虹コン&でんぱ組・根本凪、アイドル衣装は「強くなれる甲冑」 現役アイドルがデザインする、その心は

ファーはダンス中に吸い込むと危険…現役ならではの視点

――デザインのイメージは、どうやって膨らませているのでしょうか?
リルネードちゃんの衣装なら、ののた(プロデューサーの奥村野乃花氏)にまずイメージをもらうんです。最新の衣装だと「あなたに会えない異国の女」みたいなざっくりしたものが届いて、なるほど〜と(笑)。そこから異国っぽいものや異世界っぽい衣装って実際にどういうものがあるんだろうと、民族衣装などを調べて。それをいろいろ組み合わせたり、自分のフェチを加えつつ作っていく感じです。
――アイドルとして活動しているからこそ曲げられない、実用面でのこだわりも教えてください。
踊ることを想定されないコスプレ用のサンタ服とかは、繊維が空気中に舞って、歌うときにめちゃめちゃ吸い込むんです。それが喉にひっついてむせちゃうことがあるので、絶対に防ぎたいです。すぐに水を飲めたらいいんですけど、できない場合は本当に命取りになるので(笑)。例えばファーを使った『恋・ホワイトアウト』の虹コン衣装は、生地選びからデザイナーのIZOさんとこだわりましたね。あとは靴が厚底だと絶対にかわいいけど、ステージでは転んじゃうかもしれないから、この形のほうがいいんじゃないかとか、そういう提案はしています。

ファー素材へのこだわりが分かるデザイン画での指示(1枚目)

かわいすぎて「歯を食いしばって震えた」…リルネにぴったりの衣装

――これまで手がけた中で、「これはメンバーや楽曲にぴったりだった!」と思う衣装はありますか?
リルネードちゃんは「2020年代のオシャカワ」というテーマで活動しているんですけど、『もうわたしを好きになってる君へ』という曲の衣装デザインをさせてもらったときに、出来上がった当初は「かわいすぎちゃったかもしれない……」とずっと歯を食いしばって震えていたんです(笑)。
デザインの段階だとぼんやりしている部分があるのですが、MVができて、実際に本人たちがライブで着て踊っているのを見たら、めちゃめちゃぴったりで。私はリルネちゃんのことが大好きで、その好きな気持ちはちゃんと創作につながるというか、結果として返ってくるんだなと思って、今見てもニコニコしちゃいます(笑)。

リルネード『もうわたしを好きになってる君へ』

――では「これは会心の出来!」という衣装をあげるなら?
悩みますね〜。どれもめちゃめちゃお気に入りなんですけど、虹コンの夏衣装はすごくお気に入りです。私はデザインをするときに淡い色を使いがちなんですけど、その衣装は思い切って原色を使って成功して、ちょっと手ごたえもあって。ファンの方も喜んでくださったし、虹コンメンバーが横で踊っているのを見てかわいいなと思うので、すごく自信になりました。原色を使ってデザインすることへの自信につながりましたし、後ろがレイヤードになっていたり、ちっちゃい帽子もすごくしっくりきていて、自分で好きだなと思える衣装です。
――たくさんの反響も届いているかと思うのですが、ファンの方やメンバーからの反応で印象的なことはありますか?
ファンの方に「フェチが分かっているな」と言われたこと(笑)。リルネちゃんの衣装で「あの子にはガーター、絶対に白ガーター」と提案して、コンプライアンス的に弾かれるかなと思ったんですけど(笑)、採用されて。それを見てファンの方が「解釈一致」って言ってくださって、「一致してよかった!」と思いました。「解釈一致」が一番の褒め言葉かもしれないです。

――自分が所属するグループの衣装デザインをするときの、見え方としてのこだわりはありますか?
私は『デレステ(アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ)』とか『アイマス(アイドルマスター)』とか、3DCGやモーションで動くようなアイドルの女の子たちが着ている衣装が好きで。『恋・ホワイトアウト』の、冬だけどおなかが出ていてニーハイを履いているという、露出の高さとモコモコを組み合わせたオタクの夢を詰め込んだ衣装も、そこから着想を得たくらいなんです。

虹コンって、2次元とこの世のアイドルの架け橋というコンセプトがあって、名前にそういう願いも含まれているので、自分の理想もずっとそこにあるわけで。理想がそこにあるので、いつもではないですけど、2次元っぽい衣装をたまに着たいという気持ちがあるんです。めちゃめちゃ自分勝手かもしれないですけど(笑)、それも忘れずに作っています。

最高のアイドル衣装とは? 着ると「2.5次元」、最強になれる

――実際に着てパフォーマンスする立場からデザインに携わるようになって、アイドル衣装の魅力はどんなところにあると思いますか?
おこがましいですけど、衣装に袖を通すだけで“2.5次元”になれるなと思っているんです。アイドル衣装を着ているときって、シルエットがキャラっぽかったり、ちょっと3次元離れした形になれるんですよね。自分が大好きでそのままの自分を出したいという子もいれば、アイドルになることでいつもと違う自分を味わいたいという子もいると思うんですけど、その違う自分になるお手伝いをしてくれるというか、スイッチになるのが私服との違いかなと思います。
――ステージを見て現実を忘れられるのは、衣装のおかげもありますよね。
そうですね。私は普段、人前に立つような性格でも人格でもないんですけど、衣装を着ると許された気がするし、衣装がかわいいと元気が出てくる。人を元気づけるという立ち位置にいつもは行けていないですけど、着ることでギアが上がる感じがしますね。言ってしまえば、着ぐるみの簡易バージョンみたいな(笑)。着ちゃえばひょうきんな動きもできるし、子どもに風船を配れるし。強くなれる感じがします。
――では、根本さんにとっての最高のアイドル衣装とは、どんなものですか?
ステージでトチると心が折れることがあるんですけど(笑)、衣装がかわいければ「かわいいからOK!」と思えるんですよね。だから着た人を一番よく見せてくれて、ステージ上で一番いい状態の心を保てて、最高のパフォーマンスができるのが最高のアイドル衣装なのかなと思いますね。

――そこが根本さんの目指すところでもあるのでしょうか。
そうですね。ファンのみなさんは褒めてくださることが多いので、そこに甘んじないように、いろいろインプットをして頑張っていきたいです。

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