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「今の家は“シンプルでコンパクト”がメリット大」30代建築士夫婦が『29坪平屋』に暮らす理由
「優先順位を決めれば、坪数が小さくてもその人たちに合った家になる」
【アツノリ】 とにかく自宅では楽に生活したいという思いがあり、階段が無く1階で完結する平屋の暮らしに魅力を感じていました。
――自宅は“くつろぐ”ためのスペースですから、“楽”なことは大事ですよね(笑)。実際に暮らしてから「29坪平屋」のどのような部分に魅力を感じていますか。
【アツノリ】 まずは、ワンフロアで暮らしが完結する楽さ。掃除も楽です(笑)。室内に仕切りや扉がないので空調が全ての部屋に均一にまわりやすいですし、家族の気配を感じやすいのも魅力です。
【アツノリ】 そうですね。ただ、平均以下の坪数でも特別狭いと感じたことはありません。私たちの暮らしに合うよう『必要最低限で良い部分』と『ゆとりのある部分』のメリハリをつけているため、ちょうど良い広さだと思っています。
家を建てる時は一般的な情報やイメージで広さを決めていくのではなく、「それぞれのシーンをどう暮らしたいか?」ということを考えていき、優先順位を明確にすることでメリハリのある間取りになり、結果として坪数が小さくてもその人たちに合った家になると思います。
――アツノリさんのご自宅では、どのような部分をコンパクトにされましたか。
【アツノリ】 寝室です。寝るだけの空間なので“ベッドが置ければいい”、そう思って無駄な部分は省き、3.5帖にしています。
――コンパクトですね! 実際に居住されて全体として“ちょうど良い広さ”ということですが、限られた空間を広く見せる工夫などはされていますか。
【アツノリ】 そうですね、『建物だけでなく庭と一体に作ること』を意識しました。庭もひとつの部屋と捉えてLDKを作っているんです。リビングから5.5帖のウッドデッキと庭へとつながる間取りで、実際の畳数よりも広く、自然を感じられる気持ちの良い空間に仕上がりました。
その他には、『なるべく間仕切りや建具で仕切らないこと』も“広く見せる・感じる”大事なポイントです。我が家は寝室にも仕事部屋にも建具がありません。
SNSにあふれる素敵ハウス…情報収集をしすぎると自分たちの暮らしが見えなくなることも
【アツノリ】 昨今建築コストはどんどん上がってきています。そして暮らし方も大きく変化していきます。これらのことを考えるとシンプルにコンパクトに考えることは、今の家づくりにおいて非常にメリットのある事だと思います。
――「広いほど良い」「細部まで作りこむ」といった新築戸建てに対する考え方が変わりつつあるんですね。最後に、マイホームを計画中の方にメッセージをお願いします。
【アツノリ】 現在はSNS等で様々な情報や素敵な実例を多く知ることができ、便利な世の中になりました。しかし、情報収集をしすぎる事で自分たちの暮らしが見えなくなっていく方も多くなっています。実際に苦しくなっている方も多いのではないでしょうか? そんな時は自分たちの暮らし方や、家を建てる敷地の状況などをよく考えて欲しいと思います。
他人の家と比べたり、真似することもあると思いますが、本当に自分たちの暮らしに必要なものなのか、合っているのか。SNSの情報だけで判断せず、信頼できる建築士さんや担当の方のお話を聞いて、判断して欲しいですね。
家づくりの過程からを楽しむこと、ワクワクすることがより良い家にするための一番の方法だと思っています。家づくりという一大イベントを良い思い出にして、新たな暮らしのスタートを切って欲しいと思います。
【アツノリさん宅DATA】
岐阜県/ご夫婦(夫37歳、妻38歳)/建坪90坪・延床面積29坪平屋
・キッチン 5.5帖
・LD 17帖
・寝室 3.5帖
・WIC 2帖
・小屋裏 11帖
・土間収納 4.5帖
・土間玄関 2帖
・仕事部屋兼子供部屋 8帖
・ウッドデッキ 5.5帖
・庭 20帖
岐阜県/ご夫婦(夫37歳、妻38歳)/建坪90坪・延床面積29坪平屋
・キッチン 5.5帖
・LD 17帖
・寝室 3.5帖
・WIC 2帖
・小屋裏 11帖
・土間収納 4.5帖
・土間玄関 2帖
・仕事部屋兼子供部屋 8帖
・ウッドデッキ 5.5帖
・庭 20帖