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『egg』最後のガングロギャル、コロナ禍でも保育士として奮闘「保育業界の現実を発信したい」

 ギャル雑誌『egg』の復活など、ギャルブームが再燃しつつある昨今。かつての“元ギャル”たちも、様々な分野で活躍している。現在28歳の宇津木秀美さんは、『egg』が休刊し、ガングロが廃れた頃に黒ギャルとして過ごし、「生きた化石」と呼ばれた世代。今は保育士として働いているが、当時のマインドはしっかり役立っているとか。コロナ禍で苦境に立っている保育業界の中で、元ギャルらしく信念と誇りを持って働く宇津木さんの思いとは?

保育の専門学校に黒ギャルが1人…「卒業写真はシルバー盛り髪」

  • ギャル時代の宇津木さん(写真:本人提供)

    ギャル時代の宇津木さん(写真:本人提供)

――宇津木さんのギャルへの憧れは、小学生時代に遡るそうですね。

【宇津木さん】はい。『GALS!』という少女漫画の主人公・寿蘭ちゃんのファッションがとても可愛くて、子どもながらにヘソ出しキャミソール、厚底サンダルといった安室ちゃんみたいなギャルファッションを真似していました。当時からハロプロも大好きだったので、矢口真里さんのコギャルコントを見て、少女漫画が実写化したような衝撃を受け、ギャル好きにさらに拍車がかかりました。

――中学、高校はどんな感じでした?

【宇津木さん】校則が厳しかったので、休日だけウィッグをつけたり、黒髪で盛り髪をしたりして、できる範囲でギャルファッションを楽しんでいましたね。特にガングロギャルへの憧れが強かったので、部活(テニス)中も日焼け止めを塗らず、むしろオイルを塗って肌を焼いていました(笑)。

――激しめのギャルに憧れがありながらも、ルールは守っていたんですね。

【宇津木さん】そうですね。親から「勉強や部活をしっかりやるなら、自分のやりたいようにやってもいい」と言われていたので。そのリミッターが外れたのは、専門学校に入ってからです。校則がなくなって自由にギャルファッションが楽しめるようになりました。自分のギャル度がどこまで通用するのか挑戦してみようと、雑誌『egg』の読者ページ、写メ投稿広場に投稿してみたんです。編集さんからスナップに来ませんかと声をかけていただいたときは、「やった、通用した!」と、めちゃくちゃうれしかったです。

――宇津木さんは現在、保育士さんとして働いているということですが、保育の専門学校にもギャルファッションで通っていたんですか?

【宇津木さん】はい(笑)。黒ギャルは私しかいなかったので、完全に異端というか、浮きまくっていました。卒業式のときも、最後の花道だし、シルバーの盛り髪で出ようとしていたら、学校側からストップがかかったんです。それでも自分のギャル精神を貫きたくて、「ダメなら卒業式は出ません」と抵抗したら、最終的には認めてもらえました。卒業式の集合写真を見ると、1人だけ様子が違う人が混じっています(笑)。

――ちなみに、専門学校で友だちはいましたか?

【宇津木さん】いました! 私、見た目的には異端児でしたが、しゃべると普通なので(笑)。話したら、意外といいやつ! みたいな感じに思ってもらえて、学校では普通に友だちと楽しくやっていました。スナップで『egg』に出たときも、「見たよ!」と声をかけてくれたり、先生がコンビニで雑誌を買ってくれたりして、みんなで応援してくれていたんです。テストなど勉学には励んでいたので、中身を知ってさえもらえれば、学校生活にも問題はなかったです。

ハーフの自分が対峙した違和感と偏見、「子どもたちは別け隔てなく接してくれた」

――宇津木さんは現在、28歳。ギャルをやっていた7、8年前だと、ガングロってかなり数は少なくなっていましたよね? それこそ、ラストオブ黒ギャル的な感じでは?

【宇津木さん】ええ…。『egg』も2014年に休刊になってしまい、とても悲しかったです。でも、最後を飾れたのは、ある意味よかったのかなと。その後、私のブログをを見てくれていた方から、テレビなど雑誌以外の媒体からも声をかけてもらうことが増えたんです。

――黒ギャルと保育士、まったく真逆なイメージですから、すごく新鮮です。保育士を目指したのは、いつぐらいなんですか?

【宇津木さん】小学生の頃からです。その頃から、私はハーフであることで浮いてしまい、それに違和感を抱いていて。でも、職業体験で保育園に行ったときに会った子どもたちは、当たり前のように別け隔てなく自然に接してくれた。小さな子たちがこんなふうに接してくれるのなら、そんな職場で働きたい、と思ったんです。子どもたちと関わりながら、自分のような違和感を抱かせない、そんな空間を作れたらいいなと。

――他の職業には興味はわかなかった?

【宇津木さん】実は、ギャルライフを満喫していく過程で、美容師さんやショップ店員など、ギャルらしい職種に憧れたこともあったんです。でも、黒ギャルをしていた当時は差別というか、「生きた化石」と言われたり、否定的な扱いを受けたりもして、また同じ悩みにぶち当たってしまった。小さい頃から感じていた違和感、偏見に再び遭遇したことで、「保育士になりたい」という初心に返ったんです。

――マインド的な部分で、強めの黒ギャルに惹かれた要素というのは?

【宇津木さん】私にとってのギャルは、意志が強い、軸がぶれないというイメージが強い。世間の大半の人って、人の目を気にする“他人受け”な傾向にあると思うんですね。でもギャルは、基本的に“自分受け”が第一。自分が好きなこと、自分の気持ちがアガることを優先します。そんなギャルマインドは今も変わらず、自分の中で大事にしている部分でもあります。

――ギャル全盛期、ギャルメイクにすると自分に気合いが入ると言っていた子もいました。

【宇津木さん】ギャルの中には、もともと自分にあまり自信が持てないという子もいます。私も、自分の顔にコンプレックスがあったので、濃いメイクで変身できるのが楽しかった。メイクが仮面的な役割をしてくれて、それで自信をつけていた部分もあります。外側から固めていくことで、自分を強くしていたのかもしれません。

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