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使い心地ははまるでプラ? 大学生開発の“草ストロー”が全国に拡大「原点回帰してて藁」
旅行先のベトナムで教わった植物“レピロニア”に着目、大学2年生で起業を決意
「たまたま飛行機で席が隣だったベトナム人のミン・ホアン(現・共同創業者)と仲良くなり、一緒にベトナムの農村地帯を回る中で、レピロニアという植物の茎を使った草ストローのことを教えてくれたのが始まりでした。口当たりはプラスチック製とほぼ変わらないのに、元々水辺に生えている植物なので耐久性や柔軟性も高く、生分解性のため完全に自然に還る点に可能性を感じたんです」
「元々、学生時代から海外のスタートアップ企業をリサーチする仕事をしていて、サスティナビリティやSDGsに寄与する企業を20代半ばで立ち上げている人は欧米に多いと感じていました。一方、日本では今でこそ増えていますが、5年前は全然いなかったので、やれることがあったらやりたいと思ったのがきっかけです」
プラストローの“6倍”単価でも全国250店舗が導入「こんなに広まるとは思わなかった」
「はじめは様々な形態の飲食店100店舗にサンプルを提供し、電話や訪問をしてフィードバックをいただきながら、徐々に認知を広めていきました。2年前当時の日本では、SDGsすらあまり知られていなかったので、プラスチックを削減する必要性や、草ストローを導入するメリットを伝える点に難儀しました」
「草ストローを使ったマーケティングツールやイベントを開催することで、お店のブランディング強化や集客、メディア掲載に繋がるメリットを強調しました。最近は草ストローの口元部分に刻印できるサービスを開始し、ブランドコミュニケーション、マーケティングツールとしてもご利用いただいています」
バイオマス、生分解性、植物性…ネーミングに惑わされない「ストローリテラシーも必要」
「消費者を惑わすようなネーミングの製品が多く生まれ、“SDGsウォッシュ”と呼ばれるような、SDGsに取り組んでいるように見えて、実態が伴っていないビジネスは増えているように感じます。例えば、今日本でも増えつつある『バイオマスプラスチックストロー』は、一部原料はバイオマスですが大半は石油由来のプラスチックでできてますし、『酸化型生分解性プラスチックは』、見た目は分解されてなくなっているように見えても、酸化しているだけなので、マイクロプラスチックとして土壌や海の中に残ってしまうんです。
大手各社が導入している「紙ストロー」に関しては、今年の『SNS流行語大賞』(イー・ガーディアン)にノミネートされるほど物議を醸している。
「僕は紙ストロー自体悪いと思っているわけではないですが、認証を取れていない製品は森林伐採に繋がっているケースもありますし、大量消費されては本末転倒なので、採用するお店側の意識や、なぜ紙ストローを使うのか判断する消費者の“ストローリテラシー”も必要だと思います。そもそもストローをつけるのが日本のマナーになっていますが、個人的には使いたくない人は使わなくてもいいのではないかと思っていて、あくまで使う選択をする人の中で、草ストローを使いたい人が増えてくれればと思っています。一番は、不必要なストローの消費量を減らしましょうっていう考え方ですね」
草ストローでの利益創出は求めていない、複数事業で本質的な“サスティナブル”目指す
今年1月には、新たにサボテン由来の革商品ブランド『Re:nne』を立ち上げた。これも草ストローと共通して「サスティナブル」と「雇用機会・スキルの創出」がビジネスの基軸にある。
HAYAMI(外部サイト)