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お笑いにおける“天下取り”の条件は? 基準の変化と第七世代が「天下」狙わない理由

  • これまでお笑い界の天下を取った芸人たち

    これまでお笑い界の天下を取った芸人たち

 萩本欽一やビートたけし、ダウンタウンなど、お笑い界で「天下取りを果たした」と自他ともに認めるレジェンド級の芸人たち。だが現在、その「天下取り」の基準があいまいになっているようだ。昨今話題になっている芸人たちも、ブレイクこそしているが「天下を取った」と満場一致で認められている芸人は限りなく少ない。歴代の天下取り芸人たちの変遷をたどりつつ、その基準の変化と現状で天下取りに最も近い芸人を探ってみたい。

各局に冠番組を持ち、多くのフォロワーを生み出す…歴代芸人たちの系譜から探る“天下取りの条件”

  • ザ・ドリフターズのメンバーであった志村けん(C)ORICON NewS inc.

    ザ・ドリフターズのメンバーであった志村けん(C)ORICON NewS inc.

  • ビートたけし(C)ORICON NewS inc.

    ビートたけし(C)ORICON NewS inc.

 テレビの普及率が一気に上昇し、一家に一台が当たり前になった70年代。お笑い界を席巻し、天下を取ったのが萩本欽一とザ・ドリフターズだった。コント55号でブレイクした萩本は、コメディアンが司会をするという前例がなかった時代に、歌番組の司会も務めるほどの人気者に。自身が企画・主演する人気バラエティ『欽ドン!』(フジテレビ系)『欽ちゃんのどこまでやるの!』(テレビ朝日系)も軒並み高視聴率を記録し、1週間に持っていた冠番組の視聴率の合計が100%を超えたことから“視聴率100%男”の異名がついた。

 一方、ザ・ドリフターズは、日本のバラエティ番組の歴代最高視聴率50.5%を記録した『8時だョ!全員集合』(TBS系)で社会現象を巻き起こし、「最初はグー」や「ちょっとだけよ」といった現在まで残る常套句を世に残した。

 80年、そんな萩本とドリフに対抗心むき出しで挑み、台頭してきたのがビートたけしだ。漫才ブームの火付け役となり、明石家さんまとともに『オレたちひょうきん族』(フジテレビ系)で一世を風靡。『笑っていいとも!』(フジテレビ系)でお昼の顔として人気となっていたタモリとともにBIG3と呼ばれるようになった。それぞれが冠番組を増やすとともに、さんまは俳優としてトレンディードラマに出演、たけしは歌手活動や小説出版、タモリは『NHK紅白歌合戦』の総合司会を務めるなど、多岐にわたる活躍でトップスターの座に君臨した。

 とんねるず、ウッチャンナンチャン、ダウンタウンは、平成に入り、BIG3を凌駕する勢いで頭角を現す。自分たちの芸を「素人芸」と公言してはばからなかったとんねるず。学生ノリの延長と言われるような一発芸やモノマネネタ、内輪ネタをテレビに持ち込み、パンクチュアルな存在として若者の心をつかみ、歌手としても人気者に。ウッチャンナンチャンは、数々のコントとシチュエーションドラマで高視聴率をマークした深夜番組『夢で逢えたら』(フジテレビ系)で人気に火がつき、以後、多くの冠番組を持つように。同番組で共演したダウンタウンも、革新的な漫才で一世を風靡。さらに『ダウンタウンのごっつええ感じ』(フジテレビ系)は裏番組の『天才・たけしの元気が出るテレビ?』(日本テレビ系)に視聴率で追い抜き、BIG3同様、それぞれが先人たちとは違う独自の笑いを追求し、天下を取った新世代の総称として「お笑い第3世代」と呼ばれるようになった。
  • ナインティナイン(C)ORICON NewS inc.

    ナインティナイン(C)ORICON NewS inc.

  • 有吉弘行(C)ORICON NewS inc.

    有吉弘行(C)ORICON NewS inc.

 次に続いたのが、「とんねるずを目指そう」と結成されたナインティナイン。ダンスとお笑いを融合したユニット・吉本印天然素材のメンバーとして東京進出を果たし、人気を得ていった2人は、『ぐるぐるナインティナイン』(日本テレビ系)『めちゃ?イケてるッ!』(フジテレビ系)など、15年以上続いた冠番組を世に残した。

 他にも各世代で天下を取ったといえる芸人たちが存在するが、彼らに共通するのは、誰もが知る“冠番組”を各局に持ち、世間に多くのフォロワーを生む“影響力”を持っていたことだ。例えば『欽ドン!』は、バラエティ番組が作り出す企画ユニットの元祖的存在・イモ欽トリオを誕生させ、企画ものとしては異例の160万枚という大ヒットを記録。『オレたちひょうきん族』は、視聴率の高さから長きにわたり“お化け番組”と称されていた裏番組の『8時だョ!全員集合』の打倒を目指し、見事、視聴率争いに勝って終了に追い込んだ。また、MCを務める番組が軒並み高視聴率を獲得していたダウンタウンは、浜田雅功のファッションをマネする「ハマダー」と呼ばれるフォロワーをも生み出した。ちなみにこの名は、安室奈美恵をマネする「アムラー」に対して名付けられたものだった。

 このように“冠番組”と“影響力”という条件でお笑いの天下取りを考えると、昨年、NHKと民放キー局すべてで冠番組を持つという前人未到を達成し、「テレビで観ない日はない」という存在になった有吉弘行も、近年、天下を取った一人に挙げられるだろう。

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