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30周年のチキンラーメン・ひよこちゃん、悪キャラに自虐まで…シュールを追求したSNS戦略のワケ

リスクを恐れず攻めの一手、議論の場を作るSNS戦略

 最近ではブラックな一面や自虐的な発言が話題になっている。その反響は、必ずしもすべてが好意的なものではないようだ。「ポジティブなものだけでなく、さまざまなご意見が寄せられます。そうしたご意見に対し、配慮を欠いてはいけないですし、かといって、腰が引けてしまってもいけないと考えています。そういったバランスを上手く保つのが最も難しいところです」

 では、自虐やブラックネタなど、SNS投稿におけるOKとNGのラインについて、日清食品はどう線引きしているのだろうか。「見られる方が不快にならず、共感できる内容であるべきだと考えています。ただ、他ブランドも含め、そのギリギリのラインを越えてしまうことも少なくないのですが…(苦笑)」。越えてしまうことを恐れて安全圏にとどまるのではなく、果敢にそこを攻めて、ときには超えてしまうこともあるのが、「SNSで話題化することを常に意識している」という同社ならではのスタンスなのだろう。そういった攻める姿勢だからこそ、話題作を数多く生み出し、バズを巻き起こし続けることができるのだ。

 場合によっては批判の対象にもなりかねないなか、攻めを貫く姿勢は変わらない。その根底にあるのが、100年続くブランドを目指していくときに不可欠となる、若年層の継続的な取り込みだ。ロングセラーブランドである『チキンラーメン』の知名度は、老若男女を問わず非常に高い。しかし、“知ってはいるけれど、気づけばあまり食べていない”という若い世代もいるだろう。そこを切り崩すために、批判を恐れるばかりではない、若者目線の攻めたアプローチを続けている。

「若年層に振り向いてもらうためには、これまでのイメージや慣例を壊してでも、ブランドを若返らせる必要があります。ブランドが築き上げてきたものを理解したうえで、攻めるべきときには攻め、変えるべきものは変えていく。お客さまが店頭でインスタントラーメンを買おうとする瞬間に、数ある商品の中から日清食品の商品を想起して手にとってもらわなければならない。そのためには、さまざまな尖ったコミュニケーションを通じてお客さまとブランドの接点を増やし、脳に印象的なイメージを刻み込んでいく必要があるんです」

 かわいらしいフォルムと表情が愛される一方、SNSなどで時折見せる、感情の起伏や意外な変化が、ギャップや驚きとなってキャラクターとしての厚みを増し、多くのユーザーを惹きつけている。時代と共に移り変わる社会において、その本質を風刺も含めて映し出す日清食品の“攻めた”メッセージが、今後も世代を超えたファンを増やしていきそうだ。

(文/武井保之)

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