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「撫でるさせてくれるまでに13年」心開いた猫のぬくもりに涙…保護活動の原点、老猫パッツンの物語

 現在、約200名ものボランティアメンバーを擁するNPO法人『ねこけん』は、猫の殺処分ゼロを目指し、2011年に設立された。そんな『ねこけん』の原点ともいえる餌やり場で最後に保護したのが、老猫「パッツン」だ。13年越しに撫でることができたという感動の瞬間、保護活動への思いについて、代表理事の溝上奈緒子氏に聞いた。

餌やりを始めて9年、最後に保護したときの様子(今から4年前)

13年の月日を経て、やっと撫でることを許してくれたパッツン

雨の日も雪の日も…餌やり場に通った9年、老猫パッツンとの邂逅

 溝上氏が『ねこけん』を立ち上げるきっかけは、中国の大学に通っていたころの出来事にあった。無残な最期を強いられる犬と出会い、「日本に戻ったら、あなたの仲間を絶対に救うから」と誓った。帰国後、猫たちがいる場所を見つけ、とりあえずエサを与え始めたのが2009年。しかし、数日経つと「猫にエサをやるな」と近隣住民からの苦情を受けた。

 「そのときの餌やり場にいた猫は11頭。いつの間にか増えることもあったんですが、すべての猫たちに不妊・去勢手術をしても苦情は減りませんでした。周囲の方たちの理解を得るため、掃除もして、時には大量発生をしたノミの駆除もして。それでも保健所に連れていかれてしまったり、生まれてすぐカラスに殺されてしまった子もいました。いろいろなことを勉強させてもらい、気付かせてくれた餌やり場だったんです」

 ひたすら頭を下げ続け、お願いし、住民たちに説明を続けた。それまで猫ボランティアや地域猫の知識がまったくなかったため、いろいろと調べて準備を重ね、2011年に『ねこけん』を設立。

 まさに『ねこけん』の原点となった餌やり場の猫たちをすべて保護したのが、2018年だった。9年もの間、雨の日も雪の日も、たとえ体調が悪くても毎日欠かさず、餌をあげ、掃除を続けてきた。残った3匹のうち、2匹を保護。そして最後に残ったのが、老猫パッツンだった。

 ひどい雨の日、停めてある車の下すらビシャビシャの悪天候の中、濡れながら待っていたパッツン。大風邪をひきながら行方知れずになってしまった猫「あんこ似」にずっと寄り添っていたパッツン。

 そんなパッツンを最後に保護して、餌やり場はなくなった。パッツンをネットに入れて保護し、抱きしめたとき、溝上氏は9年間の思いがあふれ出し、笑い、そして涙を流したという。

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