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“美しさを求める男性”の増加 世の中への広がりとは?

  • 『uno』担当・林 詩遥子

    『uno』担当・林 詩遥子

 りゅうちぇるやMattなど、女性顔負けの本格的なメイクをした人気タレントの影響や、SNSでの自撮りといった自身の顔の露出増加なども相まって、男性の美に対する意識が変化してきている昨今。化粧品メーカー最大手の資生堂では2018年から「男性・美容意識実態調査」を行っているという。そこで、実際に男性用スキンケアといった化粧品アイテムを展開している資生堂のメンズブランド『uno』担当・林 詩遥子さんに、現代の男性の美意識に対する変化について聞いた。

スキンケアをしている男性は3割も、「メイク用品への潜在的なニーズはある」

 「全体の3割ぐらいの男性が化粧水などのスキンケア商品を使用しているということが弊社の調査でわかっています。10代、20代の若者の方がスキンケア使用率が高く、時代の変化とともにスキンケアへの意識も高まっているように感じます。実際にスキンケアの売り上げは発売当初と比べて確実に伸びていまして、わたくしどもも正直驚いております」。
 同ブランドは、2019年の3月に男性の肌悩みをカバーするBBクリームの『ウーノ フェイスカラークリエイター』を発売。年間で40万個ほどの出荷があり、予想を大幅に上回る売り上げだったという。2020年の3月には、カバー力のアップしたBBクリーム「ウーノ フェイスカラークリエイター(カバー)」と、眉バランスを速攻で整える「ウーノ バランスクリエイターを追加で発売した。

 「当時、各店舗で品切れになるのではないかとヒヤヒヤするぐらいの反響をいただきました(笑)。購買者層を年代別に分けたところ、若年層の方だけではなく、40代以上の男性も多く購入いただいたことが分かりました。年齢を重ねれば重ねるほど“シミを隠したい”“シミを無くしたい”といった具体的な肌の悩みが増えてくるようで、速攻で肌悩みをカバーできる効果を期待していると言えます」。

CMでの訴求が“化粧が普通のこと”と受け入れられた要因にも「私たちも挑戦だった」

 BBクリームやアイブロウを発売する前は本当にニーズがあるのか半信半疑だったという。だが思い切って商品化に踏み切ることができたのは、男性用スキンケア商品の売り上げが少しずつ伸びている実績があったからこそ。更に人気俳優を起用したCMも大きな効果をもたらしたと言える。

 「男性のBBクリームでCMを打つことが初めてだったので、正直費用対効果は未知数でした。なので弊社としても挑戦だったんです。“BBクリームはみんなが毎朝やっている習慣なんだ”という認識を全国的に広めるためには、CMで大々的にアプローチすることが必要不可欠だと考えました。CMでは窪田正孝さんが朝お仕事に行く前にささっと簡単にクリームをつけていますが、使い方や使うシーンの分からない男性にとって自分ごと化するきっかけとなり、視覚的な効果はもの凄く大きかったと思います」。

 また、日本ではデパートコスメブランドも男性特有の肌にアプローチしたメンズラインを展開中だが、“女性的な美”を追求する商品の展開は十分とは言えない。それは何故なのか?

 「私たちがインタビューさせていただいた男性のお客さまの多くは自分の肌に色がつくことに抵抗を感じる人が多いです。肌の悩みを簡単かつ自然にカバーできるものを求めてらっしゃるようですね。おかげさまでBBクリームもアイブロウも確実に売り上げは伸びてはいますが、いまはまだカラーバリエーションが豊富なメイクアイテムへの需要は感じていないのが現状です。今後、“血色をよくしたい”、“華やかに見せたい“などのニーズがより可視化すれば展開を考えるかもしれませんが、まずはスキンケアの重要性や、BBやアイブロウでの印象のセルフプロデュースを訴えていくのが先かなというのが現状です」。

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