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「映画に裏切られたことは一度もない、信じているので」永瀬正敏が映画界の”未来”に関わる理由

「これからも映画は光に満ちている」アフターコロナで“新しい形”をつくる決意

――連ドラのご出演は『私立探偵 濱マイク』(2002年)以降、WOWOWプライムの『かなたの子』(2013年)だけですね。ドラマや舞台でなく、映画をメインに活動されることにはやはりこだわりがあるのでしょうか。

永瀬:僕自身は分けて考えているわけでは全然なく、生んでもらった現場がたまたま映画だっただけなんですよ。映画をやれない期間はテレビにすごくお世話になっていましたし、教えていただいたこともたくさんありました。ドラマも機会があればぜひやらせていただきたいですが、なかなかオファーがなくて(笑)。

――テレビドラマで永瀬さんのお芝居を観たい方も多い気がしますが。

永瀬:もう一つ、映画の場合、先々のスケジュールを言われることもありますね。試したことはあるんですけど、僕はお芝居を同時にできない、違う役を同じ時期にできないので、例えば「来年の秋に」と言われたら、そのあたりのスケジュールを丸々あけることになるんです。でも、映画では「あれ、なくなりました」「延期になりました」とか突然、平気で言うじゃないですか。僕はお話をいただいた順番に出演させていただくことにしているので、その時点ですでに他の仕事が入っていて、お断りせざるを得なくなることもあるんです。

――映画ならではのスケジュールもあるわけですね。いまの映画界に危惧されていることはありますか。

永瀬:今は映画界だけではなく、どの職業も大変ですよね。世界中が大変な時です。僕は今まで以上に自分の職業=役者を真摯に全うしていくことが大切じゃないかと思っています。皆さんがそうなさっているのと同じで。僕は今まで、映画に裏切られたことは一度もない。映画を信じているので、映画界については心配していません。今作り手の僕たちが映画を信じないでどうする!と思います。でもそこに甘んじるのではなく、僕たちは良い作品を作り続けなきゃいけない。わざわざ劇場にお客さんに来ていただくわけですから。

 アフターコロナで新しい基準ができざるを得ない部分もあるかと思いますが、そこは粛々と受け止めつつ、僕たちは手を取り合って互いに補いつつ、さらに素晴らしい作品を残していかなければいけないと感じています。日本だけでなく、海外の人も一緒にとか、新しいものができる可能性に期待しますね。映画業界を目指してくれる若い人たちや未来を支えてくれる子どもたちに「映画やりたい」「お芝居やりたい」と思ってもらえないと困るので、僕らが責任をもって新しいかたちを作っていかなければと思います。

――映画というカルチャーを今後どのように伝えていきたいですか。

永瀬:先輩方がたくさんいるので、僕なんかが言って良いのかな……でも、間違いなく言えるのは、映画は、時代も国も超えるということ。それを感じた出来事があって。ベルギーに初めて行ったとき、古着屋さんに行ったら、僕の映画のでっかいポスターが貼ってあったんですよ。そしたら店員さんが気づいてくれて、(ポスター指さしながら)「もしかしてこの人? 僕、この映画大好きなんだ」と言うんです。たまたま旅行で行って、たまたま好きな古着を見に行ったときだったので、びっくりしてしまって。僕らが国内外の大先輩の映画で感動するように、言葉が通じなくても映画という「共通言語」が必ずある。これからも映画は光に満ちていると僕は信じています。
(取材・文/田幸和歌子)

映画『二人ノ世界』

「迷惑かけんとウチらにどないして生きい言うんや」
「何もできひんいうだけで、全部諦めなあかんのかな?」
全てを失った男と、目の見えない女との、二人だけの世界の物語。

本作は第10回日本シナリオ大賞佳作受賞作「二人ノ世界」の映画化作品。
京都芸術大学の20代の新鋭スタッフ達と共に製作されました。

監督: 藤本啓太
出演: 永瀬正敏、土居志央梨、 牧口元美、 近藤和見、 重森三果、宮川はるの、木村貴史、ミズモトカナコ
プロデューサー:林海象、岡野彰、片岡大樹、藤本政博
原作:松下隆一/小説「二人ノ世界」(河出書房新社)
配給:エレファントハウス
共同配給:イオンエンターテイメント
(C)2020『二人ノ世界』製作プロジェクト

2020年7月10日(金)よりイオンシネマにて公開中

公式サイト :https://zounoie.com/2020/06/26/post-891/(外部サイト)
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