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ドッキリでもNGなし、ナルシストを“振り”に変えた菊池風磨の覚悟 愛されキャラ確立し俳優業へも還元

現在放送中の『ファイトソング』(TBS系)で間宮祥太朗と清原果耶を取り合う役を菊池風磨が演じている。所属するSexy Zoneは昨年10周年を迎えたが、同グループでは中島健人や佐藤勝利らが初期からドラマや映画の主演などで活躍する中で、なかなか本来の内面の魅力がうまく伝わらなかったことも。だが、ここ数年の活動においてバラエティ番組の過激なドッキリにもNGなしで挑むなど、ナルシストキャラを“振り”にして笑いに変えることに成功。俳優としても、バラエティにおける活躍が相乗効果として還元される流れへと好転した。いまやグループにとって、ジャニーズにとっても無くてならない存在となった菊池の転換期とは?

「木村さんになれると思っていた…」苦難の中、メンバーの活躍を見てきた菊地が導き出した自身の役割

 Sexy Zoneは、中島と菊池以外はジャニーズに入って間もないメンバーでデビュー。特に佐藤は事務所に入って1年たたずして異例のデビューとなった。菊池は当時について「グループ名に恥ずかしさもあった。自分が目指している場所はここなのか?」と戸惑いながらのデビューだったことを明かしている。

 当時の菊池と言えば、ややツンとしたイメージがあった。昨年1月に放送された『突然ですが占ってもいいですか?』でも、「(17歳から22歳ぐらいまで)めちゃカッコつけてました。木村(拓哉)さんになれると思っていたんで」と話しているように、実際、ネット上ではファン以外からの「カッコつけ過ぎてダンスが不自然」「鼻につく」といった言葉が当時挙がり、なかなか彼本来の内面のキャラクターがうまく伝わらなかったこともあったようだ。

 その後、グループ編成の変更やメンバーの休止など、Sexy Zoneは多くの困難に襲われる。しかしながら中島健人・佐藤勝利はソロでの仕事も多く、ドラマや映画で主演を数多く務め牽引していた。もちろん菊池も仕事がなかったわけではないが、中島と佐藤がグループを引っ張っている印象は拭えなかった。

 そんな中、今年1月放送の『アイ・アム・冒険少年』(TBS系)では「僕が何かやることが、グループが売れるきっかけになればとは常に思っている」と発言。菊池は中島と佐藤に引っ張ってもらっていること、また同期が多いSixTONESらの活躍に対して思うことがあったのかもしれない。

ジャニーズにとっても挑戦だった? キラキラ・王子様メンバーによる『ドッキリ』への“本気の姿勢”

「確かに当初の菊池くんはぶっきらぼうで、どこか心ここにあらず的なところがあった」と話すのは、デビュー当時からSexy Zoneにインタビュー経験のあるメディア研究家の衣輪晋一氏。「自分自身の立ち位置に悩み、媚びることも苦手。何かにあらがって王子様を取り繕っているようなイメージがありました。ですが同時に家族やメンバー想いであり、先輩も尊敬しており、裏でメンバーを支えるという表に出さない顔も持っている。彼の苦悩、不器用さなど菊池くんファンは見抜いていたはずです」(同)

 世間的にはおそらく、初期のイメージはなかなか抜けきれていなかっただろう。そんな菊池のイメージをお茶の間で一気に変えたのは、おそらく2020年放送の『芸能人がホンキで考えた!ドッキリGP』(フジテレビ系)だ。「芸能人がレジェンドアスリートと対決する」というニセ特番に呼ばれた菊池は、張り切って得意の水泳に臨むものの、番組が用意した「水に溶ける水着」を着用していたため、泳いでいるうちに水着が消滅。

 そのままプールサイドに上がると、ドッキリに気づいた菊池は丸出しのまま「許せない!」と絶叫。スタッフから渡されたお盆でアキラ100%のように局部を隠しながら、「僕ってジャニーズで合ってますよね?」と芸人顔負けのリアクションを見せていた。

 菊池はもちろん、ここまでの(芸人のように全裸にされるまでの)ドッキリにOKしたジャニーズ事務所にとってもこれは挑戦だったはずだ。「確かに、ポップでバラエティにフィットしたキャラのSMAP香取慎吾さんや、嵐の相葉雅紀さん、関ジャニ∞の村上信五さんらが体を張ることはあった。またHey!Say!JUMPらもアイドルらしからぬ体を張ったロケに挑んでいる。とは言え、菊池くんのようにキラキラ・王子様路線のイメージがあったメンバーが、全裸ネタという芸人向けの体張り芸に挑むことはほぼなかった。だが、だからこそのギャップで笑いが生まれたのであり、同時に現ジャニーズの、これまでになかった柔軟性を見せる形にもなった印象」(衣輪氏)

 しかも芸人のように裸になっても下品に見えない。これまでのジャニーズタレントと言えば、裸を見せるロケがあってもどこかにカッコ良さが潜んでいた。だが菊池の場合はシチュエーションと設定がまるで違う。出川哲朗ら手練れの芸人に求められるドッキリだ。それゆえ、現れた鍛え上げた肉体と笑いのギャップには新鮮味もあり、さらにはやられた後の素のリアクションや笑顔に“可愛らしさ” や“面白さ”など、これまでファン以外には知られてない面が見えた。菊地の潜在能力がなければ出来なかったことだろう。

 これまで表に出てこなかった菊地の愛されキャラが、ドッキリによって覚醒。自分の活動によってグループが売れるきっかけにと必死に活動してきた菊地だからこそ、またどこかで吹っ切れたこそ、NGなし・ドッキリされ放題なキャラクターも覚悟を持って受け入れることができたように思える。

2021年で変わった「嫌われてもいい」価値観 バラエティ以外にも影響与えグループをけん引する存在に

 『ドッキリGP』以降、その存在感を増してきており、バラエティ特番でMC、昨年10月には『霜降り風磨のワクワク経済』で冠番組も放送。彼の持つ“可愛さ”や“健気さ”が老若男女から受け入れられたからで、「レギュラー番組である『ニノさん』で、2020年に“二宮くんがLINEを既読無視する”とこぼすなど、その片鱗は見せていた」と衣輪氏。「YouTube『ジャにのチャンネル』の存在も大きい。二宮くんや中丸雄一くんに、いじられるだけじゃなく、タメ口でツッコみ、いじり返すなど、そのバラエティ力は、Sexy Zoneコンサートのトークを知らない人にも大きく印象づけた」(同)

 また近年の活動の中で、デビュー当時から言い続けてきた価値観にも変化が。昨年3月公開のインタビューまでは「嫌われてもいい」と言っていたが、同年11月放送の『トークィーンズ』では「嫌われたくないかも」と発言。仕事がうまくいくにつれトゲもとれ、やりたいことと求められることのギャップに対応できるようになったようだ。

 『ファイトソング』では、清原演じるヒロインの幼馴染役で、ずっと好きだったヒロインを間宮に取られてしまう。当て馬役といえば、視聴者に応援されることが求められ、本命と比べられるだけのポジションを持っていないとできないはず。菊地の“愛され・どこか不器用”なイメージが浸透していたからこその役柄ではないだろうか。

 体を張ったバラエティでのイメージ変化により、グループを引っ張る唯一無二のメンバーとなっただけでなく、俳優業でも進化を。洗剤の『ボールド』CMキャラクターにも抜擢されが、洗剤のCMはそもそも好感度と清潔感がないとオファーは来ない。今後はグループを引っ張る存在として、そしてジャニーズにとっても、SMAPや嵐ら先輩方に続く新たなバラエティスターとして需要は増していくに違いない。

(文/中野ナガ)

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