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ブリーダー崩壊から救われた“ぶさカワ”猫、寂しい過去の記憶を「幸せで上書きしてほしい」
アメショなのに鼻ぺちゃで「ぶさカワ!」、甘えたがりの猫の過去
そんなみゅうは、もともとはブリーダーの元にいた猫。その人が廃業するために行き場をなくしてしまい、ボランティアメンバーが話し合いを続けた結果、最後の3匹になったところを引き上げてきた。
ブリーダーというと、昨今では劣悪な環境で飼育するようなケースも報道され、動物愛護法違反で逮捕にいたる場合もある。だが今回のブリーダーは特別に悪質なわけでもなく、その種が好きで、愛情を持って育てていたという。引き取られたみゅうも、風邪を引いていたものの、体調自体は悪くなかった。だが、一方で懸念もあったそうだ。
「みゅうは、人に慣れていないわけではないけど、寂しんぼうなんです。というのも、ブリーダーであった男性は猫を飼育していたものの、住んでいたのは別の場所。猫たちは可愛がられたというよりも、ゴハンと水を与えられて生かされ、繁殖させられただけ。だからみゅうは、構ってほしくて、甘えたくて仕方がないんです。少しずつでもいいから過去の記憶を上書きして、もう心配しないで、いつでも人と一緒に暮らせるんだと安心してほしいですね」
経済的に困窮したブリーダー、ツケは猫やボランティアに
「ブリーダーの猫であっても、ペットショップの猫であっても、猫には変わりません。私たちは保護した猫が病気になったらお金をかけて治療するし、安心して暮らせるように努力もする。私たちボランティアにとって、問題のあるブリーダーはある意味“敵”ではありますが、猫に罪はないからです」
動物を飼育したり、家族に迎える上で、愛情はもちろん経済力も大事。それは個人でも、ブリーダーでも同じだ。多くの猫を飼育するプロであるならば、より一層責任が伴うのは当然のことだろう。
「今は、ブリーダーになるためのハードルが低すぎる気がします。誰でもすぐになれてしまうのは良くない。今回のようなブリーダー崩壊が起こると、繁殖して利益を得てきた人は何もせずに、我々ボランティアが尻ぬぐいをすることになります。猫ちゃんに罪はないので仕方がないけれど、法律でブリーダーになるハードルをもう少し上げてもらえるといいのではないかと思います」
風邪も治り、だんだんと人の温かさを知り、表情も明るくなってきたみゅう。ブログでは、「どの子もみ〜んな、幸せに生きる権利がある」とメッセージが送られている。これから新たな家族探しを始めるみゅうの未来が、過去を忘れるほどに幸せなものになってほしい。
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