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『半沢直樹』、不気味な余韻をかもす音の演出に“病みつき” 視聴者を惹きつける「音効」

  • 『半沢直樹』(C)TBS系

    『半沢直樹』(C)TBS系

 放送開始とともに、早くも今年No.1の話題作となっている日曜劇場『半沢直樹』(TBS系)。そんな本作で惹きつけられるのは、服部隆之作曲のメインテーマのほかに、10分置きに鳴り響く「ドーン」という効果音をはじめ、書類を投げつける音や肩をたたく音といった日常音の音効だ。病みつき感のある本作の音効について、ドラマ音楽を研究する早稲田大学招聘研究員の柿谷浩一氏は、「オーバーアクションの演技を攻撃的な音効で緩和。作品全体のサウンドデザインが非常に優れている」と指摘する。

7年かけて培った『日曜劇場』による音の演出

 いまやすっかり定着した感がある、TBS『日曜劇場』の重厚な音楽と過剰なまでの音効。前シリーズとなる2013年の『半沢直樹』からスタートした一連の“池井戸潤原作ドラマ”と“服部隆之音楽”の組み合わせが、同枠のイメージとなって浸透している。

「この7年間の『ノーサイド・ゲーム』や『陸王』といった作品で、それを積み重ねてきた結果ですよね。劇伴の音楽と音効も、時代劇やNHK大河ドラマのような圧倒的な臨場感と迫力があります。大きなインパクトをもって視聴者のイメージに刷り込まれているので、同じ音楽体験を渇望している人も多いと思います」(柿谷浩一氏)

 そんな日曜劇場の代表作『半沢直樹』だが、今期もオンエアと同時にSNSでは“半沢祭り”となり、おなじみの決めセリフからキャストの表情や仕草まで、実に細かな部分まで話題が盛り上がっている。そうしたなか、音効も俎上に載せられており、例えば、ドアを締める、書類を投げつける、机をたたくといった日常のアクション音の音効が“病みつきになる”と楽しまれているようだ。

「2話目の後半に、仲間が証拠書類を部長のデスクから盗むシーンがありました。その音効で、まず見つかる瞬間に“ドーン”と鳴り、書類を奪われ窮地に陥った時にさらに大きな音で“ドーン”。そして、半沢たちが扉を開けたときに“バーン”と、たたみ掛けるかたちで音を重ねていました。証拠を得る側と、それを得て乗り込む側。2つの現場の不安と緊張、確信と怒りといった人々の心情の高まりを、三段活用のように見事に音でリンクさせた上手い演出でした。

 それに、そんなに特徴的な音効なのに、作品全体の映像と音のバランスで見ると安定しているんです。『半沢直樹』というドラマでなければ、あの日常音の音効は明らかにうるさいですよ(笑)。でも振り切った音効があることで、不自然に感じない。ドラマ全体のサウンドデザインが非常に優れているんです」(柿谷氏)
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