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「リアル“コウペンちゃん”!」ほわほわの赤ちゃんペンギンに反響、飼育員が驚いた“おませさん”な一面とは?

体調崩して公開休止から回復へ 「参考事例がない」プロジェクトの難しさ

――一度は一般公開された雛ですが、体調の面から公開一時休止に。どのような状況だったのでしょうか。

長野さん親鳥は足元で、お腹の皮を被せて雛が冷えないように子を温めます。ですが、今回は温める際、雛の体が半分ほど出てしまっていて雛自身も体温管理がうまくいかなかったようです。震えが出始めたので親鳥から預かり、保育器へ移動しました。今は、元気になっています。

――アドベンチャーワールドでは1990年から「ペンギンプロジェクト」が実施され、なかでも現在では日本で唯一エンペラーペンギンの繁殖・飼育を実施する施設となっています。

長野さんエンペラーペンギンについては、1997年に雛が搬入されました。2004年に初めて雛が誕生しましたが、当時は人の手で育てる「人工育雛(※いくすう)」を行っていました。ただ、そうすると人間を親と認識してしまい、親元へ返した際に、親鳥へエサの要求をしなかったり、親の鳴き声に対して反応を見せないことがありました。

――親鳥を“親”と認識させるように育てる必要があったんですね。

長野さん人間を親と認識してしまうと成鳥になってもペアを作らず、次の世代の繁殖に繋がらない可能性があります。そこで、2012年から“刷り込み”防止対策で人がペンギン型の帽子を被るなど、親鳥に扮して育てるようになました。

――飼育スタッフさんがペンギン型の帽子を被ってエサをあげる姿は、YouTubeでも公開されていましたね。ペンギンの雛を育てる上で、難しいところは?

長野さん一番は、やはり体調管理です。エンペラーペンギンの場合、他園での繁殖事例やデータがありません。ですので、今回のように(一度親に返してから)取り上げるといった際に参考にできるものがなく、チームで考え答えを出す必要があります。また、一羽一羽の体調をしっかり見ていかないと見落としに繋がることが、人工育雛する上で難しいところだと感じます。

「雛から“子ども”へ成長する姿を注目してもらいたい」1年間だけ現れる模様とは?

――一般公開後、どんな姿に注目してもらいたいですか?

長野さん今後、成長過程で雛から“子ども”の姿に成長していきます。大人ともまた違うのでその姿にも注目してもらいたいです。

――“子ども”の姿ですか?

長野さんペンギンは雛、子ども、大人の3段階でどの種類も体の模様が変わります。どの種類も子どもの模様が見られるのは、1年間限定です。群れの中に一羽だけ違う模様の子がいたら、それが子どもです。気づけたらラッキーかなと。

――エンペラーペンギンの子どもは、どんな姿なのでしょうか?

長野さん大人だと黄色い模様があるのですが、子どもの頃はそれがなく、白黒でちょっとグレーがかった感じになります。1年経つと、もう1回羽が生え変わると大人の柄が出てきます。

――雛には、今後どのように育っていってほしいですか?

長野さん本来でしたら親鳥が雛を育て上げ、そのまま群れに溶け込むというのが理想でしたが、今回はそれが難しくなってしまいました。ただ、大人になった後も群れに溶け込み、ゆくゆくは相手を見つけて繁殖できるようサポートを続けていきたいと思います。

 エンペラーペンギンの雛は、アドベンチャーワールド 「ペンギン王国1階 育雛室」にて公開中(12月24日現在)。今後、健康状態に問題がなければ、親鳥たちが暮らす「海獣館」へ移動予定となっている。

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