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“黒い女性は経験豊富”がいまだ信じられている風潮…婦人科形成から見えるコンプレックスの根深さ「外見の悩みに比べより切実度が高い」

 外見のコンプレックスを解き放つ手段として美容医療が一般的になりつつある。一方、見た目ではわからない悩みを持つ人もいる。なかでも女性特有のデリケートゾーンの悩みは、家族や友人にも相談できず、1人で抱えてしまうことも多い。コンプレックスを解消し、QOLを向上するのが美容医療の役割だが、その領域の1つに婦人科形成がある。日本では周知・認知が低いなか、その存在意義や手術を適応する目安について、共立美容外科の新宿本院院長兼総括院長の浪川浩明さんに聞いた。

婦人科形成を受ける最も多い世代は20〜30代 女性器の“見た目”と“機能”の改善に悩みが多い

──近年は、美容医療の周知・認知により、外見を変えるハードルは低くなりました。コンプレックスから解放される喜びは何物にも代えがたい喜びです。一方、婦人科形成は表面的に見えない部分で、他者にはわかり辛く、友人や家族に相談し辛い。クリニックに訪れるユーザーの心象について教えてください。

「誰にも相談できず、1人でお悩みになってというケースが多いです。デリケートな部分ですから、基本的にはカウンセリングでもご本人から自発的に語ってもらえることはほとんどありません。また、具体的な注文をいただくこともほぼありません。共立美容外科では、来院時のアンケートに記入されていることを考慮し、カウンセリングでどのようにするのか、具体的なことは医師主導で進めることが多いです」

──婦人科形成にはどのようなニーズがあるのでしょうか?

「大きく分けて2つあります。1つは女性器の見た目の改善。もう1つは機能の改善です。このうち来院される方で最も多いのが前者。『小陰唇の見た目を改善したい』という希望です。具体的には『(1)サイズを小さくしたい』『(2)形を整えたい』『(3)色を綺麗にしたい』の3つのニーズがあり、複数を希望される方もいます。また陰核の包皮が長すぎる、俗に言うクリトリス包茎で悩まれている方もいます。これらの悩みに対しては、いずれも小陰唇縮小という手術で対応しています」

──来院される方の年齢層は?

「最も多いのが20〜30代の未婚の方ですね。稀ですが、『亡くなった時に恥ずかしくないように綺麗にしておきたい』と高齢になってから来院される方もいます」

──小陰唇の大きさ・形・色は他人とは比べづらいものです。どのようなきっかけで来院されるのでしょうか?

「そこは自尊心に関わる部分ですから、カウンセリングでもあれこれ聞き出すことはしていませんし、自発的に語られる方も少ないです。ただ、おそらく想像するにご自身で目視されて『大きすぎてグロテスク』、『左右非対称で形が崩れている』、あるいは『色が黒すぎる』などと思い悩まれるのではないでしょうか」

性器の色が濃くなるのは、第二次性徴期の特性 ホルモンによる色素沈着は避けられない

──他人から指摘されることもあるのでしょうか。

「特に色に関しては、パートナーから指摘された方もいるかもしれないですね。ただ世の男性にお伝えしておきたいのは、『性器の色が濃い女性は経験豊富』というのは都市伝説に過ぎないということ。第二次性徴を迎えると、ホルモンの関係で色素沈着が起こるものなのです。ちなみに、数万人の健康な成人女性を調べた事例によると、色素沈着のない女性は4000人に1人しかいなかったそうです」

──小陰唇が大きすぎることによる生活の不快感は、小陰唇縮小で解消できるでしょうか。

「自転車にまたがった時やジーンズを履いた時に擦れて痛い、という方もいるでしょう。ただ炎症を起こしているなど、日常生活を送るのが困難な症状がある場合は、一般の婦人科あるいは泌尿器科を受診してください。婦人科形成はあくまで見た目を改善し、精神的にも肉体的にも自信が持てるようにすること。コンプレックスの開放につなげることが目的です。例えば、『下着からハミ出てしまうのが恥ずかしい』といった場合は、私たちの領域になります」

──小陰唇縮小の手術を受けた方が良いと思われる目安はありますか?

「見た目の改善ですからあくまで自己判断ということになりますが、よく言われるのは足を30度くらい開脚し、お尻を向けて鏡に写したときに、小陰唇が見えていたらやや大きめと言えるかもしれません」

──小陰唇が大きくなる、あるいは形が崩れる原因はありますか?

「目の形や大きさが1人ひとり違うのと同じように、女性器も大きさや形、色は人それぞれです。ただ、加齢や出産などに伴う見た目の変化はありますので、『若々しく綺麗な見た目にしたい』というご希望はあります」

婦人科形成は“再手術”を望むケースが極めて少ない領域「悩み抜いた結果だからこそ切実。まずは相談して」

──小陰唇縮小手術というのは切除をするのでしょうか。

「そうですね。大きさや形を整えるのもそうですし、色をきれいにしたいといった場合は色素沈着を起こしている外側の部分を切除します」

──デリケートな部分だけに、とても痛そうです。

「もちろん麻酔をして行います。またイメージに反して、この部分は意外に神経が過敏ではないんですね。出産という“大事業”を担う場所でもありますから、変な言い方ですが、とても構造がシンプルなんです。また血流もよく治りやすい場所なので、手術跡も極めて綺麗です。ただし術後はなるべく繊細に扱ってください。性行為も1ヵ月ほどは控えていただきたいですね」

──手術に満足しなかったというケースもあるのでしょうか。

「これまで数千人の手術をしてきた中で、1人だけ『もっと小さくして欲しい』という方はいました。ただこの方については、メンタルの問題が大きかったのではないかと思われます。なかには女性器嫌悪といった、心療内科領域の問題を抱えている方もいます。しかし、小陰唇には女性器の内部に雑菌が入らないようにする扉の役割があるので、完全に取り去ることは決してお勧めできません。1センチから1.5センチは必要で余分なものではありません」

──婦人科形成は再手術を望むケースが極めて少ない領域ということでしょうか。

「はい。というのも目や鼻といった外見の整形に比べてより切実度が高く、悩み抜いた結果、自身でいろいろと調べた上で来院される方がほとんどです。逆に言えば、それほど気軽な気持ちで来院する方は少ない領域だとも言えます」

──婦人科形成を検討されている方にお伝えしたいことはありますか?

「1人で悩むよりも、まずはカウンセリングを受けていただきたいですね。共立美容外科では、プライバシーは厳守し、患者さん同士が鉢合わせしない配慮もしております。またこの領域も女性の医師が増えていますので、医師の性別のご希望も受けています。医師とのカウンセリングの結果、『悩むほどでもなかった』と手術をしない決断をされる方もいますし、相談するだけでも何かしら解決の糸口は見えてくると思います」

(文/児玉澄子)
共立美容外科 新宿本院院長兼総括院長 浪川浩明先生

プロフィール 共立美容外科 新宿本院院長兼総括院長 浪川浩明先生

1991年、帝京大学医学部医学科を卒業。
同年、東京厚生年金病院の形成外科に入局。
2006年、共立美容外科・歯科に入局。
2009年、共立美容外科・歯科 新宿本院の院長に就任。
2009年、共立美容グループの副院長に就任。
2020年、共立美容グループの総括院長に就任。

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