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(更新: ORICON NEWS

のん、テレビドラマ出演を待望する声に言及「光栄なこと」

 映画監督、舞台、声優、バンド活動、個展開催と次々と新境地を開拓している女優・創作あーちすとののん。能年玲奈改め“のん”として活動を始めて3年、プラットフォームにこだわらず、常に「のんであること」を軸としているという。様々な表現の場を広げる彼女に、その原動力、そしてファン待望のテレビドラマ出演についても聞いた。

「ハードルを下げること」をポリシーに、自分の挑戦する姿で誰かの背中を押したい

 のんが映画監督デビューを果たした作品『おちをつけなんせ』の舞台裏を追ったドキュメンタリー『のんたれ(I AM NON)』が2日よりYouTube Originals で公開されている。この作品でのんは、監督だけでなく、主演、脚本、演出、衣装、編集、音楽など全ての工程を手がけている。

――YouTubeという新しいプラットフォームでの挑戦はいかがですか。
のんYouTubeは世界中の人が見ることができて、自分の思い1つで誰でも挑戦できる場所なので、こういった場所で新たな表現ができることは嬉しいです。

――様々な表現がある中で、のんさんにとって「映画」はどのような表現の場ですか。
のん絵や音楽は自分の頭の中にあるものをそのままぶちまければ形になるんですけど、映画って、照明、カメラ、音声とかの専門的技術を持ったいろんな脳みその人が、違う発想をぶつけ合って作っていくもので。それを一つの画に収めるのが難しいからこそ、たくさんの人の人間味が詰まっている作品として見せられるのかなって思います。自分が書いた脚本で役者さんがどう動くのか、どういう照明でどう撮っていくのかは現場に入らないと分からないし、そういう意味で「変わっていけるもの」だと思いました。現場で生まれるもので、自分の描きたいことを表現していくのが映画なのかなって。
――監督のみならず、あらゆる役回りを全てこなすという経験はいかがでしたか。
のんその道のプロの人に1か月ちょっとで追いつけるわけがなくて。完成して見てみるとやっぱり稚拙な部分も多々あって、最初は“出すのが恥ずかしい”とも思ったんですけど、1回自分でやってみると“もっとこうしたい”という欲が出てきて、次への勇気やモチベーションに繋がってくるんですよね。そうやって、そのうち何かを掴む突破口に繋がってくるんだと思うんです。
――映画『おちをつけなんせ』を通して、どのようなことを伝えたいですか。
のんタイトルに込めた思いは、普段何につけても“おち”をつけることを求められるけど、“おち”がなくても話をしたり、何かに挑戦したりしていいと思うんです。“やりたい”っていう素直な欲の前に道がそれちゃうのは本当にもったいない。私、“ハードルを下げてやること”をポリシーにしていて、思いっきり飛ばなくても一歩踏み出せば超えられるハードルを設定して、好奇心のまま進んでいくようにしているんです。そして、のんが色々なことに挑戦する姿を受けて、誰かの気持ちを後押しする作品になればいいなと思っています。

原動力は“怒り”「一番お気に入りの感情」

――常に新しい表現、新しい挑戦をされている印象ですが、そのモチベーションはどこにあるのでしょうか。
のん“怒り”ですね。物心ついたときからずっと怒りの感情が強くて、一番お気に入りの感情なんです。喜怒哀楽の中で、泣くことすら良いこととされているのに、怒りだけがネガティブに思われがちで仲間はずれ、みたいなところがあるけれど、でもその怒りがエネルギーの源となって、表現を積み重ねていくというか。特に音楽は、怒りのパワーをストレートにぶつけても生意気にならないものだと思っていて。負の感情として思われている“怒り”をポジティブに昇華して、それがみんなの糧になればいいなと思います。

――映画の制作中も怒ったことがあったそうですね。
のん普段でも現場でもどこでも、集中し始めると張り詰めた緊張感作っちゃうのですぐプンプンしちゃうんですよね。なので今回は、怒らないように楽しんでできるように気を付けてました。でも実際は撮影現場で、「こういう画を撮りたい」「このシーンをこうやって表現したい」っていうイメージをなかなかうまく言葉にできなくて、「伝わらない!」っていうもどかしさで怒っちゃったり。そういうのが素直に外に出ちゃうんです。
――創作あーちすと・のんとして3年、さまざまな出来事があったと思いますが、そんなのんさんにとって“表現すること”とは?
のん「自分が生きる術」ですね。女優をしていなかったら何をしていたんだろう、路頭に迷っていただろうなっていうくらい(笑)不器用な人なので、女優から始まり、こうやってたくさんの人に向けて表現していくことが見つかって良かったなと思いますね。

――そうした中で、のんさんのテレビドラマへの出演を待ち望む声が多く聞かれます。それに対してはどんな思いがありますか。
のんのんが演じている姿を、気軽に毎日テレビで観たいって思ってもらえるのはすごくうれしいし、光栄なことだなって。でもこの3年間、本当にいろんなことに好奇心旺盛にチャレンジしてきて、全部の活動を通してちゃんと「のんであること」を表現しているつもりなので、のん自体を面白がってもらえたらうれしいなって思います。

 脚本家・倉本聰も創作意欲の源は「怒り」であると明かしている。ドラマ『北の国から』も怒りのパッションから生まれた作品だったという。同世代の女優とは一線を画し、独自のスタイルで活躍の場を広げるのん。彼女の手から名作が生まれる日は遠くないかもしれない。

(取材・文/水白京)
のん初監督・製作映画『おちをつけなんせ』舞台裏を追いかけたドキュメンタリー
『のんたれ(I AM NON)』 視聴プレイリストはこちら▽▽
https://www.youtube.com/playlist?list=PLQntWbrycbJfJMzCikuL9KkqnQixdzuc4

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