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声優キャリア20年目、宮野真守が「天職」に出逢えた信条とは 『FGO』で伝えたいベディヴィエールの覚悟

坂本真綾による歌詞に感じた“光”とは

――後編では宮野さんは主題歌も担当されています。オファーが届いたときはどう感じられましたか?
後編の主題歌を担当させていただけるというお話をいただいたときは、まさかまさかだったので本当にうれしかったですね。同時に、どういうふうな曲の作り方をしようかなといろいろと考えました。

――主題歌『透明』の作詞は坂本真綾さんが手がけていますが、制作の段階ではどのようなやり取りをされたのでしょうか。
真綾さんが作詞をしてくださるとのことで、どういう思いを歌詞に込めるかを真綾さんに伝えて一緒に作っていけたらな、と。そこで改めてベディの気持ちだったり物語の根幹だったりを、自分の中で探って考えて言葉を見つけて真綾さんにも伝えたり、そういうやり取りをしながら歌詞を書いていただきました。

宮野真守「透明」MUSIC VIDEO

――ベディの気持ちや物語の根幹を精査していく過程で、宮野さんはどのような作業をされたのでしょうか。
言葉や想いを探している段階では、まだ前編の主題歌も聴いていない状態でしたが、実際に真綾さんが歌う前編の主題歌『独白』を聴き、「こういうことを歌えたらいいかな」「こういうことを伝えられたらいいかな」と僕が考えていたベディの気持ち、彼の苦しみや覚悟、立ち向かう強さや弱さがしっかりと表現されていて、本当にすごいと感じました。

なので、僕が歌う後編の曲はその先にある想いを描いた曲がいい、スローテンポの曲で祝福や救いといった“光”が歌えたらいいなと思いました。楽曲がかかるタイミングが作品を象徴するエンディングなので、そのシーンでこの物語を感じてもらえるように作りました。
――映画同様、壮大な世界観のバラードで歌詞も印象的なワードが詰め込まれていますが、特にグッときた歌詞などはありますか。
真綾さんは歌詞を書いてくださった際、ベディの歌、そして『FGO』の歌として皆さんに響くように書いてくださったのはもちろん、アーティスト・宮野真守としてファンのみんなに向けて歌うときにどう届くのか響くのか、宮野が歌ったときにどう感じるのかということも大事にしてくださったということをうかがって、それがすごくうれしかったです。

コロナ禍で作っている作品というのもあって、今の状況下で思うことも加味してくださったというお話も聞いていました。だから実際に歌詞を見たときに、今の状況や未来がどうなるかわからないなか、その先にある光というか、自分がコンサート会場でたくさんのファンのみんなの前で歌っている姿が鮮明に思い浮かんできたんですね。この曲は『キャメロット』の物語を象徴する歌なのですが、同時に、「こんな気持ちで終われるなんて」や「こんな自由が待ってるなんて」という歌詞にあるように今の世界や自分の状況に合致しているというか。未来に希望を持ちたいという想いが重なっているのを感じました。
――たしかに『透明』の歌詞からは、そうした想いが伝わってくるような力強さも感じられますね。
この先どうなるかわからない状況下ではありますけど、わからない未来に素敵な自由が待っていることを信じて歌う、そうした自分のアーティストとしての覚悟も真綾さんが込めてくれたことにとても感激しましたし、光栄だなと思いました。
――ありがとうございます。 それでは最後に、宮野さんにとって「声のお仕事」とは?
普段こういう言い方はしないのですが、今回の話の流れを踏まえて言うと、やはり「天職」ですね。これがあるからいろんなことにも挑戦できるし、自分の基盤を作ってくれたものということでもあります。

あえて天職という言葉を使いましたが、そもそも子どものころからエンタメが大好きで、エンタメに触れてすごいなと感じてやってみたいと思うのは、今でも変わらない自分の中の衝動ではあります。チャンスがあるならばチャレンジするというなかで、声優として20年やらせていただいていることについて、自分の中で少なからず自信はついてきました。声優というお仕事と出逢えたのは本当にありがたいですね。
プロフィール
宮野真守(みやの・まもる)
声優・歌手・俳優。1983年6月8日生まれ、埼玉県出身。B型。7歳から劇団ひまわりに所属。2001年、NHK海外ドラマ『私はケイトリン』グリフェン役で声優デビュー。代表作品は、『DEATH NOTE』(夜神月)、『機動戦士ガンダム00』(刹那・F・セイエイ)『うたの☆プリンスさまっ♪』(一ノ瀬トキヤ)など。アニメのみならず、 映画『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』など多くの作品で吹き替えも行なっている。
俳優として、劇団☆新感線の『髑髏城の七人』Season月《下弦の月》の主演・捨之介役、ブロードウェイ・ミュージカル『ウエスト・サイド・ストーリー』Season1で主役のトニーを演じた。
作品情報
  • 『劇場版 Fate/Grand Order -神聖円卓領域キャメロット-』後編 Paladin; Agateram

『劇場版 Fate/Grand Order -神聖円卓領域キャメロット-』後編 Paladin; Agateram
2015年に誕生し、全世界で6100万ダウンロードを突破した人気ゲーム『Fate/Grand Order』の中でも人気のエピソード・第六特異点を初の劇場アニメーション化。昨年12月に公開された『前編 Wandering; Agateram』では、かつて仕えた王を討つべく彷徨う遍歴の騎士・ベディヴィエール(CV:宮野真守)が、ともに戦う仲間たちと出会い、運命に翻弄されながらも進み続ける姿を、べディヴィエールの心情に寄り添い丁寧に描き出した。
そしていよいよクライマックスを迎える『後編 Paladin; Agateram』では、物語の結末を壮大なアクションと世界観、繊細なキャラクター表現により、美しく、悲壮に描く。ひとりの騎士が辿り着く、旅の終わりとは――。
この記事について
この記事は、LINE初の総合エンタメメディア「Fanthology!」とオリコンNewSの共同企画です。
俳優・歌手・芸人・タレントらの趣味嗜好を深堀りしつつ、ファンの「好き」を応援。今後、さらに気になる人の「これまで」と「これから」をお届けしていきます。
⇒この記事をオリジナルページで読む(5月31日掲載)

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