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藤井隆、歌手20周年 “吉本芸人のはぐれ者”を救った『ナンダカンダ』の裏側「直前まで拒否していた」

“吉本芸人のはぐれ者” 新たなジャンルへの挑戦に保守的で事務所に反発

  • 『ロミオ道行』

    『ロミオ道行』

 2002年リリースの1stアルバム『ロミオ道行』は松本隆プロデュース、そのほかにもキラ星のごときクリエイター陣が集結した名盤で、ライムスター宇多丸が「国産シティポップスの最良の遺伝子を受け継ぐ男」と絶賛するなど、今なお多くの音楽リスナーに聴き継がれている。

 近年は自身のレーベル・SLENDERIE RECORDを主宰し、数々のミュージシャンやクリエイターと交流する“音楽プロデューサー・藤井”の源流とも言える1枚だ。国民的ヒット曲を持ち、かつ通好みの音楽性も発揮。さらに俳優としては、大河ドラマや朝ドラ出演。来年放送予定のドラマ『逃げるは恥だが役に立つ SP』(TBS系)を楽しみにしている人も多いだろう。まさにマルチな活躍を実現している藤井だが、自らは「まったく器用なタイプではない」という。

 92年に吉本新喜劇でデビュー。その後、バラエティ番組に進出すると、その振り切れた強烈なキャラクターと華のある存在感で、たちまち全国区に。さらに歌手デビューが決まった頃は、宮本亜門演出のミュージカルにも出演中だった。

「今なら『ものすごく恵まれていたんだ』ということがわかります。だけど当時の私は保守的で、新しいジャンルの仕事にチャレンジさせようとする会社に『新喜劇をやりたくてここにいるのに、なぜ?』と反発したこともありました。尊敬する先輩や仲間の芸人とはまるで違う仕事に取り組まなければならず、当然うまくいかないことも多く、戸惑ってばかりでした」
 "芸人の片手間"ではない、本腰を入れた音楽活動もその1つだった。もともとは熱心な音楽リスナーだったことも、当初は「歌手デビュー」を拒否した理由だった。

「わりとキチンとした意思を持って『できません』と言ったんです。『ナンダカンダ』の歌詞をいただいて、自分がこんなステキな言葉を歌える人間だなんて、そんな図々しいこと思えなかったですから──」

 1つ1つの物事に真面目に向き合う生来の実直さが、当時の彼自身を苦しめていた。それでも不器用なゆえに、ひとたび受けた仕事は手を抜くことなく全力で取り組むことしかできない。並みいる現場のプロたちを本気にさせたのは『ナンダカンダ』MVにも収められた汗に象徴される、そんな藤井の一生懸命さがあったからだろう。

「ギリギリまで『無理です』『できません』と言い張って、本当に臆病で面倒くさい人間だったと思います。それでも諦めずに口説いてくださり、現場では厳しくも優しく支えてくださった。今、自分が音楽の仕事に対峙して『頑張らなければ』と鼓舞するときには、必ずあの頃のレコード会社のみなさんの顔が浮かぶんです」

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