• ORICON MUSIC(オリコンミュージック)
  • ドラマ&映画(by オリコンニュース)
  • アニメ&ゲーム(by オリコンニュース)
  • eltha(エルザ by オリコンニュース)
  • ホーム
  • ライフ
  • 「川底で死を待つだけだった」保護猫が奇跡の復活、イケメンになり会心のウィンク
ORICON NEWS

「川底で死を待つだけだった」保護猫が奇跡の復活、イケメンになり会心のウィンク

 都内の小河川は、アスファルトやコンクリートに覆われ、護岸壁も高く安易に入れない場所が多い。だが、そんなところに迷い込み、増水したら最後…という状況に追い込まれる猫もいる。死に瀕した猫を、どうやって救ったのか? NPO法人『ねこけん』の代表理事、溝上奈緒子氏に聞いた。

「ケンカか、故意に落とされたのか…」消防でも救助できなかった猫を保護

  • ドボンが落ちていた川底

    ドボンが落ちていた川底

  • 顔には傷も…

    顔には傷も…

 「川に猫が落ちています。土曜日は雨なので、なんとか助けられませんか?」

 そんな緊急の相談が、ある日『ねこけん』に入った。相談者は、猫を助けて地上に放してくれさえすれば良いとのことだったが、それだけでは済まされない。保護した猫がケガをしていた場合は治療をし、不妊去勢手術がされてなかったら手術は必須。そして猫が健やかに暮らせるように、新たな家族を探すのが『ねこけん』の役割だ。「大切なのは命を救うこと」、と溝上氏は言う。

 「実はこの川にはよく猫が落ちてしまっていて、これまでも5〜6回救出したことがあります。何かに驚いたのか、ケンカしたのか、もしかしたら故意に落とされた猫もいたかもしれません。2匹同時に落ちていた猫を救出したこともありました」。

 連絡があった日、川の水位は低いものの、雨が降れば危険な状態。早速、ボランティアメンバーが集結してレスキューに向かった。

 猫は最初、川の下の大きな排水口の中におり、消防署の署員が2度も救出しようとしたが、奥へ奥へと逃げてしまい捕まえることはできなかったという。溝上氏によると、猫を捕まえるためにはコツがあるそうだ。

 「消防の方に来ていただけるのはとてもありがたいことなんですが、捕まえることは難しいと思います。やっぱり、消防車のサイレンが鳴ったりすると、猫もおびえてしまうんですね。だから、うちにレスキューの相談があった場合は、消防は呼ばないように伝えています」。

 素手や虫取り網のようなもので捕獲を考えても、おびえる猫を捕まえることは容易ではない。『ねこけん』のレスキューで毎度登場する、“捕獲器”は必須。一度は排水溝の奥へ姿を消してしまったが、捕獲器を仕掛けて約1時間後には、メンバーの手で猫は無事に保護された。

“ドボン”と名付けられた猫、顔デカ兄猫と出会い仲良く暮らす

今では新たな家族に迎えられたドボン

今では新たな家族に迎えられたドボン

  • すっかり元気に、イケメンになったドボン

    すっかり元気に、イケメンになったドボン

  • 虎吉とも仲良しになった

    虎吉とも仲良しになった

 川に落ちていたこの猫は、その名も“ドボン”と名付けられた。よほどお腹がすいていたのか、捕獲機の中で暴れることもなくご飯を食べていたドボン。体調も悪そうだったため、動物病院へ搬送。健康診断、去勢、ワクチンと、できうる限りのケアを行った。

 そんなドボンについて、溝上氏は「もしかしたら飼い猫だったかもしれない」と言う。というのも、首輪の跡らしきものがあり、腕にはバリカンで剃られたような跡も見受けられた。さらに、触っても嫌がらず、人慣れしている。「飼われていて逃げ出したか、もしくは川に落とされたのか。我々は想像することしかできず、真相を知っているのはドボンだけなんです」。

 保護された当初、おなかはぺちゃんこで鼻の頭にケガもしており、元気がなかったドボン。外での生活の過酷さが伝わってきたが、ボランティアメンバーからの愛情を受け、みるみる本来の姿を取り戻した。しょぼくれた姿からは想像できなかったが、本当のドボンはかなりのイケメン猫だった。

 最初はシェルターへ移されたドボンだったが、相性の悪い相手がいたために、預かりボランティアの家へと移動。そこで出会ったのが、姿形も性格も似た猫・虎吉だ。虎吉は、薬品をかけられるという虐待を受けた元地域猫で、『ねこけん』に保護されたことで、こちらもすっかりイケメンになっていた。顔はデカいが気は小さい、虎吉とドボン。蚤の心臓同士気が合ったようで、ドボンと虎吉は兄弟分のように仲良く暮らした。

 空腹と喉の渇きに耐えながら、川底で孤独に死を待つだけだったドボン。虎吉との穏やかな生活ののち、今では優しい家族とも出会った。生命の危機におびえることなく、元気いっぱいに生きている。
■NPO法人『ねこけん』(外部サイト)

■『ねこけん』オフィシャルブログ(外部サイト)

あなたにおすすめの記事

 を検索