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「子猫がコインパーキングのロック板に挟まれた?」瀕死の猫が奇跡の復活…犬とボランティアに守られ幸せ生活

  • 写真:ねこけんブログより

    写真:ねこけんブログより

 外で生きる猫の周りには、危険がいっぱい。NPO法人『ねこけん』などボランティアの元には、外で事故にあったり病気になったり、ときには心無い人から虐待された猫が保護されてくる。現在8歳の猫「ピピ」もその1匹。なんと、子猫時代にコインパーキングのロック板に挟まれ、大けがを負ってしまったのだという。ピピの過去と現在を、代表理事・溝上奈緒子氏に聞いた。

コインパーキングのロック板に挟まれて…、子猫が壊滅的な重症「正直、助からないと」

奇跡の復活を遂げたピピ(写真:ねこけんブログより)

奇跡の復活を遂げたピピ(写真:ねこけんブログより)

  • 大けがを負い、何度も手術を繰り返したピピ

    大けがを負い、何度も手術を繰り返したピピ

  • 背骨は壊滅的に変形してしまった(写真:ねこけんブログより)

    背骨は壊滅的に変形してしまった(写真:ねこけんブログより)

 ピピは、子猫のときに瀕死の状態で千葉県の愛護センターに収容された猫。地元のボランティアがセンターからピピを引き出し、急いで病院に搬送してくれたのだという。なぜピピが瀕死だったのかというと、コインパーキングのロック板に挟まれ、運悪くその上を車が通過してしまったからだ。

 「身体のいたるところがぐしゃぐしゃで、正直、助からないと思いました。でも、いくつもの病院で処置してもらうことができ、奇跡的に生き延びた猫なんです」

 挟まれ、車に踏まれたピピの体は、壊滅的に背骨が変形。さらに膀胱破裂、肺挫傷、腎臓も片方が破裂寸前、骨盤骨折、両後ろ脚が複雑骨折…。本当に生きているのが不思議なくらいの重症だった。

 「もしかしたら、子猫だったことが幸いしたのかもしれません。たぶん、大人の猫だったら挟まれて踏まれたら、助からなかったと思うのです。子猫で体が小さかったので、ギリギリで死なずに済んだのかなと」

 走行中以外の車と猫の事故というと、猫がエンジンルームやタイヤの間に入ってしまうことで起こるものがある。とくに寒くなってくるとそのケースは増え、“猫バンバン”と称してボンネットを叩き、対策をしようという動きもあるくらいだ。

 「ピピの場合は、コインパーキングのロック板に挟まったわけですから、運転する側は気づきにくいと思います。まさかそんなところに隠れているとは思いませんから、運転手が悪いわけでは決してありません。ただ、東京では外で生きる猫は減ってきたものの、地方ではまだまだ多い地域もあります。それだけに、同じようなことが起こらないとも限らない。難しいこととは思いますが、駐車の際には少し気にしていただけたら嬉しいですね」

下半身不随になっても…、ボランティアと犬たちの愛情受け幸せに暮らす

  • Iさん宅で犬たちにも守られ幸せに暮らしている(写真:ねこけんブログより)

    Iさん宅で犬たちにも守られ幸せに暮らしている(写真:ねこけんブログより)

 このように、九死に一生を得て生き延びたピピだったが、大きな障害が残った。治療や特別なケアが必要なため、なかなか受け入れ先が見つからない。最初にピピを救い出したボランティアが必死に行き先を探していたところ、「治療を含めて引き受けます」と手を上げてくれたのが、預かりボランティアをしているIさんだ。

 障害のある猫を預かると言っても、並大抵のことではない。愛情はもちろん、介護に近い場合もあるし、通院も必要。ケアの知識や心の強さも必要と、誰でもできるわけではない。Iさんはそんな高いハードルをクリアし、ほかにもケガや障害のある猫を受け入れてくれている人。『ねこけん』でも、“女神ボランティア”と呼ばれるありがたい存在だ。

 ピピは、そんなIさん宅に受け入れられ、数度の手術を経て今に至る。下半身不随のために圧迫排尿が必要で、ごはんを食べるにも少しばかり介助がいる。挟まれ、骨の変形などがあったことから、体の厚みはわずか2センチ。だからこそ体が冷えやすく、保温にも気を配らなくてはならない。

 そんなピピだが、Iさんの元でケアを受けながらのんびり暮らし、今では8歳になった。しかも、愛情を注いでくれるのはIさんだけではない。その愛犬や保護犬たちが、ピピをそっと守ってくれていた。

どんなに大きなケガを負っても、障害が残っても、ギリギリで生き延び、成長できた猫。その幸運はとても喜ばしいことだが、ピピとは違い、事故に遭って人知れず息を引き取る猫もまた多いのが現実だ。

 「やはり、外で生きる猫には危険が付きもの。ピピのような目に遭う猫を増やさないためにも、しっかりと不妊・去勢手術を施すことが大事です。今、猫の殺処分が多い愛媛県で、地元のボランティア『愛cat』さんと共に、不妊・去勢手術専門病院を作るためにクラウドファンディングをしています。それも、こうしたつらい思いをする猫を減らすため。ピピのように生き延びられない子もたくさんいることも、知ってもらえたらと思います」

■NPO法人『ねこけん』(外部サイト)

■『ねこけん』オフィシャルブログ(外部サイト)

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