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発達障害の夫と離婚、決意させたのは“娘のひと言” 「苦しかった」話の通じない夫との長い戦い

 昨今では、日常生活や仕事などで困難をきたし、大人になってから発達障害と診断される人も少なくない。特性として、他人とうまくコミュニケーションが取れないなども含まれ、彼らとの関係性に苦しみ心身の不調に陥る人もいるという。SNSで、発達障害の一つであるアスペルガー症候群(ASD)の元夫との暮らしについて漫画で発信しているアゴ山さん。悩みに悩んだ結果、離婚を決めた彼女が考える、夫婦関係にとって大切なものとは。

伝わらない&変わらない夫、離婚を決意した時は希望が見えた

 『カサンドラ症候群になって離婚をするまでの話』と題して、自身の経験を漫画にしてSNSで発信しているアゴ山さん。“カサンドラ症候群”とは、発達障害の人とコミュニケーションがうまく築けず、不安や抑うつなどの心身の不調を来たすことを指す。「好きだから…」という気持ちで、何度も元夫との関係修復に奔走したが、「どうしてわかってくれないんだろう」「どうして変わってくれないんだろう」と、自身の気持ちを理解してくれない彼に悩み苦しい日々を送っていた。

 アゴ山さんは「離婚を決意するまでは、毎日夫と生活するのが苦しくてノイローゼ状態だったのにも関わらず、なぜか他人に言われるまで“離婚”のワードが出てきませんでした」と、当時の気持ちを振り返る。

 幾度となく自身の思いを直接伝えたが、夫からは理解が得られない。その経験から、今度は手紙で離婚の意思を伝えることに。彼のことを理解してあげられなくて申し訳ないと思いつつも、「これ以上は一緒に暮らせない。離婚を希望している」と、気持ちを整理しながら箇条書きにした。

 夜帰宅する元夫が読めるよう机に置いたが、漫画ではドキドキして眠れなかった様子も描かれていた。離婚を決意する直前まで、元夫の発達障害に気づかなかったとのことで、「多分夫が有責ではないと思っていたので離婚という考えが全くなかったんだと思います。自分の頭の中で勝手に縛っていたことで、さらに逃げ出せないと思い込んでいたのでしょうね」と話す。
「離婚を決意した時は『大きな戦いがこれからあるんだ!』という感じで奮い立っていたので、希望が見えてキラキラしていたのを覚えています」

 その後の展開では、離婚を冗談だと思って真面目に考えない夫と、別れたいと伝えたのに別れられない状態が続いた。「この離婚を伝えてから了解をもらうまでが本当に長くて長くて…一番苦しかった時期だったかも」と話す。

離婚を決意させたのは娘の言葉 そして彼女が考える“理想の夫婦”とは

 離婚について一向に考えてくれない元夫と話しをすると、伝わらない苛立ちから言い合いになってしまう。そんなアゴ山さんの声に娘さんが目を覚ましてしまい、リビングへやってくる。「ママをいじめないで!」と泣きながらアゴ山さんをかばう様子に、申し訳なさともう2度とケンカを見せたくないという思いが強まった。最後まで「家族構築ができるのでは…」と期待していたが、自分の味方である娘さんの姿を見て、離婚する覚悟ができた。

 元夫に対し「話し合えばいつか分かるだろう。理想の夫婦になれるだろう」と思い込みがあったというアゴ山さん。「長い生活の中で、子どもの事や乗り越えなければいけない障害を、お互い話し合い理解し合って乗り越えていけるような、そんな夫婦が理想でした」と話す。

 最終的に離婚を選んだアゴ山さんだが、夫婦関係にとって何が大切か聞いてみた。
「私の中では夫婦はずっと“戦友”だと考えています。そのためにも『お互いを認め、歩み寄る』ということが一番大事なことなんだと今でも思っています。私もずっとそれを目指したかったので、たくさん会話をしようと頑張ったのですが、一方通行でうまくいかず。よき戦友にはなれませんでした…(笑)」

 現在はシングルマザーとして仕事をしながら、2人のお子さんを育てている。ゲームやアニメなどを一緒に見て、同じところでゲラゲラ笑い合えることが家族の仲で楽しい時間だという。

 元夫は無趣味だったため、テレビなどでも一緒に笑うことはほとんどなかったそう。「笑いのツボが合う」、そんな些細なことでも彼女にとっては幸せなことなのだ。
「子どもにとっては重たい考えなのかもしれませんが、私は子どものためなら命を投げ出せるくらい大事な存在です。子どもが産まれてから離婚後もそれは変わりません。それくらい私の人生を変えてくれ、支えてくれる一番の宝物ですね!」

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ブログ「アゴ山とヤバい奴ら(外部サイト)

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