• ORICON MUSIC(オリコンミュージック)
  • ドラマ&映画(by オリコンニュース)
  • アニメ&ゲーム(by オリコンニュース)
  • eltha(エルザ by オリコンニュース)
  • ホーム
  • ライフ
  • SNSでバズる“おもしろ家電”が話題、「世界最小の家電メーカー」の“企画の種”
ORICON NEWS

SNSでバズる“おもしろ家電”が話題、「世界最小の家電メーカー」の“企画の種”

時代によって変わりゆく秋葉原、「新しいものが生まれる場所」で会社も変わる

 マーケットニーズに沿った商品開発という意味で、いま注目しているキーワードが「プチぜいたく」だという。

 「時短やおひとりさま向け商品は多いですが、私たちは『家電を使って過ごす時間を価値のあるものにする』というコンセプトを大切にしています。例えば『自家製焼き鳥メーカー』なども、自分の好みの焦げ目で焼くという時間自体がプライスレスになる。そこにはお金を使っていただけるのかなと考えています」。

 社会の変化、生活する人の心の変化――。そこに寄り添うから、商品を使って満足した人が、さらに伝えたくなる。『王様のブランチ』(TBS系)や『タモリ倶楽部』などで商品が取り上げられ、売上が跳ね上がったこともあった。

 「番組にしてもSNSにしても、こちらから仕掛けたのではなく、商品を良いと思ったからこそ自然に取り上げてくれる。これが最も効果のあることだと思っています。もちろん、番組などで取り上げられると、社内の士気も爆上がりしますし、開発した人間のやりがいにもなります(笑)」。

 そんな同社は“世界最小の家電メーカー”と言われているが、いまは家電だけにこだわっているわけではない。

 「『うつぶせ寝クッション』や『仰向けゴロ寝デスク』など、おうち生活を便利にするような家具なども販売しています。こうして変化していくのは、時代によって変わっていく秋葉原に会社があることも関係しているかもしれません。以前は電気の街でしたが、いまは新しいものが生まれる場所。『おかえりなさいませ、ご主人さま』というお店が増えたのも、とても新鮮でした。うちが今後メイド喫茶をやるかどうかはわかりませんが(笑)、お客さまを喜ばせるサービスにも興味を持っています」。

 創業19年を迎えたが、まだまだ歩みを止めないという山光社長。今回、書籍『スキを突く経営〜面白家電のサンコーはなぜ受けるのか〜』(集英社インターナショナル新書)を発表したことで、社内で社長を見る目が変わったという。

 「まったく威圧的なタイプではなく、本当に普通の人なのですが。結構ビビられているみたいなので(笑)、この本を出したことで親近感を持ってもらえたのかなと思っています。本を読んで、我々と一緒に働いてみたいという方がいたらいいなと思う一方で、起業しようと考える方のヒントになればという思いもあります。書いたことがそのまま役に立つとは思っていませんが、なにかの参考にしていただけたら嬉しいですね」。

(文:磯部正和)
『スキを突く経営〜面白家電のサンコーはなぜ受けるのか〜』
山光博康 著
集英社インターナショナル新書 刊
詳しくはこちら>(外部サイト)

あなたにおすすめの記事

>

 を検索