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【不倫・浮気で悩む人へ】パートナーとの関係修復のためにすべきこと・してはいけないこと

 今夏、世間を騒がせた女性俳優のW不倫。関係修復を望んでいた“サレ側”の夫が親権を失うという結末を迎えたが、一般家庭においても不倫発覚後に関係の修復を願う“サレ側”は珍しくない。一方で、裏切った相手を許すことはたやすくなく、夫婦仲の修復を望みながらも「許せない」「口を開くと責めてしまう」といった悩みも多い。“サレ側”が不倫問題を乗り越えるには、一体、どうすることが正解なのだろうか。これまでに2000組の夫婦をカウンセリングし、『夫は、妻は、わかってない。−夫婦リカバリーの作法−』の著書でもある安東秀海さんに、夫婦関係修復のコツを聞いた。

何よりも今の自分を大切に、“サレ側”がすべきこと

「不倫が発覚した後、『関係を修復したいけど、なかなか相手を許せない』『つい責めてしまう』といった相談は非常に多いですね。これについては、『今はまだ許そうとしなくていい、まずは自分を大事にしましょう』とアドバイスしています」

 そう話すのは、夫婦関係を専門とするカウンセリングオフィス「LifeDesignLabo」を主宰する夫婦カウンセラー安東秀海さんだ。不倫問題は“サレ側”が相手を許すことが関係修復への近道のように思えるが、「された側の心のケアが最優先」という。

「不倫や浮気はそれ自体が大きな痛みになります。そのような状態で『許さなくては…』と考えるのは、心の負担が大きすぎます。不倫に限ったことではありませんが、夫婦関係の修復には適切なプロセスがあると思っています。取り組み方次第で、“サレ側”は長くフラッシュバックに苦しんだり、何年も後にわだかまりが再燃するケースもあります。早く問題を解決したい、と考えるのも当然ですが、まずは自分のケアに集中しましょう」

 許せずに苦しいのも、相手を責めてしまうのも、自分に目が向いていない証拠という。苦しい時期は、相手ではなく、傷ついた自分に目を向けケアする。それが関係修復への一歩と話す。夫婦間の話し合いは最後のステップだ。

“サレ側”が不倫問題を乗り越え、関係修復するための3つのステップ

1)自分を大切にする

「“サレ側”は信頼していた相手に裏切られたと感じることで、心にとても大きなダメージを受けます。そのダメージをやわらげ、心を回復させることが何よりも大切です。自分を大切にする、と言われてピンとこないかも知れませんが、美味しいものを食べて、好きなことをして、自分を満たすことを考えます。特に身体を使うこと、エステやマッサージ、スポーツもおすすめです。あと、大事なのは、不倫が発覚してすぐ、別れるのか関係修復するのかを”決めない”こと。『修復しなきゃ』と考えると、『相手を許さなきゃいけない』と、傷ついた心にフタをしてしまって、回復のための時間を取りにくくなる場合があります。まずは、これからのことは考えないで、心を回復させることに努めましょう」

2)傷ついた自分を助ける

「思い返していちばん辛かったのは、不倫が発覚した直後なのか、それとも疑い・不安を抱えていた時なのか、それは人によってケースによってさまざまです。ここではまず、過去を振り返り、傷ついた自分を探してみます。

 あるケースでは、ご相談者の女性は3人の子育てで大変だった時期に、キッチンの隅に座り込んで泣いている自分の姿が思い出されました。当時、仕事が忙しくて帰ってこないと思っていたけれど、本当は不倫をしていました。でもそのことを知るのはずいぶん後のことで、何も知らずひとりで育児の責任を背負ってつぶれそうになっている、それが彼女の痛みでした。

 そこでカウンセリングでは、『傷ついた過去の私を、今日の私が助けに行く』というワークをしました。具体的には、過去の自分のところに歩いていくことをイメージして、『大変だったね』『辛かったね』と言葉をかけ、『あの日の私』が言えなかった気持ちに耳を傾け、寄り添ってあげる。そうすることで、傷ついた心が少し癒されます。私たちのカウンセリングでは、この方法をベースとして、問題となっていることや、クライアントに適した方法でワークを行っています」

3)夫婦での話し合い&ルール決め

「1、2のプロセスを経て傷ついた心が回復してきたら、『これから』の話をするタイミングになります。でもその前に、傷ついたことや、今の気持ちを改めてパートナーと話し、もう一度、きちんと謝ってもらうことも大切です。これまで何度も話し、謝罪されていても、ここはケジメとして。責めるのではなく、区切りとして気持ちを伝え、その上で今後してほしくないこと、守ってほしいことを伝え、一緒にこれからの対策やルールを決めていきます。

 例えば、お金の動きを共有するために家計簿アプリを導入したり、Googleカレンダーで予定を共有したり。日々の連絡についてもきちんと話しておくことが大切です。ただ、こういう時にはどうしても厳しめに、制限を強める方向に傾きやすいものです。もちろんそれは理解できますが、厳しい取り決めは持続性がありません。かえって夫婦関係にマイナスになる場合もあります。大切なのはルールで縛ることではなく、約束をし守っていくことです。そうすることが信頼を作っていきます」

 関係が修復するまでにはある程度の時間を要するが、その間、なるべく家庭内の環境を変えないように配慮することも大切と指摘する。

「お子さんがいらっしゃる場合は、特に気をつけたいところですが、お互いに共同生活をする上でのマナーや配慮を忘れずに。よそよそしくしたり無視したりするのでなく、少なくとも『おはよう』『いってらっしゃい』『おやすみなさい』といった声掛け、コミュニケーションは大切にしたいところです。またお子さんに相手のことを悪くいうことも避けましょう。それは相手のために、というより、自分自身がこれ以上傷つかないために、大切です。傷つくと、相手を責めたり批判することで少し心が軽くなるように感じるかもしれませんが、それも一時的なもので、かえって自己嫌悪にハマってしまうことも少なくありません」

相手を問い詰めるのはダメ、“サレ側”がやってはいけないNG行為とは?

 不倫問題を抱える夫婦が関係修復する過程で、実はやってはいけない“サレ側”のNG行為もあるという。どれもついやってしまいがちだが、新たなトラウマを負ったり、関係の修復が困難になることも。修復ステップとともに覚えておきたい。

1)情報集めにハマらない

 不倫を見つけてしまうと、「(不倫相手と)どんなことをしたの?」「どれぐらいの頻度で会ってたの?」「どこで会っていたの」など、相手を問い詰めて情報を集めるケースも少なくない。既に「離婚する」と決めているのなら情報を取ることで、慰謝料など有利になる場合もある。ただし、関係修復したい時には絶対にやめるべき行為という。

「情報を見返して辛くなったり、日常の様々な場面がフラッシュバックのトリガーになってしまうこともあります。たとえば不倫相手と待ち合わせしていた駅を利用することさえ難しくなったり、使っていたホテルの名前を聞いただけで動悸がしたり、という事もあります。聞いてしまう気持ちは理解できます。でも、情報は取らない方がいい。これは、“シタ側”を追い込まないためとか、そういうことではなく、不倫をされてしまった側の心を守るうえで、とても大切なことなんです」

2)新しい傷をつけない

「『浮気したくせに、何、平気な顔してるの』『パパ(ママ)は他の人と仲良くしていたんだよ』のように、相手の人格を否定したり、家族としての関係性を傷つけるような発言は控えたいところです。そんな風に言ってしまう程、傷ついている、と捉えて、まずは自分をケアしましょう」

3)登場人物を増やさない

「辛い思いをしている時に、不倫相手とコンタクトをとるのは避けましょう。必要なら代理人を立てて。義理の両親に伝えるのも慎重に。いさめてもらえたら、と期待していたのに、逆に落ち度を指摘されて辛い思いをしたり、『あの時、両親に言いつけて』と後々、遺恨となる場合もあります。登場人物が多くなればなるほど、問題も複雑になりやすいので、まずはシンプルに、夫婦の関係に集中したいところです」

 最後に、“サレ側”に最も伝えたいのは「不倫はあなたのせいじゃないということ」と安東さん。

「多くの場合、不倫をされてしまった側は、『自分に非があったんじゃないか』と考えてしまいます。でも、不倫は、それを選択した側の責任です。それを、されてしまった側が請け負う必要はありません。怒ってもいいし、悲しいのもムリはありません。嫌悪感があっても当然。でも、傷つく必要はないんです。また、許せないことは許せないままで大丈夫です。許さなければ関係修復を進められないわけではありません。

 一方で、不倫をしてしまった側にも、相応の理由や背景があるものです。『なぜそうなってしまったのか?』と“シタ側”が当事者意識を持って自分と向き合ってくれているなら、許す、許さないの選択は少し先に伸ばしておいて、まずは日々の生活の中で信頼関係を積み上げていくことに集中しましょう。そのためにも傷ついた心をケアすることが必要で、それには自分を大切に、自分を労わり、慈しむことが欠かせません」
安東秀海著

INFORMATION 安東秀海著

『夫は、妻は、わかってない。−夫婦リカバリーの作法』(SYNCHRONOUS BOOKS)。長年夫婦で「夫婦のカウンセリング」を行い、延べ2000人以上の話を聞いてきた、『life design labo』の安東秀海先生がその解決策を紹介していく。不倫、セックスレス、借金から「夫が嫌いになった」といった感情の課題まで。代表的なカウンセリング事例を掲載し、夫婦の、そして自分の人生との向き合い方を提示。自分を大事にできる一冊。

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