• ORICON MUSIC(オリコンミュージック)
  • ドラマ&映画(by オリコンニュース)
  • アニメ&ゲーム(by オリコンニュース)
  • eltha(エルザ by オリコンニュース)
ORICON NEWS

「狂気じみてる」「尖っている」と反響多数、担当者が明かす日清食品CM戦略の秘密

社長との議論でどんなアイデアも形に「面白さにこだわり続けることが強み」

 日清食品のCMはどのように作られているのか。「日清食品の社長と宣伝部、そして広告会社のクリエイターさんが一緒になって作りあげていきます。ブランドコミュニケーションに関しては、社長と宣伝部で週一回の“定例会議”を行っています。社長は多忙ですから、会議の案件を持ち帰ることはほぼありません。どんな議題でも、即興的にその場でアイデアを考え、どんどん決めていくんです」

 例えば、会議に出されたCMのアイデアがパッとしなかったとする。そんな場合は、社長と宣伝部のスタッフが一緒になって、どうすれば面白くなるかを徹底的に議論する。だが、何十分かけてもいいアイデアが浮かばなければ、企画自体をボツにすることもあるという。「議論の場で皆が大笑いしたものは、世の中に出した時にもやはりウケます。まあまあだなといった反応のものは、やはりまあまあの反応しかないことが多いですね」

 例えば、『魔女の宅急便』『アルプスの少女ハイジ』『サザエさん』『ワンピース』など、様々な有名作品とコラボした『HUNGRY DAYS』シリーズ。最初に広告代理店から提案されたのは、「もし国民的なキャラクターに青春があったら?それを青春アニメで描いたらどうなるだろうか?」というアイデアだった。だが“順目”を嫌う同社社長の「それだけでは面白くない」というひと言から議論が始まったという。
「そこで、“掛け算”として社長から提案されたのが、“青春アニメとしての完成度を高めるため、作画をオリジナルとは変える”というアイデア。そして、窪之内英策さんなら、有名な国民的なキャラクターを現代の高校生として描けるのではないか、 と。こうして『HUNGRY DAYS』シリーズの世界観が形作られていきました」
 ケイン・コスギを起用したカップヌードルのCM「謎肉増量 篇」も社長のアイデアからスタート。「YouTubeで話題になったリコーダー奏者がどんどん増殖していく動画を見た社長から、“この中毒性をCMに取り入れたい”と連絡があり、アイデアとしてストックしておいたんです。その後、カップヌードルの“謎肉増量”を訴求するCMに使えそうだということになり、半年経ってようやく日の目を見ました。そして出来上がったのが、ケイン・コスギさんが『謎肉』に扮して増殖していく、シュールでカオスな映像のCMです。」

 このCMを制作するにあたって、宣伝部のスタッフはリコーダー奏者の動画を徹底的に研究した。何が面白いのか、面白さを構成している要素は何なのか。それがリズムなのか、テンポなのか、曲調なのか。単に真似をするのではなく、新たな表現を生み出すため、時間をかけて1つ1つ分解していった。「“面白さ”にこだわり続けられることが、日清食品の一番の強み」だと米山さんは胸を張る。

あなたにおすすめの記事

 を検索