ORICON NEWS
みちょぱ、ギャル枠“短命説”に風穴 「見た目だけギャル」な清廉性で令和のギャップ落ち
「ギャルはおバカ」文化作った平成ギャルからの「ギャルだけど頭いい」ギャップ創出
主な出演番組は『突然ですが占ってもいいですか?』(MC)、『櫻井・有吉THE夜会』(ひな壇)、『スッキリ』(コメンテーター)と、マルチ能力を発揮しており、昨年放送の『アメトーーク!』の「実はみちょぱスゴイぞ芸人」でも、「若者枠、女性の紅一点枠、モデル枠、コメント枠、リアクション枠、おバカ枠、毒舌、ヒール枠、すべてを兼ね備えてる」と、かまいたち・山内ら男性陣ほか、オアシズ・大久保佳代子にも「ノリがちょうどいい。転がしている感を見せずにアシストができる」と絶賛されていた。
「ギャルだから破天荒でもしょうがない」が許されない時代、熱愛発覚で好感度上昇
また、みちょぱは、“ギャルだけど”礼儀正しい。これまでのギャルと言えばタメ語の印象もあるが、彼女はきちんと敬語を使う。また、収録前は早めにスタジオに入り、出演者に1人1人挨拶。収録後はスタジオに共演者の方々が残っていたら、絶対に一番最後に出ると過去インタビューで語っている。プライベートでのだらしなさをしきりに披露したり、大胆な露出のグラビア写真集を出版するギャル系タレントがいる中、みちょぱはグラビアNG。そんなギャップも、ほかのギャルたちと一線を画す理由かもしれない。
みちょぱ自身も「人って見た目から入るから『怖い』とかすごいビビられるんだけど、ちょっとでも箸がちゃんと持てたりするだけで『あっ、箸持てるんだ』とか、ハードルが低いから(高感度が)上がっていくしかない。もしできなくても『見た目通りだな』ってなるのでマイナスにもならない」「あいさつしただけで優しいって言われた、敬語が使えるだけですごーいって、人として当たり前のことができるだけで、本当プラスになっていく」などのギャルのギャップの優位性を語っている。少女漫画などで、荒くれ者の不良が雨の中で捨てられた濡れた子犬をあやすだけで“いい人”に見える…“いい人”のハードルが下がってしまう、いわゆる“不良に子犬”理論を自身で理解しながら見事に体現しているのだ。
ギャルの“いいとこどり”? 時代にフィットした「媚びない賢さ」発揮で1強状態に
そもそもみちょぱが人気ギャル雑誌『Popteen』で頭角を現したのも、“ぶれなさ”ゆえだったようだ。15歳にして先輩モデルたちを差し置いて表紙を飾った理由をこう語っている。「当時は黒髪ブームや清楚ブームがギャルの中にもきていたんだけど、私だけ“THEギャル”なスタイルを貫いていたから目立っていたのは確か。好きなことしかやりたくなかったからブームに乗ってスタイルを変えるつもりは全然なくて」
これまでのバラドルといえば、すすんで前に出るがっつき姿勢や「NGなし」の汎用性が求められていたように思うが、みちょぱのこの媚びないギャルメンタルこそが「個性重視」な令和時代にフィットしているのかもしれない。やはり無理をしていたのか、おバカキャラや体当たり芸を見せていた多くのギャルタレントが長続きしなかったことを考えると、みちょぱのスタンスは、やはり「正解」と言えるのかもしれない。
かつて出演した『俺の持論』(テレビ朝日系)では「ギャルの先輩とかと語ってて、ギャルってなんだろうねって話したときに、やっぱマインドだよね」という結論に至ったと話していたみちょぱ。媚びないギャルマインドを持ちつつ、礼儀正しさや賢さ、機転の良さで見事に周囲を“ギャップ落ち”させる…そんな彼女が入れ替わりの激しいギャルタレント枠で、初の“殿堂入り”を見せてくれるか、期待したい。
(文=衣輪晋一)