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『全裸監督』の監督「世界に向けて“不届き”な作品を」 国内の映像業界は“人材”の宝庫

 「日本の実写映画の技術は世界と比べ、何十年も遅れている」と言われて久しい日本の映像業界。だが安藤サクラを一躍スターに押し上げた映画『百円の恋』や山田孝之主演のNetflixオリジナルシリーズ『全裸監督』など、ヒット作品を手掛けてきた武正晴監督は「世界にも受け入れられる映画を実現できるスタッフとキャストが日本にはまだまだいると分かった」と話す。その再発見のきっかけとなったのが先述の『全裸監督』だ。日本だけじゃなく世界へ配信する難しさ、ヒットの秘訣、映画論などについても聞いた。

視聴者に叱られることは当たり前「私たちの仕事自体が“不届き”な仕事」


 「お待たせしました。お待たせしすぎたかもしれません」――“放送禁止のパイオニア”として、強烈なカリスマ性と先見の明でアダルトビデオ業界の頂点に立った村西とおる。ブリーフ1枚の姿でカメラを肩にかついだ独特の姿、「ナイスですね、ゴージャスですね」など個性あるセリフ、伝説的な女優となる黒木香を見出した人物としても知られる彼の半生を描いた作品が『全裸監督』である。

 演じるのは山田孝之。24日から配信されるシーズン2では、高度成長期に乱痴気騒ぎをしていた彼らがバブル崩壊によってどんどん落ちていく姿が描かれる。2019年に配信された『全裸監督 シーズン1』は瞬く間に世界中で話題に。インスタグラムなどでは村西の姿のマネをしておどける視聴者などもおり、「主人公や登場人物に愛着を持って、同じ格好をするっていうのはそうそうあることではないので、面白がってもらえて良かった」と顔をほころばせる。

「あと日本の映像業界の人たちから『羨ましい』とも言われました。作品を観ればお金がかかっているのが分かるし、作品作りに良い環境はあまりないからでしょう。あと『全裸監督』を観て、(低予算化が進んでいる中で)『日本の映画にももっと予算をかけなきゃいけないかもしれない』と話す人も。コロナで配信サービスでの公開が主流になりつつある中、ここ数年、日本の映像業界にも何らかの変化を感じます」(武監督/以下同)

 大ヒットを受けての続編制作へのプレッシャーもなかったと言う。「逆にやらなきゃ損です。私が思いついたこと、人のアイデア、やるべきこと撮るべきものを撮れる環境ですので。ただ、ユーザーからお叱りの言葉もいろいろ頂きました。『こんなふざけた作品作ってんじゃねえよ』とか。でも、我々は叱られることは当たり前の世界で仕事をしていますから。そもそも私たちの仕事自体が“不届き”な仕事なのです」 

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