ORICON NEWS
「狂気じみてる」「尖っている」と反響多数、担当者が明かす日清食品CM戦略の秘密
社長との議論でどんなアイデアも形に「面白さにこだわり続けることが強み」
例えば、会議に出されたCMのアイデアがパッとしなかったとする。そんな場合は、社長と宣伝部のスタッフが一緒になって、どうすれば面白くなるかを徹底的に議論する。だが、何十分かけてもいいアイデアが浮かばなければ、企画自体をボツにすることもあるという。「議論の場で皆が大笑いしたものは、世の中に出した時にもやはりウケます。まあまあだなといった反応のものは、やはりまあまあの反応しかないことが多いですね」
例えば、『魔女の宅急便』『アルプスの少女ハイジ』『サザエさん』『ワンピース』など、様々な有名作品とコラボした『HUNGRY DAYS』シリーズ。最初に広告代理店から提案されたのは、「もし国民的なキャラクターに青春があったら?それを青春アニメで描いたらどうなるだろうか?」というアイデアだった。だが“順目”を嫌う同社社長の「それだけでは面白くない」というひと言から議論が始まったという。
このCMを制作するにあたって、宣伝部のスタッフはリコーダー奏者の動画を徹底的に研究した。何が面白いのか、面白さを構成している要素は何なのか。それがリズムなのか、テンポなのか、曲調なのか。単に真似をするのではなく、新たな表現を生み出すため、時間をかけて1つ1つ分解していった。「“面白さ”にこだわり続けられることが、日清食品の一番の強み」だと米山さんは胸を張る。