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Jホラーブームから20年、『呪怨』清水崇が見た現在地「粗製乱造により自分たちで首を絞めた」

映画以外のコンテンツの意義は?「ホラーとは差別と偏見を持たれてこそのジャンル」

――映画だけではなく、遊園地のアトラクションやリアル脱出ゲーム、VRなど、コンテンツとしてのホラーの広がりはどうお考えですか?

清水崇 実は僕も西村喜廣監督と、360度VRホラー『おうちに行こう』という作品を共同で監督し、今も各地で展開中です。それ以外にも、お化け屋敷の企画など、いろいろとお話はいただくので、面白いと思ったものはやっていきたいと思っています。ただ、僕はやっぱり物語を作るのが好きなので、ベースは映画の方がメインになってしまいますね。

――映画でなくとも、多くの人がホラーに触れるきっかけになるという意味では、良いことのように思えますが。

清水崇 そこはそうかもしれません。でも映像や音、物語としての映画で“共感し得る自分と別の感性”に触れて欲しいのであって、ただホラーに触れて欲しいわけでもないので、間口が広がることはプラスになるだけではないと思っていて。というのも、ホラーもだいぶ市民権を得ましたが、僕としては、ホラーとは差別と偏見を持たれてこそのジャンルだと思うんです。昔は、そういったものが観る前から観客を怯えさせるハードルとして機能していたのですが、いまはそれが薄らいでしまった。例えば、粗製乱造が過ぎた結果、ゾンビとかが単なるポップなキャラクターになってしまっているように。もっと巧妙に作らなければいけなくなっていると思います。

――最後に、『樹海村』公開に向けてひと言お願いします。

清水崇 昨年、緊急事態が明けてすぐの撮影だったので、スタッフもキャストもみんな手探りでしたが、なんとか無事に一人の感染もなく撮り終えることができました。まだまだコロナ禍で先が見えないですが、ある意味こんな時期だからこそ、感じてもらえる要素を混められた映画だと思っています。

(文:磯部正和)

映画『樹海村』

2月5日公開
監督・脚本:清水崇
出演:山田杏奈 山口まゆ 神尾楓珠 倉悠貴 工藤遥 大谷凜香 山下リオ 塚地武雅 黒沢あすか高橋和也 安達祐実 原日出子 國村隼

(C)2021年「樹海村」製作委員会

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