストをいただいています。コントローラーのサンプルを使用してもらった後、『ボタンはもう少し内側に』など非常に細かいリクエストをいただき、それを基に調整を繰り返しました」(川端さん)
「我々はウェアやシューズだけを作っているメーカーではなく、ギアまで手掛ける総合スポーツ用品メーカーです。今回も選手との深い対話を通して、これまでになかったような特殊な形状を生み出せたと思います」(藤田さん)
ミズノが開発したやわらかい質感が特徴のダンベルボール「ボルレッチ(BALLRETCH)」『ストリートファイター6』とのコラボ商品「ブランカちゃん人形ブルブルボルレッチ」
「学校のeスポーツ部では、ユニフォームを着て試合に出るという概念がまだありません。私たちは教育機関や各学校との人脈もあり、学校競技のユニフォームのノウハウもありますが、まずユニフォームを着るという文化を作っていこうと考え、大会協賛を通じてその啓蒙活動をしています」(藤田さん)
「ずっとミズノに支えられてきた」と言われる10年後の未来へ
「今はその過渡期ではないでしょうか。eスポーツの大会で高校生が数千万円〜1億5000万円といった高額賞金を獲得することもありますが、このようにeスポーツが『稼げる競技』として認知されれば、状況はもっと変わると思います。またeスポーツでは、ネットを通じて世界中で知り合いができたり、英語で話す機会が増えるなどグローバルな広がりも期待できます。そうしたメリットから、今後後押しする親御さんが増えてくるかもしれないですね。
今はどんな競技をするにもお金がかかりますが、若者には購買力がありません。親御さんに理解してもらうためのアプローチをしていく必要があると感じています」(藤田さん)
(下段左から4番目)栗原悠輝選手(東京ヴェルディ)/eスポーツ日本代表選手
「スポーツをやっている人、やっていない人に関わらず、全年代の人たちにアプローチしていくことは大事ですし、これをやり続けないといけません。10年後、eスポーツをやっている方たちに『ずっとミズノに支えられてきた』と思っていただけるよう、継続した取り組みを行っていきたいと思います」(藤田さん)