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「界王」という名のシャーシャー猫、人馴れしない保護猫を変えた預かりボランティア
人を寄せ付けないシャーシャーぶり、ママ猫がボランティアの手で仰天チェンジ
そんな界王だが、同時に保護されたママ猫5匹の中でも一番の怖がり。人が近づけばシャーッと威嚇し、手が出ることもある。食いしん坊という可愛い一面もありながら、「寄らば斬る!」というような、人馴れしていないかなり手強い猫だった。
だが、このように手強い界王の氷の心を溶かす猛者が表れた。それが、以前も保護猫を迎えてくれた家族で、ボランティアとして界王を預かってくれた人だ。『ねこけん』ブログには、「かたくなに閉ざされた猫さんの心『天の岩戸』の扉を開け続ける預かりさん! 名付けて! 天鈿女命(あめのうずめのみこと)預かりさん!」と、驚きと感謝が綴られている。
「外で暮らしていた保護猫は、まずシェルターに収容され、そのあと預かりボランティアの元で飼い猫になるための修行をすることが多いです。やはり外猫の場合、家での生活音、とくにテレビの音などに馴染みがないので、まずはそれに慣れる必要がある。人と生活することに慣れてから譲渡するのが良いでしょうね」
界王はまさに、預かりボランティアの元で人と暮らすことを覚え、撫でられ、可愛がられることを覚えた。その顔つきすらも、穏やかに変化しているように見える。このあとは、新たな家族との出会いを待つばかりだ。
人馴れから乳飲み子、医療ケアが必要な猫まで…、欠かせない預かりボランティアの手
「乳飲み子の場合は、ミルク専門のボランティアさんがいます。2、3時間置きにミルクをあげないといけないため、働いている方は難しく、気を遣うことも多い大変なお世話ですね。ほかに、病気やケガ、障害など、ケアが必要な子を引き受けてくれるボランティアさんもいます。自力でおしっこができない猫の圧迫排尿など、医学の知識や技術が必要なこともありますね」
もちろん、界王のように、人や家に慣らして飼い猫になる準備を手伝うボランティアもいる。サンシャイン池崎が預かりボランティアをする様子を見るとわかるとおり、「もう人と暮らしても大丈夫!」となれば、その猫は新たな家族のもとへ巣立つべく、譲渡会や里親募集サイトに出ていくことになる。
「預かりボランティアさんは、猫が家族を見つけるためにもとても大事な存在。やってみたいという方がいらっしゃれば、まずはメールでご連絡いただき、そのあと面接や説明をします。また、預かりまでは難しくても、月1回のシェルターのお掃除だけ…という方もいます。ほんの少しのことでも、私たちとしてはとてもありがたいです」
保護猫は、そのまま放置すれば命を落としたり、逆にどんどん増えて収拾がつかなくなってしまった可能性もある猫たちだ。愛護センターに収容されれば譲渡されることもあるが、殺処分される場合も多い。『ねこけん』のような保護団体は、猫を放置せず、新たな道を作るべく懸命に活動している。世に猫好きは多く、飼育経験のある人も多い。全面的に保護活動に関わることが難しくても、何かしらできることはあるかもしれない。
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