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浪川大輔の声優人生を築いた人気キャラクターたち…アルやイタリア、及川徹、そして石川五ェ門

自身も経験した“声優交代” 次元役・大塚明夫への想い

――ここからは最新シリーズのお話も踏まえつつ、石川五ェ門についておうかがいします。『ルパン三世』シリーズがアニメ化50周年を迎えましたが、どのように感じていますか。
日本のアニメ業界でも50周年を迎えられた作品はそれほどないと思いますが、原作のモンキー・パンチ先生にお会いしたときに懐の大きさを感じました。だからこそ作品も懐の広いものになっているのだと思います。良い意味で作画やキャラデザが変わったり、お話もいろんな方に書いてもらったり、いろんなテイストを持っていることや、“追いかけっこ”という普遍的なものをテーマにしていることが『ルパン三世』という作品の強さかな、と。しかも50周年という偉大な作品に、参加できていることが本当に光栄です。

『ルパン50★傑作選/石川五ェ門 SAMURAI魂編』

――最新作もさまざまなテイストのエピソードがありますが、そのあたりは演じてみていかがでしょうか。
以前から、劇場版やCGルパン(『ルパン三世 THE FIRST』)、あと『LUPIN THE IIIRD 血煙の石川五ェ門』があったりと、異なるテイストの作品が多くあるので、視聴者も役者も違和感なく受け入れられるというか。それが50年やってきた強さだと思うし、すごく懐が大きい作品だなって感じます。
――そして今シリーズでは、次元役が小林清志さんから大塚明夫さんに継承されることも、大きな話題となっています。10年前には浪川さんも井上真樹夫さんからのバトンタッチを経験しましたが、今回の引き継ぎについてはどう思われましたか?
ルパン役の栗田貫一さんが最初に声優交代をしましたが、我々が10年前に交代した際には栗田さんが受け入れる空気感を作ってくださいました。大塚さんはベテランで素晴らしいお芝居を持っている方ですが、それでも緊張している部分はあると思います。人柄や役者としてはよく知っていますが、僕がアフレコを聞いていて受けた印象では、次元というキャラクターをすごく大切に演じて、清志さんのことも意識しているようでした。

大塚さんの声を聞いていると「次元だな」というのは最初から感じました。言い方が難しくて、清志さんももちろん次元なのですが、大塚さんの次元も違和感はなかったです。
――同じ役を演じられているので表現に困ってしまいますね。どちらも次元ですから。
そうなんです。緊張していらっしゃったかどうかはわかりませんが、僕や(銭形警部役の)山寺(宏一)さん、(峰不二子役の沢城)みゆきちゃんが入った時よりスムーズな印象で、自然にやられている印象でした。

――放送後の反応が楽しみですね。
本人が一番ドキドキするでしょうが、その気持ちはすごくわかります。

国民的キャラクターとの出会いとなった五ェ門

――多彩なテイストで描かれる『ルパン三世』シリーズですが、五ェ門を演じる際に浪川さんが“軸”として考えている要素は何でしょうか。
演じてみて、ただ観ている時とはまた違う側面がより見えてきました。視聴者の皆さんもそうだと思いますが、五ェ門は一番ブレなそうなキャラクターという印象があって、例えば「堅い」「渋い」や「子供は好きだけど女性が苦手」とか、あとは戦う時に一瞬でケリをつけたり、途中から出てきておいしいところだけいただいたり……。そういった軸も大切にしつつ、プラスの要因というか新しい魅力みたいなものをほんのりちょっとずつ足せれば、より深みのあるキャラクターになるのではと考えていて、常に探すようにしています。

シリーズ最新作『ルパン三世 PART6』キャラクターPV

――そういう意味では、新シリーズで特に意識されたのはどのあたりでしょうか?
前回のシリーズでは五ェ門の抱える葛藤とか、例えば「自分は仲間じゃないのでは」といったような思いがありました。そして、今回はミステリーテイストが濃いめで、五ェ門とミステリーはちょっと遠いイメージが皆さんあると思いますので(笑)、そこにどうなじんでいくかという。今のアニメでやるミステリーに、堅い五ェ門がどう芯を持って入っていけるかというところは、ちょっと意識しながらやっています。
――アフレコで印象に残っていることはありますか?
かなりぶっ飛んだ内容で、正直、振り幅にちょっとびっくりした話もありました。あと五ェ門は1人でいるか、またはメンバー全員でいるというイメージがあると思いますが、結構ルパンや次元などとの関係性というのも出てくるので、そのあたり、いつもとちょっと違うテイストがあるなと思いました。

――現在も演じ続けている五ェ門ですが、声優人生においてはどんなキャラクターでしょうか?
いわゆる「国民的キャラクター」というのは多分、五ェ門が初めてなんじゃないかな。そういう意味ではプレッシャーもありますが、ありがたいキャラクターでもあります。当初は国民的キャラクターというものがよくわかっていなかったですが、例えばアンパンマンは誰もが知っているとか、ルパンと言えばこれ、というのがあるように、作品も含めて「こういうことが国民的なキャラクターなのか」と、演じていくなかで知っていきました。誰もが知っている作品というのは“出会い”だと思いますし、五ェ門は「なかなか出会えない人に出会えた」という印象はあります。
――ありがとうございます。最後に、浪川さんにとって「声のお仕事とは」。一言で表すと?
声優とは自分にとって「手段」ですね。20代とか30代前半くらいまでは「声優」と呼ばれることがあまり好きではなかったんです。だけど結局、自分を生かすのも、キャラクターを生かすのも、人から言われる肩書きも声優。今はそれを受け入れられていますし、「声優です」と普通に返せるようになりました。

もともと声優という職業はなかったし、今も総称みたいなものだと思っているので、自分にとっては「声優を使って何かをやる」ということだと思っています。
プロフィール
浪川大輔(なみかわ・だいすけ)

1976年生まれ、東京都出身。子役として活動をスタートさせ、映画『E.T.』の主人公・エリオット役の吹き替えで注目を集め、『ネバーエンディング・ストーリー』『グーニーズ』など人気作に次々と出演した。

数多くの人気アニメで主要キャラクターを演じるほか、洋画の吹き替えも多く、レオナルド・ディカプリオの声や『ロード・オブ・ザ・リング』(フロド・バギンズ)、『スター・ウォーズ』(アナキン・スカイウォーカー)などで声優を務めている。
作品情報

『ルパン三世 PART6』キービジュアル 原作:モンキー・パンチ (C)TMS・NTV

『ルパン三世 PART6』キービジュアル 原作:モンキー・パンチ (C)TMS・NTV

『ルパン三世 PART6』

2021年10月より日本テレビ系全国放送開始!
日本テレビでは10/9(土)24時55分より放送開始 ※各局の放送日時は公式HPでご確認ください
配信:Hulu他配信サイトで配信予定※配信先情報は、公式HPで順次公開
原作:モンキー・パンチ (C)TMS・NTV
【公式サイト】lupin-pt6.com(外部サイト)
【公式Twitter】@lupin_anime(外部サイト) ハッシュタグ:#ルパン6

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