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(更新: ORICON NEWS

清野菜名、自分の強みがコンプレックスに… 「アクション女優」の肩書きに苦悩

 『TOKYO TRIBE』『東京無国籍少女』『今日から俺は!!』などで圧巻のアクションを見せ、独自の存在感を発揮してきた清野菜名。本日14日に発売された自身初となる写真集『セイノート』でも見事な“跳び蹴りカット”を披露しているが、デビュー当初から「アクション女優」として注目を浴びる一方で、その肩書きに苦悩することも多かったという。今年デビュー15年目を迎えた彼女が辿り着いた自分らしさとは。

寝起き突撃“すっぴんカット”から、急遽撮影した“水着カット”も「泣きそうなくらい素敵な作品ができた」

――今回の写真集は清野さんの普段の姿を覗き見しているような飾らないカットが印象的ですが、どのような思いで撮影に臨まれたのでしょうか。

清野菜名考えるというよりは、本当に自由で楽しくて体が勝手に動いちゃう様子を撮っていただきました。すっぴん寝起きカットもあるのですが、実際にホテルの部屋の鍵を預けて、翌朝勝手に入ってきてもらって撮影したり。何も包み隠すことなく、その瞬間の素の私をお届けしています。

――デビュー15年目にして本作がファースト写真集とのことですが、制作のきっかけを教えてください。

清野菜名23歳でハワイ留学した際に、1人の時間が増えて年齢について考えることが多かったのですが、当時はすごくもがいている時期で、“24歳”という年齢がいまいちしっくりこなかったんです。そこで、宝物になるようなものを作れば、その歳を前向きに受け入れられるかなって思って、何年経っても見返せる「写真集」という形で残すことにしました。結局なかなかタイミングが合わず、27歳での披露になりましたが、今この宝物が出来て本当に幸せな気持ちです。泣きそうなくらい素敵なものができました。
  • 清野菜名

    清野菜名1st写真集『セイノート』特装版カバー(ワニブックス)

――お気に入りの写真はありますか。

清野菜名沖縄のハンバーガーショップの駐車場で撮った写真かな。ロケーションと空の綺麗さや衣装の素敵さが相まって、今まで見たことがない新たな自分を発見できました。沖縄での夜のプールの写真も思い入れのあるカットで、元々そこでの撮影の予定はなかったのですが、プールの波が壁に映っている様子があまりにも綺麗だったので、「ここで撮りたいです!」と自分からお願いして、急遽このシーンが生まれました。撮影のためにスタッフみんなで水着になってプールに入ったのも、忘れられない楽しい思い出ですね。

――特装版は「清野さんの実寸大の耳型付き」とのことですが、なぜ付録が耳型になったのでしょうか。

清野菜名マネージャーさんが私の顔のパーツフェチで、どこか私のパーツが欲しいということで、実寸大の耳をプレゼントしようということになりました。1番のファンが欲しいって言っているので、他のファンの方にも喜んでいただけるかなって(笑)。せっかくだったら今までにない付録にしたかったので、気に入っています。

――本作には清野さんの素の表情がたくさん詰まっているかと思います。多忙な日々を送られている中で、「素」になれる瞬間はどのような時ですか。

清野菜名飼っている猫と戯れている時間ですかね。猫のおかげで、家に帰った瞬間に張っていた気が緩んで自然と笑顔になれるし、変な声も出ちゃいます(笑)。

「アクション要員は嫌だった」女優として評価されない悔しさを技みがきの原動力へ

  • 清野菜名

    今年でデビュー15年目を迎えた清野菜名(C)ORICON NewS inc.

――道場での躍動感あふれるカットも印象的でした。清野さんといえばやはりアクションのイメージが強いですが、“アクション女優”として活躍の場が広がることに対して、どのような思いがありましたか?

清野菜名アクションを評価していただけたのはもちろん嬉しかったのですが、“アクションシーンがないと自分は呼ばれないのかな”と、コンプレックスに感じた時期もありました。アクションシーンがないと不安だったり、逆にそれを克服しようとアクションがない作品をやったり…。特にスタントやボディダブルばかり演じていた時は、他の活躍されている女優さんと比べて嫉妬してしまうこともありましたね。でも、結果的にそれが“私もそこにいきたい”っていうハングリー精神に繋がって、気持ちを奮い立たせることができました。“自分にはアクションしかない”っていうのは悔しかったですが、逆に“それがある”って捉えて、求められた時にいつでも現場で応えられるように、ひたすら練習を重ねていました。今では身体が動くうちに、たくさんアクション作品に挑戦していきたいと思っています。

――昨年も多くの作品に出演された中、コロナの影響で公開が延期されるなど様々な出来事があったかと思いますが、仕事観や人生観に変化はありましたか。

清野菜名ここ1、2年は演じることに対して悩むことが多く、苦しい時期でもありました。周りの評価ばかり気にしてしまい、感覚的に表現することができなくなって、正面から役へ向き合うことができなくなってしまったんです。でも、昨年発足した「DIVOC-12」というプロジェクトで、『死霊軍団 怒りのDIY』というゾンビ映画に出演させていただいたことがきっかけで、気持ちが吹っ切れました。評価ばかり気にしてありきたりに当てはめていくよりは、自分が自信を持って思い切りやり遂げた方が見てくれる皆さんにも楽しんでいただけるのかなって思えるようになりました。
――コンプレックスを乗り越え、演技への迷いも吹っ切れた今、今後どのようなことに挑戦していきたいですか。

清野菜名これまでは一生懸命すぎて一杯一杯だったんですけど、今は少し余裕ができて楽しめているなと感じます。アクション映画でハリウッドに行きたいという長年の夢はこれからも追いかけていきたいですし、人生の宝物となる写真集も完成したので、これからはお芝居以外にも歌やライブなど、クリエイティブなことにも挑戦していきたいと思っています。



 スタントとして作品に参加する際には、「顔が見えないように」との指示を受けた。同世代が王道ヒロインや清純派で飛躍していく中、自身の強みであるはずのアクションがコンプレックスに変わった。それでも彼女はコンプレックスから逃げることなく真正面から向き合い、さらに技を磨く道を選んだ。

 嫉妬心や悔恨の念を全て前向きなエネルギーに注ぎ込んだ結果、見事に“アクション女優”から“主役級女優”に飛躍した清野菜名。19日スタートの主演ドラマ『婚姻届に判を捺しただけですが』では、坂口健太郎と偽装夫婦を演じる。かつては「アクションがないと不安だった」彼女がラブコメディでどのような新境地を見せてくれるのか、“アクションもできる”主演女優の活躍に今後も目が離せない。


(文=鈴木ゆかり)

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