ORICON NEWS

K-POPネイティブ世代の台頭で変革するアイドル市場 もはや日本デビューを望まない若者たち

TWICEだけではない、韓国デビューする日本人アイドルたちが続々

 韓国大衆文化ジャーナリストの古家正亨氏は、「僕が教えている大学の生徒には、K-POPアイドルになりたいという学生が多くいます。その理由を聞くと、日本にいても世界を目指せないと言いますが、そこに今の若い世代の想いが集約されている気がします」(2017年12月29日/ORICON NEWSより)と語っている。それは、世界で活躍するBTSやBLACKPINKといったK-POPアーティストのパフォーマンスや、国境を超える躍進ぶりを目の当たりにした若者ならば当然といえる反応かもしれない。

 そうした傾向は近年顕著に現れており、K-POPグループで活躍する日本人メンバーは増える一方だ。TWICEやIZ*ONEだけでなく、東方神起を輩出したSMエンタテインメントでもNCT 127には大阪出身のユウタ、BIGBANGが所属するYGエンタテインメントでもTREASUREのメンバー12人のうち4人が日本人。ほかにも、PENTAGONのYUTOや、韓国のオーディション番組『PRODUCE 101 シーズン2』に出演した高田健太もユニット・JBJ95で活動している。さらに公園少女のミヤや、Cherry BulletのKOKORO、REMI、MAYの3人など、数えれば枚挙にいとまがない。

 その背景には、アイドルやアーティストを目指す若者たちの多くが、もはや日本ではなく、韓国の芸能事務所で練習生として経験を積むことをデビューへの近道として認識している現状がある。実際、「Nizi Project」の参加メンバーにも、オーディション参加前にJYPエンターテインメントやYGエンタテインメントの練習生として経験を積んでいる。また、TWICEのメンバー・ミナを輩出した大阪のURIZIPをはじめ、韓国デビューを目指す若者を対象とした日本の養成所やスクールも増えており、多くの優秀な人材が集まりはじめている。

 会いに行けるアイドルグループ・AKB48をはじめとするトップグループのほか、ローカルを地盤にする地方アイドル、ライブハウスでの公演と物販で活動する地下アイドルまで、飽和状態となった日本のアイドルシーン。それぞれがそれなりに成立する支持を受けたことで、数を打てば当たる大量生産の時代に似たりよったりのグループが多く生まれ、一部を除いて良質な人材が生まれにくい環境を生んでしまった。また、トップグループにおいても、国内でビジネスが成立しているがゆえに、あえて世界を目指すことに本腰を入れてこなかったことが、内向きの現状につながっている。

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