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くちばしカットに素直に応じる保護されたカラス ペットの鳥たちとともに“傷病鳥”の終生飼養を選択した投稿者の覚悟

 自分のくちばしをカットしてもらおうと、ペットのインコ達の爪切りが終わるのを待っているカラスの動画がTwitter上で話題に。投稿者のvanillaさん(@vanilla_crow(外部サイト))は元鳥屋の店員で、現在は傷病野生鳥獣の保護飼養ボランティアを行っている。このカラスも終生飼養するそうで、ほかにもヨウムやクロインコ、文鳥、キサキスズメ、シュバシキンセイチョウとともに暮らしている。カラスを保護することに至った経緯や、傷病鳥の保護や対応への注意点などについて、vanillaさんに話を聞いた。

安易な保護欲や飼育欲を刺激してしまうかも… 動画の反響が大きかったがゆえの懸念点

 くちばしをカットしてもらおうとしているカラスの動画は、「待っているなんて、可愛いです!!」「賢い子」「めちゃくちゃおとなしい…信頼関係がなせるワザか」などと多くの反響を呼んだたが、好意的なコメントが多くて嬉しかった反面、危惧している点もあるという。

「ペットとして販売されているような鳥ではなく保護した野鳥であるため、反響が大きいと安易な保護欲や飼育欲を刺激してしまう懸念もあります。そのため、ツリー表示で色々と綴りました。面白かわいい動物を紹介するだけの内容の取材はお断りしようと思っていました」

 動画を見ると、カラスの呂色(ろいろ)くんがvanillaさんを信頼している様子が伝わってくるが、お互いの妥協点を探りながら生活のルールや環境を作っていくことで、少しずつ良好な関係性を築いていった。ただ、接していく上で難しいと感じる部分もある。

「カラスは拘りが強くマイルールも多いので、こちらが合わせる部分が多いと感じます。コンタクトを外して眼鏡を掛けたら気に入らない、季節が変わると服が変わるのが気に入らない、朝起こしに来るのが遅れた、帰宅がいつもより遅い、などでよく怒られますね」

野生復帰が難しい状態だったカラス 法的な手続きを経て終生飼養することを決心

 呂色くんとの出会いは、旦那さんが横断歩道脇で発見したことがきっかけだ。旦那さんから連絡を受け、急いで現場に行くと、そこには骨折した様子が見られるぐったりとした雛カラスが。骨折から無事に回復をしたら放野するつもりで保護をしたものの、最終的には終生飼養することを決めた。

「翼も痛めていて飛ぶことができず、脚が悪く止まり木にも留まれず、複数の獣医さんから野生復帰は難しいと言われています。自然のサイクルの中での怪我は『自然は自然のままに』ですが、『人間活動の影響での怪我であれば保護飼養は可能』という住んでいる地域の意向の元、法的な手続きを経て今に至ります」

 カラスに対しては狡猾で攻撃的なイメージを持つ人も多いが、「とても頭が良いので、効率良く望む結果を得ようとする行動が狡猾に、臆病ゆえの防衛行動が攻撃的に映る」とvanillaさんは話す。理由なく攻撃してやろうという好戦的さは全く感じないのだという。

「『カラスは臆病だ』と、カラスと暮らしている人達が口を揃えるように、呂色も例に漏れず臆病です。特に家の外は恐ろしい所のようで、日光浴や水浴びでベランダに出しても、膝に乗せて抱いていないと怖がって戸を開けろとせがみ、開けたら急いで中へ入ります。駐車スペースで地面に降ろしてみたときも、急いで玄関ドアの前へ逃げて行きました」

人間に助けてもらいたいと野鳥は思っていない 必ずしも傷病保護が良いことではない

 呂色くんを含め、保護した鳥達の様子をSNSで投稿している一方で、傷病鳥の保護や見つけたときの対応についても呼びかけているvanillaさん。そこにはとても切実な想いが込められている。

「春から梅雨明け頃になると頻繁に報告される『鳥の雛を拾いました』のほとんどが、保護の必要のない巣立ち雛です。鳥にとっては誘拐であり、野生で生きる術を学ぶ機会を奪う行為なので、巣立ち雛の誤認保護は減ってほしいと思います」

 また、傷病鳥の保護は診てもらえる病院が限られている上に、どのような病気を持っているのかもわからないため、とにかくまずは専門機関へ連絡をしてほしいとも訴える。

「許可を必要としない一時的な回復見込み期間を超えて保護する場合は行政の許可が必要となるため、継続して保護するのであれば、トラブルにならないためにも飼養登録をしてほしいです」

 怪我をしたからといって人間に助けてもらいたいと野鳥は思っていないだろうし、それがかえってストレスとなり弱ってしまうことだってある。

「自然界で命を落としても、ほかの生き物の糧になるので、必ずしも傷病保護が良いことだとは思ってはいません。呂色にとっては結果的には良かったのかもしれないけれど、生態系的には良くないことをしたのだという気持ちは今もあります。野生で生きる能力のない子なので、関わったからには最後まで責任を持って面倒を見なければと思っています」

 傷病保護は、ペットと違って飼育マニュアルや専用の餌や用品があるわけではないので、すべてが手探りになる難しさがあるとvanillaさんは声を大にする。

「ほかにも、体や声が大きいため飼育環境の難しさ、元が身体トラブルのある個体なのでずっとケアが必要で手がかかる難しさがあります。そういったことも含めてブログなどで発信しています」

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