『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』Netflixで独占配信中
ハングクTIMES
K-POP、ドラマ、映画などさまざまエンタメコンテンツが盛り上がり、まさに時代は“第4次韓国ブーム”。現地の最新トレンドや話題のドラマ・俳優、グルメ・ファッション・コスメなど…“今”気になる韓国情報をお届けします!
2022年も幅広い作品で視聴者を魅了した韓国ドラマ。皆さんはどんな作品にハマりましたか?本記事では、今年韓国で放送されたドラマの中で、ドラマオタクである筆者が選ぶ“2022年ベスト韓ドラ5選”と題し『二十五、二十一』『私たちのブルース』『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』『ユミの細胞たち2』『アンナ』を紹介します。胸を熱くする珠玉のヒューマンドラマから鬼キュン必至のラブコメまで!韓国でも話題だった作品ばかりなので、お気に入りの作品を見つけるヒントになれば幸いです。 『二十五、二十一』
『二十五、二十一』Netflixで独占配信中
今年上半期に沼人を続出させ、日韓のドラマファンを熱狂させたドラマといえば『二十五、二十一』ではないでしょうか。初週から同時間帯視聴率1位、TVドラマ話題性部門でも1位に輝き、百想芸術大賞では作品賞をはじめ、最優秀演技賞(キム・テリ)、新人賞(チェ・ヒョヌク)といった部門でノミネートを果たし、圧倒的なオーラと演技力で劇を導いたキム・テリが最優秀演技賞を受賞しました。俳優たちの熱演と、息を呑むような美しい映像と演出、そして胸を打つ脚本が調和した、22年の傑作青春ドラマです。 『二十五、二十一』Netflixで独占配信中
本作は、1998年、韓国が類を見ない経済不況に陥っていたアジア通貨危機時代を背景に、夢を奪われた若者たちのジレンマと成長、そしてロマンスを描いたヒューマンドラマ。主人公ナ・ヒド(キム・テリ)の娘が、コロナ禍である現在に開いた母の高校時代の日記帳を元に、母ヒドの若かりし時代の青春物語が展開していきます。22歳と18歳のとき初めて互いの名前を呼び合ったヒドとイジン(ナム・ジュヒョク)を中心に、胸躍る初恋と、温かい友情物語、そして不遇な環境下の中で立ち上がり続ける彼らの姿が描かれていきます。 『二十五、二十一』Netflixで独占配信中
やはり本作が他の青春ドラマと一線を画していたのは、現在の状況をチラ見せすることで「娘の父親は誰か」という最大級の謎をスタートから匂わせ、ラストまで細かな演出や小さな伏線から考察を白熱させる、まるで名作『応答せよ』シリーズを彷彿とさせるストーリー展開です。毎週放送日直後は、SNSを中心に日韓で「考察班」が巧みな推理を繰り広げ、大きな盛り上がりを見せました。
何と言ってもキム・テリ×ナム・ジュヒョクが演じた、明るく天真爛漫なヒドと、大人の余裕で包み込むようなイジン、挫折にぶつかるたびにお互いに向け、心からの応援と励まし合い成長していく“ペクド”カップルの愛が、ラストまで心を掴んで離してくれません。 『二十五、二十一』Netflixで独占配信中
それぞれの恋愛物語はもちろん、フェンシングを通しての友情、彼らのまぶしい青春に胸を打たれ、後半は、自分の青春時代が幕を閉じてしまうかの様に切なく、ただとめどなく涙が流れてしまう。永遠ではないからこその青春の切なさ、儚(はかな)さ、脆(もろ)さを感じさせながらも、だからこそ輝く「青春の記憶」が、その後の長い人生を輝かせる“宝物”であることを、もう一度悟らせてくれる一作です。
ジュヒョクが演じたイジンの、大人の余裕を持ちあわせながらも、時に嫉妬したりかわいい姿を見せるという最強のギャップは嫌いな人はいないはず!ヒドを包み込むような眼差し(メガネverもあり)に、沼落ち必至です。さらに本作の魅力を倍増させていたのはヒロインを演じたキム・テリの圧倒的オーラ。“ヒロインに惚れる”人も多かったのではないでしょうか。名作『ミスター・サンシャイン』では、朝鮮最高名家の令嬢を演じ、180度異なる魅力を見せているので、キム・テリの魅力にハマったならこちらもぜひおすすめです。
『私たちのブルース』
筆者の個人的には、やはり今年のドラマはこれです!『大丈夫、愛だ』『その冬、風が吹く』『ディア・マイ・フレンズ』などの名作を生み出してきた“カリスマ脚本家”ノ・ヒギョンとキム・ギュテ監督が披露したオムニバスドラマ『私たちのブルース』。視聴者を歴代最大級に大号泣させた上に、「やはりノ・ヒギョン」「歴代最高の名作の誕生」と、最終話放送直後から絶賛の声が相次いでいる本作。ノ・ヒギョン作品独特の人間味あふれる群像劇と、「みんなが人生の主人公であり、私たちは幸せになるために生まれた」という温かなメッセージで、多くの視聴者の心を打った本作品。気が早いですが、来年の「百想芸術大賞」では、各部門でノミネート間違いなしだと思います。
「みんなの人生は価値があり、幸せでなければならない」というノ・ヒギョン作家の企画意図に基づいて、15人の主人公を立ててオムニバス形式で話を繰り広げた本作は、メインエピソードの中に人生の絶頂、終わり、始まりに立っているすべての人々の人生物語が盛り込まれた一作。
冒頭から次々登場する、「授賞式ですか?」と言いたくなるような、韓国を代表する俳優陣を見ているだけでも、“レベチ”な幸福感に包まれますが、彼らがまるで「キャリアの頂点」かのような熱のこもった演技合戦を見せてくるので、2、3話のエピソードでもどっぷり感情移入させられ、涙が乾く暇がありません。
本作で描かれる10代から老人まで主人公たちがそれぞれぶち当たる人生の試練は、決して他人事ではなく、私たちの身近にあるもの。だからこそどんな悲しみに打ちひしがれても、苦しんでいるのは「あなただけじゃないよ」と、励まされるのです。さらにいかにも「ドラマ的」なセリフではなく、自然な日常会話の中でポロッと名言を放ってくるのがもう「さすがノ・ヒギョン作家!」という感じで、その脚本の素晴らしさに、終始感動しっぱなしでした。
さまざまな年齢層の話とともに、聴覚障がい、ダウン症候群、うつ病などの素材を繊細に扱い、胸を打つものばかりですが、特にラストのイ・ビョンホン&キムへジャ大先生のエピソードは、歴史に残る名演技、名場面の連続で、大号泣すると共に心が震えてしまいます。幸せは遠くにあるのではなく、身近にあることを教えてくれる22年の名作です。
『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』
『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』Netflixで独占配信中
「ENA」という新生マイナーチャンネルにも関わらず、初回0.9%からスタートした視聴率は、最終話では17.5%という高視聴率を記録。劇中登場したアイテムはすべて品切れとなるなど、まさにシンドローム級の人気を誇り、本国でも「今年最高のドラマ」と謳われた『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』。来年の「百想芸術大賞」では、おそらく『私たちのブルース』と共に、中心となる作品ではないかと思います。 『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』Netflixで独占配信中
本作は、天才的な脳と自閉スペクトラム障がいを同時に持ったウ・ヨンウが大手の法律事務所・ハンバダへ入所し、さまざまな事件に直面して成長していく物語。ヨンウは、彼女ならではの天才的発想でさまざまな事件を解決に導いていきます。基本1話完結のオムニバス形式で進んでいき、日本ドラマに近い雰囲気もあるため、「韓ドラは長くてパス」という人や、初心者さんにも見やすい作品ではないかと思います。 『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』Netflixで独占配信中
法廷ドラマと同時に、私たち視聴者は特別なウ・ヨンウと、これまで意識的に考えなかった“障がいへの偏見”を克服する旅を共にすることになります。ウ・ヨンウの周囲の人々の「春の日差し」のような暖かい視線とユーモア溢れるやりとりに、ほっこり暖かな気持ちになると同時に、自然とこの社会の不便さに気付かされ、ハッとさせられる…心揺さぶられる一作です。 『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』Netflixで独占配信中
そして法廷ドラマの合間に絶妙に混じってくる、障がいという現実の壁を越えるジュノとのロマンスがまた、私たちを夢中にさせるポイント。「触らなければ胸がドキドキしないんですか。僕と一緒にいても?寂しいですね」という女心を撃ち抜くせりふとともに、瞳を震わせながら浮かべた寂しげな表情は、多くの女性の母性本能を刺激!甘い瞳で「スイート有罪男」と爆発的な関心が寄せられました。礼儀正しく、適度な距離を守りつつも、甘い瞳と誠実な心でまっすぐにヨンウに近づくジュノに沼落ち間違いなしです! 『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』Netflixで独占配信中
そして何と言っても本作がここまでヒットしたのは、声のトーンから手振り、歩き、目つきなどキャラクターに完璧に溶け込んだパク・ウンビンの言葉が、必要ない名演技であったからこそ。 『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』Netflixで独占配信中
演技が上手い俳優はたくさん存在しますが、演技的なテクニックではなく、心で近づき、こんなに愛らしい唯一無二のキャラクターを完成させられるのは、彼女以外に考えられません。来年の「百想芸術大賞」の最優秀賞賞最有力候補なのは間違いないでしょう。
『ユミの細胞たち2』
筆者の中での歴代ラブコメランキングをゴボウ抜きして、もはやトップに躍り出たと言っても過言ではないのが『ユミの細胞たち2』。本作は、ユミの頭の中の理性、感性、空腹、そして愛などを調節する細胞たちがアニメキャラクターで表現され、ユミという人物の感情を細胞単位で覗いていくロマンスドラマ。本作がすごいのは、ラブコメとして誰もが純粋に楽しめる作品でありながら、30代女性の恋愛、人生をリアルに描き出しているところ。
キュートな「細胞たち」を通して恋する時の複雑な感情を多面的に表現することで、まるでユミになったかのように一緒にときめいて、共感して応援しながら、深く感情移入してしまうのです。「アニメと実写の融合」と聞くと、子供っぽい雰囲気を想像しがちですが、全くそんなことはなく、むしろ大人におすすめしたい作品です。
シーズン1は、ユミとアン・ボヒョン演じるゲーム開発者ク・ウンとのロマンスが物語の中心でしたが、シーズン2は、シーズン1にも登場した職場のイケメン、GOT7のジニョン演じるボビー代理との鬼キュンロマンスが中心に展開していきます。
通常のラブコメだったら、三角関係であっても“二番手キャラ”がはっきりしているので、だいたい結末の予想がつきますが、このシリーズは、シーズン1ではウンとの、シーズン2ではボビーとのロマンスをじっくり描いているため、二人ともにどっぷり感情移入させられるんです。本当に「どちらが選ばれるのかわからない」という『応答せよ』シリーズ的面白さもあり、「どうなるの〜!」と、ラストまで夢中になってしまうのです。さらにシーズン2は、新たな夢に向けて挑戦するユミの物語も盛り込まれていたり、“舌細胞”や“右手細胞”など細胞たちが格段にパワーアップしているのも見どころです。
そして何と言ってもジニョンが演じるボビーがもう…今年1の超絶沼男すぎて頭抱えてしまうレベルなんです(笑)。真面目で誠実、律儀で控えめなキャラなのに、恋にはド直球ストレート、そこにさらに巧みに大人の色気も混ぜてくるというまさに超理想系男子。
子犬のような甘い瞳から大粒の涙を流すシーンでは、彼の繊細な表情演技に脱帽させられ、見終わる頃には、細胞たちと共にBBクラブ(ボビークラブ)のペンライトを思いっきり振っているはずです(笑)。彼が歌うOST「Shining on Your Night」の甘い歌声はもちろん、韓国女子たちをとろけさせ、「歴代最高のキスシーン」と謳われたキスシーンにも注目です。
▼配信情報
シーズン1、2 Prime Videoで配信中
『アンナ』
今年は“ウ・ヨンウ”をはじめ、『ユミの細胞たち』のユミなど、ヒロインが格別に輝いた年ではないかと思うんです。そんなヒロイン全盛期時代に一際魅せられてしまったのが、ドラマ『アンナ』でヒロインを演じたスジの演技。
これまで『バカボンド』や『スタートアップ夢の扉』などで多彩な魅力を見せてきた彼女ですが、本作では、180度異なる変身と熱演を見せました。10代後半から30代の役まで眼差しや行動、そして繊細な表情演技で演じ分け、「スジの人生作」という絶賛の声が相次ぎました。
本作は、些細(ささい)な嘘がきっかけになり、名前、家族、学歴、過去にいたるまで完全に他人の人生を生きることになった女性の物語を描いています。
幼い頃から賢く、優秀で名門大学進学が当たり前だと思われていたユミ(スジ)ですが、先生との交際が発覚し、強制的に転校をしなければならず、この時から徐々に人生が歪んでいきます。ユミの両親は娘を名門大学近くの下宿屋に送り、ユミは最善を尽くすも、不合格になってしまいます。ユミは両親を安心させるために電話で「合格した」という嘘をついてしまったことで、そこから嘘に嘘を重ねて生きていくことに。
とにかく脚本が秀逸で、序盤から呼吸する隙間なく吹き荒れる予測不可ストーリー展開に夢中になってしまいます。貧しい環境から抜け出すため、嘘を重ね続けるユミ側の揺れ動く心理描写が丁寧に描かれているので、嘘をつく側のユミに視聴者がどっぷり感情移入してしまうのです。
さらにハイセンスでトレンディな映像と構成、破滅が迫ってくるようなクラシック音楽の豊かな旋律など、演出の完成度は今年のドラマでNo.1ではないでしょうか。“嘘の人生”を生きることになった女性がたどり着く結末とは?ラストまで目が離せない一作です。ぜひ全8話のディレクターズカット版の方をおすすめします。