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「もう俺たち…新鮮味がないんだよ」男性マンガ家が描く不倫、男女の考え方の違いに葛藤も

 学生結婚をした“友だち夫婦”が、夫の一度の浮気と妻への「お前も浮気してみたら?」というひと言から2人はすれ違っていく。そんな実話をもとにしたというウェブマンガ『夫に恋してよかったの?〜おまえも一回浮気してみたら?っていわれた〜』が話題を集めている。同作を手がけた間部正志さんに、“男性視点”で不倫マンガを描く心境と、不倫とエンタメの親和性について話を聞いた。

エンタメとしての“不倫マンガ”は「すごくおもしろい」

――いま、不倫をテーマにした多くのエンタメ作品が人気です。不倫とエンタメの親和性の高さを感じることはありますか?

【間部正志さん】不倫物語には憎愛のドラマがあるので、ストーリーを作るうえでいろいろ仕掛けることができるんです。登場人物たちの物語を華のある展開にできる、というところが根っこにあるのではないでしょうか。そういう状況の男性、女性それぞれの感情に足を踏み入れることができるのは、創作漫画を描く漫画家という立場では、すごくおもしろいです。

――『夫に恋してよかったの?〜おまえも一回浮気してみたら?っていわれた〜』は、間部さん、男性編集者、原作者のくすみ李央さんという男女混合の3人チームで練られたそうですが、意見の相違や不倫感のぶつかりあいなどはありませんでしたか?

【間部さん】女性読者に向けた作品であり、3人とも「不倫を肯定する作品ではない」という意識は一致していました。ただ、それぞれ考え方が違いますから、試行錯誤した部分はあって、ストーリー作りでの葛藤はありましたね。
 さまざまな事情や感情があるので、“不倫=即離婚”という全否定ではない。女性主人公の喜怒哀楽といった感情の機微の部分で、3人の捉え方の違いはありましたが、それで主人公がどういう方向に進むのかは、ストーリーのおもしろさとの兼ね合いも含めて議論を重ねました。最終的には、くすみさんの女性ならではの感覚が重視されています。

――主人公の旦那は、浮気の証拠を突き付けられても「一回だけ」と開き直ってひどい態度です。

【間部さん】男って、深い考えもなしに無神経なことを言ったり、やらかしてしまったりすることがたくさんあるんです。その典型的なタイプですね。読者にはこの旦那に存分にイライラしてもらって、その対比で主人公に共感してもらったり、ハラハラしてたりしてもらえたらと思います。

夫婦間は対等、「わかろうとする心がけが必要」

――『夫に恋してよかったの?〜』を描きはじめた経緯を教えてください。

【間部さん】これまで男性向けの青年漫画誌の連載を主に手がけていましたが、出版社から電子書籍の企画をいくつかご提案いただいたことがきっかけです。青年誌で恋愛や人物の描写をするときに、“男性向け青年誌”ならではの制限みたいなものを感じていたので、「夫婦のすれ違いや浮気をテーマにした女性向けのストーリー」というテーマで、女性の感情の機微など繊細な女性描写といった、これまでは描けなかった部分に向き合っていくことに興味がありました。

――不倫作品は女性作家が描いているイメージがあります。男性が手がけている作品は少ないのでは?

【間部さん】そうかもしれませんね。多くの作家さんがいて、とくに電子書籍ではコンテンツのボーダーレス化が進んでおり、ジャンルも表現の仕方も広がっていくなかで、いまは読者=受け手側の柔軟な心理もうかがえます。ジャンルの伸びしろがあるので、今後は男性視点の浮気や不倫ものを、女性が楽しく読むというスタイルも増えていくかもしれません。

――この先、電子書籍で描きたいテーマはありますか?

【間部さん】恋愛ものにしても、描写が紙よりもシビアだったり、ストレートに踏み込める部分が広かったりする気がしているので、そこを積極的に攻めていきたいと思っています。今後の作品はいろいろ練っていますが、男性向けにシフトしたラブコメを描いてみたい。実は純愛ラブコメが好きな男性は幅広い年代で多いんです。女性のほうが、借金や暴力といった闇の部分の話が好きかもしれませんね(笑)。

――『夫に恋してよかったの?〜』は本音で話せないすれ違い夫婦が描かれますが、伝えたいメッセージは?

【間部さん】夫婦間は対等であり、女性が泣いているだけではない姿を映していることがキーポイントです。不倫した夫が制裁を受けるだけでなく、女性の意識が変わっていく部分を見せたい。男女はどこまでいってもわかりあえない部分はあるかもしれないけど、わかろうとする心がけみたいなものは持っていないといけないと思います。
『夫に恋してよかったの? 〜おまえも一回浮気してみたら? っていわれた〜』
本当にこの人が夫でよかったんだろうか?岸田竜也とみずきはハタチで学生結婚、15年間モラトリアムな「友達夫婦」として暮らしてきた。映像作家を志望していた竜也が正社員で勤めだし、みずきも妊活をスタート。モラトリアムを脱却しつつある中、夫婦の絆が幻だったことに目をそらしていたことに気づくみずき。竜也が職場の後輩との浮気を肯定し、みずきにも一回浮気してみたら?と提案したことで、夫婦それぞれのすれ違いが加速する!
●ぶんか社のスマホ専用サイト『マンガよもんが』(外部サイト)にて連載中

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