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「活動をやめる?」悩む“ぺえ”を支えた山形の両親、生きにくいジェンダーの狭間で「自由に生きる」

エッセイ『退屈の愛し方』より

エッセイ『退屈の愛し方』より

YouTubeでみすぼらしい姿を晒す理由、「今の時代は人を頑張らせるコンテンツが溢れすぎている」

 決して生きやすい人間ではないものの、「誰よりも自由に生きたい」と人生の選択をしてきたぺえ。「芸能界での成功に目が眩んで(笑)」と自分を偽った時期もあったが、本来の自分に軌道修正した今は「毎日そこそこ幸せ」だと語る。

 「わかりやすく輝いた日々を送ってなければ幸せじゃないと思うほど、寂しい考えは持ってないんです。まあ、YouTubeでみすぼらしい格好を晒しながら、世の中の不平不満を日々垂れ流しているわけですけど(笑)」

 そんな“ぺえ哲学”が今、多くの疲れた老若男女を癒している。30歳を前に見えない未来の不安や恐怖、不器用な恋愛、不完全な自分をユニークな視点で笑い飛ばす初のエッセイ『退屈の愛し方』(KADOKAWA)も綴った。

 「誰かの人生観に影響を与えたいとか、そんな大それたことを思って書いたわけじゃないんです。ただ、今の時代は人を頑張らせるコンテンツが溢れすぎていますよね。上を目指そう、キラキラした日々を送ろう、という押し付けにきっとみんな疲れてる。『もう十分だよ、こんな私が幸せだって言ってるんだよ』ということを伝えられたら、私が生きてきた30年にも1個花を咲かせられるのかな」

 駆け抜けた20代を経て、30代の抱負を聞いたが「何もないんですよね」とサラリ。

 「これからも自由に生きて、その結果どんなひどい景色に辿り着いても自分はきっと幸せを見い出せるという自信があるんです。ただ、恋愛だけですね。自分ではどうしようもないものなので、20代では1回もその幸せには辿り着けなかった。30代はどうなんでしょうね。それくらいは私も頑張りますよ(笑)。でもこのモヤモヤから解き放たれるなら、早く40代50代になりたい(笑)」

(文:児玉澄子)

エッセイ『退屈の愛し方』

3月22日発売
KADOKAWA 刊
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