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子どものプラモ愛を育む場は「おじさんが守る」、最年少応募者2歳の『こどもプラモコンテスト21』主催者の想い

 三重県にあるプラモデル工房を併設した飲食店「ホビーカフェ ガイア」が今年、初の試みとして『こどもプラモコンテスト21』(@KidsPlamo21)を開催した。コロナ禍の影響でプラモデルのコンテストが軒並み延期や中止となるなか、SNSで開催告知をすると注目を集め、主催者の予想をはるかに超える294作品が応募。2月20日、審査結果が発表された。途中、応募作品に対する誹謗にも毅然と立ち向かい、子どもたちを守ったことでも注目されたこのコンテスト。主催の齋藤憲一氏に、コンテスト開催への想いを聞いた。

コンテストは子どもたちの“プラモ熱”の受け皿に

 2016年7月、小学3年生の長男がプラモデルに興味を持ち始めたことをきっかけに、「模型の相談や作業もできる席がある喫茶店をやろう」とスタートした「ホビーカフェ ガイア」。コンテストを開催したのは、子どもたちが気軽に参加できるプラモデルのコンテストが少ないという現状を受けて、「子どもたちが楽しめる場所を作りたい」という思いからだった。

「子どもが参加できるメジャーなプラモデルコンテストというと、『全日本オラザク選手権』『GUNPLA BUILDERS WORLD CUP』、タミヤの『パチッコンテスト』の3つくらい。もちろんそれ以外のコンテストも、年齢の下限がないので参加できると思いますが、模型歴何十年の大人と同じ枠で評価を受けることになる。それは子どもたちにとってハードですよね。また、先に挙げた3つのコンテストだと、【ガンプラ限定】か【AFV限定】になってしまい、フィギュアやカーモデル、航空機、艦船模型、城など、他ジャンルの受け皿になりません。各所で“子どもたちのプラモ離れ”が指摘されて久しいのに、この状況はどうなんだろうと気にかけていました。そんなときに、バンダイから『エントリーグレード』(ニッパーなどを使わず、シールも塗装もいらない初心者に優しいキット)がリリースされ、さらにコロナ禍でプラモデルが注目されているという世情が発生したことで、『どこもやらないなら、いっちょウチでやってみるか』と、昨年の10月頃から企画を始め、12月に公表しました」

大人の誹謗に毅然と対応「責任者として参加者を最大限尊重したかった」

 開催発表後、プラモ好きはもちろん、興味がなかった子どもたちも大会をきっかけに、制作を始めるなどして応募数が増え始めた矢先、ある事件が起きる。参加作品を紹介したSNS投稿に対し、「親が作って、子どもの名を借りて投稿している」「(制作に使用されているツールを)小学生が使うなんて間違っている」など心無い言葉が投げかけられたのだ。
 だが、齋藤氏は慌てなかった。誹謗を投げかけたアカウントに抗議し、該当ツイートの削除と謝罪をさせる一方、応募することを怖がってしまう子どもたちに対して、優しい言葉遣いで声明文を発表した。

悪口を言うおとなを今すぐいなくするのは、
おじさんの力が足りなくてむずかしいです。
そのかわり。
悪口を見つけたら、おじさんがそのおとなに、ちゃんと説明します。
ちゃんと話をして、わかってもらえるようにがんばります。
みなさんの、プラモデルを作ったり好きな色にするのが楽しいその気持ちと、
作ったプラモデルをみんなにじまんする場所は、おじさんが必ず守ります。
悪口を言うおとなのことはおじさんにまかせてください。
そしてみなさんは、プラモデルを楽しく作って遊んで、
それをみんなにじまんしてください。
(抜粋)

 この迅速な対応について、齋藤氏は言う。

「問題発言に対して複数の第三者による強い口調での反論展開が発生したため、皆様に『責任者はウチだから、ウチが窓口として対応します』と。イベントごとに限らず、責任者が責任の所在をはっきりさせ、それをオモテに出すというのは、有事に際しては必ず真っ先にやらなければいけないことだと考えています。
 (声明文は)すごく単純に『責任の所在とその役割』を明示しようとしたのが発端なんです。お子さまと保護者さまに『責任者として、このコンテストの場と参加してくださったみなさんを最大限尊重します』と。子どもたちに向けたテキストについては、難しいワードを避け、コミュニティの現実も踏まえ、なるべく噛み砕いて文章にした、という感じです」

 子どもたちを守るこの毅然とした態度は、メディアにも取り上げられ、結果『こどもプラモコンテスト21』は、保護者から見ても子どもの作品を安心して応募できるコンテストという認識が広まり、当初「50も集まればいいほうだろう」という主催者の予想を大きく上回る応募数を集める結果となった。

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