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(更新: ORICON NEWS

大河女優・川口春奈、承認欲求しないYouTubeでの“ガチな生活”に共感 女優という異質な存在に求める自然さ

 女優の川口春奈が、1月31日に公式YouTubeチャンネル『はーちゃんねる』を開設。早くも70万人を超える登録者を獲得している(2月25日現在)。開設の思いについて「もっと身近に感じてほしい」と語っているように、実家のこたつに寝転んで大あくびするなど、大河女優とは思えない素の姿を包み隠さず配信。その嘘のない内容が、「計算高くなく素直で、何より素でこの美しさ」「背伸びしてない感じがいい」と共感と賞賛を呼んでいる。芸能人のYouTube進出がますます増えるなか、図らずも提示することとなった「芸能人YouTuberの正解の1つ」を川口が体現している。

大河女優とは思えないナチュラルな作りで、際立つ美しさ

 記念すべき初回で生配信を行い、ファンを大喜びさせた『はーちゃんねる』。YouTuberデビューの思いについて「普段なかなか会えないファンの皆さんや、自分のことを知らない方にも『私ってこういうヤツだよ』ということをゆる〜く観ながら、身近に感じてもらいたい」と語っている。その言葉通り、ゆる〜くリラックスしたムードで約30分の配信を進行した。

 カメラアングルもかなりのドアップ。しかも特別な照明を当てるわけでもなく、ごくごく普通の部屋(むしろ殺風景)での自撮り。女優であれば躊躇してしまいそうなシチュエーションだが、これが逆に功を奏した。何も作り込まないセッティングが、むしろ女優・川口春奈の美しさを際立たせることになったのだ。

 特にYouTubeを見慣れた層には、「照明あてまくっているYouTuberより何億倍も可愛いい」、「女性YouTuberが照明とかに気を遣っているなか、ナチュラルに肌の綺麗さを見せつける女優、強い!」と衝撃だったようだ。

 さらにリアルタイムで寄せられたコメントに気軽に答えたり、「(喉が渇いて)ちょっと失礼して…」とビールをごくりと飲んだりと大河女優とは思えない自然体に、「ほっこりし過ぎてなんだか観てしまう」「飾らないところに惹かれた。おっさん、川口ファンになりそうだ」と引き込まれる視聴者が続出。生配信中にたちまち50万人を超える登録者を獲得した。

可視化される今、芸能人の豪邸自慢は古い!? 時代にあった“無理しない”素朴さに共感

 現在は、川口が長崎の五島列島にある実家に帰省する様子を収めた3本の動画が配信中(2月25日現在)。五島つばき空港まで迎えに来た母親の車に乗ってスーパーで買い物をしたり、実家で甥っ子や家族とまったり過ごしたり、行きつけの地元の中華屋で大好物のラーメンをすすったりといった素朴な姿が映し出されている。

 なかでも視聴者をほっこりさせているのは、居間のこたつに寝転んであくびをしたり、母親と方言で会話したりといった、本当にくつろいでいるからこそ出る嘘のない素顔で、SNSでは「嫌味のひとつも感じられず、ほんわかした雰囲気で素直な子だなと思った」、「大あくびとか赤ちゃんの謎のあやしかたとか、観ているこっちも癒される」と、その自然な姿が好感を得ている。

 地上波テレビのバラエティ等でありがちな「芸能人の自宅訪問」企画と言えば、ことさら豪華な部屋を披露し、「芸能界で大成すると夢のような生活を送ることができる」ということを暗に匂わせるものが多い。一方『はーちゃんねる』で映し出されるのは、ごくごく庶民的な一般家庭。その生活感あふれる実家の風景が「実家がマジで実家だなって感じで好感が持てる」「芸能人もちゃんと人間なんだなぁって思う」と共感を呼んでいる。

 すべてが可視化される時代において、視聴者はすでに「夢を売る仕事=芸能人たるものゴージャスな生活をしている」「いつもキレイな格好をしている」という見方はしておらず、むしろそうした旧時代的なひけらかしに嫌悪感を覚える傾向すらある。『はーちゃんねる』が好意的に受け止められているのも虚飾のきらびやかさではなく、無理をしない、包み隠さない素朴さがウケているところは大きい。それでいて「何をやっても絵になる」「動画を観て改めて感じる、可愛いは絶対正義」など、メイクや衣装で飾り立てなくとも滲み出てしまう“女優オーラ”に驚愕しつつ、賞賛する声も多いのは、さすが「そんじょそこらのYouTuberとは格が違う」といったところだろうか。

過激さより普通の“私生活”に価値がある、芸能人YouTuberだからこそできるワザ

 そうは言っても、構成を作り込むんで番組を制作することを基本とする地上波テレビでは、“庶民アピール”をしてもどこか嘘くさくなってしまうもの。川口の帰省動画もYouTubeというフォーマットだからこそ、「作ったような感じじゃなく、普通に実家行ってくつろいであくびしたりしている。ここまで晒しても大丈夫…」「YouTubeセンスありすぎ。単に知名度があるからではない」というようにリアルかつ共感を呼ぶものとなったわけで、実に効果的なYouTubeの使い方をしているとも言える。なお、動画を観てもわかるようにスタッフが撮影したものではなく、あくまで川口による自撮りだ。

 また詐欺メイクで自分を盛ったり、大食い、限界に挑戦など、少々過激なことに挑戦して人気を得ている一般的なYouTuberとは異なり、普通の私生活にこそ価値があるのも“女優YouTuber”ならではと言えるだろう。「よくいるYouTuberの『私を見て』みたいな自己承認欲求が全く感じられなくていい」というコメントもあるが、そもそも川口クラスの知名度のある女優に自己承認欲求があるのかどうかすら疑問だ。

ポテンシャルの高い芸能人Youtuberの川口春奈だからこそ活きる“素朴さ”

 女優YouTuberの先駆者といえば、本田翼がゲーム実況チャンネルで人気を博しているが、こちらも「ただただゲームを楽しんでいる姿を観ているだけでいい」という声が多い。川口も本田も人気女優という職業柄、普段の“ガチ”な私生活はベールに包まれている。それを少しでもいいから覗いてみたいという視聴者の欲求に応えつつ、飾らない姿を見せることで好感度もあがるのは、女優YouTuberだからこそできるワザと言えるだろう。

 『はーちゃんねる』も開設されたばかりで、川口自身も「特に内容は決めていない。(視聴者の)皆さんと相談したい」と言っているが、「企画でもなんでもないただの私生活。ブランド力がすごい。もはや逆にこれが企画」、「特に内容があるわけではないのに永遠に観てられる」という声からも、現在のところは素の川口を見られることに満足している視聴者が多いようだ。

 芸能人がYouTubeに進出するにあたって、本業YouTuberのフォーマット(テレビではできない過激さなど)を踏襲する人も多いなか、川口は「芸能人が金儲けみたいな感じで(YouTubeを)始める人が多いけれど、自分の生まれ故郷に帰るという企画が可愛い」というコメントの通り、本業YouTuberでは成立し得ないスタイルで視聴者をつかんだ。ゆるくて素朴、それでいて人気女優というブランドを最大限に生かした『はーちゃんねる』は、まさに「芸能人YouTuberの正解の1つ」を提示したと言えるのではないだろうか。

 芸能人が次々とYouTubeに活動の場を広げるなかで、芸能人YouTuberの1つの答えを提示した川口春奈。「映画やドラマとは違う、ゆる〜い楽しみ方をしてもらいたい」という川口の思いの一方で、視聴者もまたベールに包まれた女優の素の姿を求めており、両者がウィンウィンの関係を築けている。『はーちゃんねる』の成功例をヒントに、本業YouTuberとは異なるまた新たな方法論を編み出す芸能人YouTuberの登場にも期待したい。

(文/児玉澄子)

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