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伝統的なきものをサスティナブルに受け継いでいく…「持続性」をテーマに「Universal Kimono Award 2023」が艶やかに開催

撮影:田中達晃(Pash)

撮影:田中達晃(Pash)

 「おもてなしを形にして敬意をあらわす」──和装事業などを展開し、きもの販売、着方教室の運営を行う株式会社一蔵が、11月29日「Universal Kimono Award 2023」の本大会を横浜ロイヤルパークホテルにて開催。全国各地で行われた予選会を見事、勝ち抜いた216名(ペア部門含む199組)の参加者がショーアップされたランウェイの上でその艶やかさ、美しさを華麗に競い合った。

地区大会を勝ち抜いた216名が美しいきもの姿を披露

  • 撮影:田中達晃(Pash)

    特別審査員を務めた黒谷友香さん(撮影:田中達晃(Pash))

  • 撮影:田中達晃(Pash)

    特別審査員を務めたゆきぽよさん(撮影:田中達晃(Pash))

  • 撮影:田中達晃(Pash)

    審査委員長を務めた高橋英樹さん(撮影:田中達晃(Pash))

 同大会は、“日本文化ときものを未来につなぐプロジェクト”として一蔵が次の100周年に向けて新たな取り組みとして開催したコンテスト。コンテストを通して、きものが本来持っている価値や、新たな魅力と可能性を最新トレンドと併せて発信している。

 3回目となる2023年のテーマは「持続性」。きもの市場は、1980年代の1兆8000億円をピークに現在は2700億円と6分の1にまで縮小。年々減少傾向にあるきもの市場の中で、きものがこれからも伝統工芸として持続していくために、コンテストを通して「日本文化のきものを見る機会を増やしてもっと身近に」「きものが持つ家族の想いやSDGsな特性を世界に広める」「きものの楽しみを変えていく」ことを掲げている。

 きものの歴史は1200年以上。伝統とは変わらないことではなく、変わりながら引き継がれてきたもの。時代に合わせて変化してきたからこそ、単なる「伝統衣装」ではなく「着るもの」として生活の中に溶け込み、そしてそれは「文化」ともなった。この「文化」を一蔵はきもの業界のリーディングカンパニーの使命として、時代に合わせた変化を起こそうと同大会に熱意をかける。

 今年も、全国各地の予選会を経て選ばれた方々が本大会に集結。「フォーマル部門」 「カジュアル部門」 「振袖部門」「mode部門」「伝統工芸部門」「ペア部門」の6部門でグランプリと準グランプリを選出。最後に、総合部門のグランプリと準グランプリ2位、3位が選ばれた。

 特別審査委員長は、昨年に続いて高橋英樹、特別審査員は黒谷友香、ゆきぽよが務め、コーディネート、着こなし、ウォーキング、表現力、品格などを総合的に審査。会場は1200年前の「過去」と令和の「今」が交錯&融合する“美と品格が袖を触れ合う異空間”へと化した。

出場者の北澤訓代さん「職人さんが脈々と受け継いできた伝統を令和の今、私が着ていることに感動を覚えています」

  • 撮影:田中達晃(Pash)

    カジュアル部門に出演した村瀬英子さん(撮影:田中達晃(Pash))

 カジュアル部門に出場した村瀬英子さんは「こんな華やかな空間に訪れたのは生まれて初めて。おきれいな方ばかりでおきものも素敵で眼福。とても幸せです」とコメント。鹿児島の伝統工芸品である「大島紬」を華麗に着こなし、「伝統的でありながら若い方の目にも留めてもらえそうなモダンな柄を思いっきりよく取り合わせたおきもので私も一目惚れしました」と語った。

 帯には日本の著名な画家・田中一村の絵をモチーフにした柄が施されている。全体的に色の置き方がすらっと背が高く見えるよう工夫されており、カジュアル部門にふさわしくモダン色を強くしている。そのために強めの柄を髪のセットや髪かざりでやわらかい印象を塗布。これが調和を生み、ステージ上でも伝統とモダンが調和した独特の雰囲気を品ある笑顔で表現していた。
  • フォーマル部門に出場した齊藤麻穂さん 撮影:田中達晃(Pash)

    フォーマル部門に出場した齊藤麻穂さん(撮影:田中達晃(Pash))

 フォーマル部門に出場した齊藤麻穂さんは、これが3回目のエントリー。糸目友禅の技法を用いる滝沢晃氏による逸品で「乱菊という文様で色目もそうですが秋っぽい格好良さが特徴です」と笑顔を見せた。

 実は同きものには裏話があり、彼女はこれを3年前に着て出場する予定だったという。だが帯がカジュアルであったため、フォーマル部門で出場できなかったために断念。そんな時、滝沢氏の兄弟である樋熊哲也氏のふさわしい帯が見つかり、3年越し、満を持しての「兄弟コラボ」のきものでこの度、出場を果たした。

 フォーマル部門ではわからかさ、しなやかさも重視される。齊藤さんは「長めの丈の優雅なきものの美しさをランウェイの上で表現できるか」を課題に、非常にエレガントなウォーキングを見せてくれた。
  • フォーマル部門で初出場した北澤訓代さん 撮影:田中達晃(Pash)

    フォーマル部門で初出場した北澤訓代さん(撮影:田中達晃(Pash))

 同じくフォーマル部門で登場した北澤訓代さんはこれが初出場。グラデーションのある白い生地に青い花を一針一針刺繍されたエレガントなきものをしっとりと着こなしていた。

「生地のグラデーションが美しく、この伝統的な青い胡蝶蘭の刺繍を際立たせるために、なるべく他の色を排除しました。この胡蝶蘭は見えない部分にもあしらわれており、職人さんが脈々と受け継いできた伝統を令和の今、私が着ていることに感動を覚えています」

 ランウェイ上ではすっと美しい姿勢で立ち振る舞いを見せた北澤さん。「これだけパワーのあるおきものを着るのですから、着られてしまうのではなく、着ている本人の強さも重要。世界中の衣類でこれほど生地にこだわり、強さも感じられるものはありません。それに負けないように歩きます」の言葉通り、数々の時代を生き抜いてきた“強さ”も感じさせる空気をまとっていた。

グランプリに輝いたのは川口実和さん「きものマジックを感じました」

撮影:田中達晃(Pash)

撮影:田中達晃(Pash)

 同大会は迫力のある和太鼓の演舞の披露から始まった。“和”の音が会場中の空気を震わせ、徐々にこの場が横浜という現代的都市であることを忘れさせていく──。そんな中、ランウェイがスタート。駆け回るレーザー光線や和洋折衷の彩りを見せるライティングが、参加者たちの着こなすきものを映し出していく。

 世の中では「生」で見ないとわからないことがいくつかある。例えば「絵画」だ。画集や絵葉書、昨今ではネットでも歴史ある貴重な絵画を見ることはできるが、実はそこには「本質」や「魂」がない。実際に美術館に足を運び、自身の目でその絵画を見る。自然と足が止まる。そう。その「生」でしか表現できない色合いに目が離せなくなるのだ。

 これは、きものでも言える。生地から始まり刺繍などの柄。その一本一本の糸は「生」で見るからこそ息づく伝統の「生」が映えるのであり、その貴重さが「魂」レベルで迫ってくる。

会場ではまるでコンサート会場のように、応援うちわを掲げている人々もおり、ステージを歩く参加者の名を叫び、場を盛り上げる。観覧者もまた、このきものの「生」の魅力を知っているのだろう。そして帯や小物、髪型、髪飾り、これらの組み合わせで無限の可能性がきものにあることを知っているのだろう。

撮影:田中達晃(Pash)

(左から)準クランプリ・涌井菜央さん、グランプリ・川口実和さん、3位・内山啓子さん(撮影:田中達晃(Pash))

 216人それぞれの「美」。そんな中、総合グランプリを獲得したのは、川口実和さん。準クランプリには涌井菜央さん、3位は内山啓子さんが選ばれた。川口さんはその喜びを「私は緊張しいですが、楽しんで(ステージ上を)歩けました。これがきものマジックなのだと思います」と語った。そして特別審査委員長の高橋英樹は総括として「本日は楽しゅうございました。本当に美しい方が美しいきものを着て、素晴らしい表情でお歩きになっているのを見て幸せな気持ちになりました。これからもきものの文化がより日本に浸透し、皆さんがきものを楽しむようになってもらいたい、このように思いました」と発言し、大会は幕を閉じた。

 日本の伝統文化であるきもの。昨今は、晴れ着としての役割だけでなく、時代や成長、体型の変化に応じて長く着続けていくことができるサスティナブルな衣服としても注目されつつある。このコンテストを通して、きものの持つ新たな魅力と可能性が可視化できたのではないだろうか。そしてその“時”を超える“強さ”がこれからも多くのファンを生んでいくのではないか。この記事を読む皆さんにもぜひ、きものというものに興味を持っていただき、そして実際に身に着けることで、その魅力に触れていただきたい。
(取材・文/衣輪晋一)

「Universal Kimono Award 2023 」

  • 撮影:田中達晃(Pash)

    撮影:田中達晃(Pash)

日時:2023年11月29日17:30〜20:00
場所:横浜ロイヤルパークホテル
審査部門
@ フォーマル部門 (訪問着に袋帯等、改まった席に着用していくコーディネート)
A カジュアル部門 (小紋・紬に洒落袋帯・名古屋帯等、普段使いのコーディネート)
B 振袖部門 (振袖を着用した未婚女性の第一礼装にふさわしいコーディネート)
C mode部門 (帯の変わり結び・ブーツ着用・羽織物着用等、個性を出したmodeなコーディネート)
D 伝統工芸部門 (未来に残したい技を活かした伝産マークが付いたきものを着用してのコーディネート)
E ペア部門 (きものの種類を問わず、親子・姉妹・夫婦・友人等お2人ならではのコーディネート)
Spnsored by 株式会社一蔵

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