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「占いに求めるものは?」批判あれども市場は1兆円規模に、オンライン化の一方で「AIより“生の人”を求める」
「人に相談できない悩み」持つ人の半数が占い師に相談、日米で大きな違い
「LINEの調査(全国の15〜59歳の男女1054人対象)によると、コロナ禍で悩みを抱えている人は増え、中でも『気軽に人に相談できない悩み』を持つ人が約40%。さらにその人たちが誰に有料で相談したかというと、50%以上の人から『占い師』という回答が得られました。アメリカでは、同様の調査では『カウンセラー』という回答が最も多くなります。古くから占いという手段を用いて、人に言えない悩みの解消に役立ててきた日本ならではといえるかもしれません」(川野辺傑氏、以下同)
神社に行けばおみくじを引き、星占いに血液型占い、手相、姓名判断から果ては動物占いまで、実にさまざまな占いがブームになってきた日本。「占い経験を問わない、20歳〜61歳までの男女440人」への調査(株式会社リーチゼム)では、何かしら対面で占いをした経験があると答えた人は、実に80%にも及んだという。
一時は占い番組がタブー化、近年の復活で星ひとみらスター占い師が出現
そんな中で、業界にとっての追い風となったのが、前述の占い番組とコロナ禍だ。番組からは星ひとみのような人気占い師が登場。またコロナ禍では、占い上場企業の売上規模は一定の伸びを見せ、3年(2018〜2021年)で1.4倍に伸長したという。とくに、巣ごもり需要を見込んで、自動で占い結果が出てくるデジタルコンテンツから、チャットやリモートを利用した占いへとビジネスモデルを変容させることで、各社売り上げを上げていった。
コロナ禍や長期休暇には〈不倫〉が相談事の上位に、当たる・当たらないより大事なのは?
「『LINE占い』のユーザーの94%は女性。その相談カテゴリーの第1位は、意中の相手がどう思っているか知りたいという〈あの人の気持ち〉、男性の第1位は〈2人の未来〉。男女ともに恋愛の悩みが1位となっています」
この順位や相談事のトレンドは、世情や大きな災害などによっても変化するという。たとえば、現在のトップ5には入っていないが、コロナ禍の2021年の女性の相談事では〈不倫〉が上位にランクイン。〈不倫〉は毎年、長期休暇の際にも上位に入るそうで、職場など外で会えなくなることにより、悩みを抱える人が多いことの表れといえるだろう。
また、占いには「霊視・オーラ」「スピリチュアル・リーディング」「タロット」「数秘術」「透視」などの占術があるが、同サービスでは開始以来、「霊視・オーラ」が不動の1位。
「ロジック系の占いは、一定のルールに沿って結果が出るので、占い師によって結果が大きく変わることはありませんが、霊視・オーラは占い師ごとで結果が異なります。霊視と聞くと怪しく思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、要するに、ユーザーは自分の話した悩みを聞いてもらって、前向きな方向に行けるように後押ししてほしい。その根本的なニーズを持っているのだと思います」
実際、レビューでも「言い方が優しかった」「親身に話を聞いてくれた」など、当たる・当たらないよりも、コミュニケーション面での評価の声が大多数。博報堂調べによると、「占い・おみくじを信じる」と答えた人は、この20年間、25〜32%とほぼ横ばいの状態だが、実は占いに当たること“だけ”を求めている人は少ないということだ。
「ゲッターズ飯田さんがよく『所詮占いですから』とおっしゃいますが、占いはその人の何かを決めるものというより、ひとつの指針であり、手段。悩み事を占う中で、結果が最適なアドバイスになることが大事なのだと感じています。ですから、当たるかどうかだけでなく、コミュニケーションが上手な占い師が人気なのかもしれません」(川野辺氏)
ちなみに、男性はロジック系を好む傾向があり、霊視・オーラと同様にタロットカードの人気が高いという。