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“地味”だからこそ強い? 暗い状況すらも笑いに変える『地味ハロウィン』の強度
『地味ハロ』がリアルの開催にこだわった理由は、互いを褒め合う「なまぬるさ」
例年、渋谷で開催していたが今年の開催地は二子玉川の「iTSCOM STUDIO & HALL 二子玉川ライズ」。この“リアル参加”に加え、リモートで参加者と会場スクリーンをつなぐ“リモート参加”。ほか、ハッシュタグ #地味ハロウィン #DPZ のふたつをつけて写真を投稿する“Twitter参加”で行われる。
各地のハロウィンイベントが中止になるなか、“リアル参加”にこだわった理由は何か。林氏は「インターネットでの開催とは違う“生ぬるい世界観”が会場にはあるから」と話す。「ネット開催一本化も考えましたが、会場が一番面白い。会場では皆、参加者なんです。評論家はいません。『地味ハロ』は、とんちの利いた――アイデア一つで勝負できる──仮装が多いのですが、ネットのみで開催すると“面白い”“面白くない”という批評の対象になりやすい。参加者がああだこうだと言われるだけのイベントにはしたくないんです」(林氏/以下同)
昨今はSNSの炎上、誹謗中傷など、インターネットのネガティブ面も問題視されている。顔と顔を突き合わせないでコミュニケーションであるため、辛辣なコメントを言いやすい。だが“リアル参加”ではお互いの“顔”が見える上、参加者全員が“批評対象”。悪口を言う人は皆無なのだ。「お互いがお互いを『それ良いですね』『地味ですね』と、褒め合う“なまぬるさ”こそ『地味ハロ』の楽しみ。多少つまらない仮装でも、皆に褒められて良い気分で帰る。リアルの場が持っているこの良さを、規模を小さくしてでも続けていきたいと思いました」
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コロナ禍が追い風に?リモート参加により海外の“地味な人”にも脚光が
また人数も会場のキャパシティの半分で行い、椅子も一つおきでソーシャルディスタンスを。壇上以外ではマスクは必須。検温、アルコール消毒など徹底して行う。「会場がスカスカで、さみしい開催になってしまいますが、どうせ“地味”なイベントだから、その“地味さ”を売りにすればいいかなと思い始めまして(笑)。東京の最果てでやるのも、盛り上がった感じがないのも『地味ハロ』だから許される。今年は『地味ハロ』の名に恥じない“地味”なハロウィンをやります!」
リモート開催は初で、林氏はここにも可能性を見出している。「海外に住んでいる日本人からも参加表明が来ているんです。リモートで行うことにより、これまで時間的にも距離的にも会場に来られなかった人たちが参加できるようになった。Twitterはこれまで会場に来てくださっていた参加者が自らアップしたりしていましたが、それだと写真の背景はどうしても“会場内”になっていた」
「ですが今回のTwitter参加では、撮影場所も自由。例えばスターバックスの店員の仮装をしてドトールの前に立つことも可能で──もちろん店内にまで入るのは迷惑になりますが──、場所を含めてネタを作り込むことができる。“会場に来なきゃ”というタガが外れたことでより自由度が増し、完成度の高い仮装も増えるかもしれません」
コロナ禍ならではの仮装にも期待を寄せる。「過去にアイスクリームの箱のなかに入った仮装などもありまして、そうして箱などを利用した“セルフソーシャルディスタンス”で、「これならマスクもいらないじゃん」という仮装も出てくるかもしれない。あとは米大統領のトランプ支持者の仮装とか。彼らはなぜかそもそもマスクをしてませんからね(笑)。コロナ禍で暗い話題の多いなか、その暗い状況すら笑いに変えられるものがあったらうれしく思います」