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電子コミック戦国時代、「どこも同じ」大量生産に無料利用…“スナックコンテンツ化”にどう挑む? コミックシーモアの20年
大量生産にタイパ重視、無料利用…スナックコンテンツ化する電子コミック
「たしかに、海外からの参入など大量生産的になっているかもしれません。また読者も二極化しており、コアなマンガ読者も多く存在する一方で、特に若年層はタイパ重視と言いますか、セリフが少なくスピーディーな展開のものが好まれる傾向があります。それが決して悪いわけではないのですが、しっかり作り込まれたマンガが埋もれてしまうのは懸念するところです」(多田さん)
そうした、いわば“スナックコンテンツ的”な作品が増えたことで、もう1つ課題となっているのが無料利用の増加だ。同社ではサービス展開当初から無料施策を行なってきたが、これはかつてリアル書店で見られた“立ち読み”に近い意味合いで、無料で試し読みし、続きが気になったら課金するという好循環を生んできた。
「無料がきっかけになればいいのですが、無料で読むだけで終わってしまうと、出版社さん、作家さんに還元できず、ひいては日本のマンガ文化を衰退させかねません。無料施策は今後も新しい作品に出会ってもらう施策として継続しますが、続きが気になる紹介の仕方、続刊を購入しやすい施策など、にこれまで以上に力を入れていかなければと感じています」(多田さん)
海外でウケるのは少年マンガやwebtoonだけではない、意外な購買傾向
「従来、アメリカでウケる日本のマンガといえば、ジャンプ作品を中心とする少年マンガ。女性向け作品ではコアなBLファンはいるものの層は厚くないというのが定説でしたが、MangaPlazaではストーリー性のある女性向けコミックが非常によく読まれています。また海外向けマンガではwebtoonが注目されていますが、購買傾向を見るとむしろ作品重視で見開きマンガも人気です。電子コミックの普及で、海外のマンガ読者の目も肥えたのかもしれません」(奥田さん)
紙と電子を加えたマンガ市場は2020年以来、4年連続で過去最高を更新し続けている。とはいえ、人口減が続く日本でマンガ市場が今後も安泰だとは言い切れない。マンガ大国・日本の会社という自負を持ち、日本の良質なマンガの海外展開に意欲を見せるコミックシーモアの次の20年に期待したい。
(文:児玉澄子)
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