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「あるあるが、あるすぎて、くるしい…」中2のクラス全員に50日間密着映画に反響、14歳の希望と苦悩を今映す意義

コロナ禍で奇しくも“日常”が“あの頃”に「苦しんでいる人ほど本作を観て、今の自分を肯定してあげてほしい」

 撮影をしてみて最近の生徒たちについて思ったことを聞くと、「大きい夢を語るのを恥ずかしがって、『本当はこうなりたいけど、生活もあるから』みたいに言っていたところが印象に残ってます。」と竹林監督は話す。「不安を全部払拭して願いが全部叶うとしたら、本当は何になりたい?と聞くと、本音がチラホラ出てきたりするけど、声を大にして本音を言えない空気があるのかもしれません。その一方で、昔と変わらないところは多く、特に『友達と遊ぶのが一番楽しい』と言う子は多かったですね」

 また、実際に映画を観た大人の反響には、「すごく共感した」という声と「全く共感しなかった」という2極化した声があがった。

「『楽しい思い出がよみがえった』という一方で、自分の昔を思い出して『苦しい』『つらくなった』という声も多いんです。全体に『感想を一言で言うのが難しい』という声が非常に多く、考えを整理してから感想を長文で送ってくれる人も結構いて、今まで言えなかった感情の整理をここでしてくれているというか。他にも親目線で見たという感想や、クリエイターの方たちの反響も大きく、多種多様な観方があり、観る人を選ばない作品なんだと思いました」(栗林氏)
 ちなみに、本作のキャッチコピーは“学校が、世界のすべてだった頃。”。平成最後の冬に撮影された本作は、生徒たちが気兼ねなく友達と遊ぶことができており、奇しくもコロナ禍により、そのキャッチコピーの持つ意味合いが、より切実に刺さるようになっている。

「僕自身、14歳の頃にはあまり楽しい思い出がなく、学校を結構休みがちでした。映画の撮影で教室に入るときに、思わず体が重くなるような日もあったくらいです。でも、あの頃はこんな風に位置付けられていて、上とか下というよりも、クラスという人の輪の中にいたんだということを客観的に見ることができたら、もしかしたら気持ちのしこりがほぐれたりするんじゃないかと思うんです」(竹林監督)

「僕らが最初に決めていたのは、『観た人の今を肯定する映画にしよう』ということ。彼らを見て『尊い』『頑張ってるな』と思うことは、自分の14歳の頃を認めてあげることにつながると思っていて。そういう時期を経て、一生懸命生き続けてきた今があることを感じてほしい。悩んでいる人、苦しんでいる人にこそぜひ観てほしい。タイトルに『栞』とあるのも、自分の人生の中の14歳に栞をはさんでいつでも戻れるようにという思いからです」(栗林氏)

(取材・文/田幸和歌子)

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