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「ボロボロ」「妖怪のよう」悲しい末路たどる猫たち、地域猫活動の裏に“救えない”ジレンマ

「地域猫の最後はこうなる」、利点と弊害

 地域猫の活動をいち早く取り入れたのは、東京都の千代田区と言われているが、同様の活動はほかの地域でも数多く行われている。猫を愛する人たちによって行われる活動であり、殺処分の減少にも一役買ってきた。だが一方で、糞尿被害など住民間でのトラブルが生まれることもある。それらが発展して、動物虐待にまでつながってしまう場合もあるのだろう。だからこそこの活動では、地域住民の理解、不妊・去勢手術、エサの管理、トイレの設置などを掲げていることが多い。

 活動で救われる命があることは確かだが、虐待の被害、病気や事故などで保護されてくる地域猫も後を絶たない。溝上氏は地域猫活動を理解したうえで、外にいる猫にはやはり危険が伴うことを心配している。『にどみちゃん』を保護した際、溝上氏と猫にエサをあげていた人との会話がブログに残されている。

 「『こういう状態になってしまっていたのに、どうにかしてあげようとは思わなかったんですか? たとえ地域猫であっても、ご飯をあげているんだったら、きちんとケアをしてあげるべきじゃないんですか?』と、聞きました。するとその人は、『それがこの子の運命ですから』とおっしゃっていました」

 「運命」と言ってしまえば冷たいように感じるが、とはいえ誰もが家の中で猫を飼えるわけではないし、すべての猫を保護することは難しい。地域猫は自由を謳歌しているように見えて、実は生命の危険にさらされていることも確か。これらの矛盾を、保護ボランティアがなんとか是正しようとしているのが現状だ。溝上氏も、「運命を変えたい」、「地域猫の最後はこうなってしまう、それを知ってほしい」と語る。以前より動物愛護の精神が根付いてきた昨今だが、今こそ現状を受け止め、真剣に向き合うべきときなのかもしれない。

■NPO法人『ねこけん』(外部サイト)

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